12月歌舞伎公演「通し狂言 仮名手本忠臣蔵」第三部

第三部の初日に出かけてきました。 討ち入りの場の前に、天川屋義平内の場があります。こちらもはじめて見ました。 妻を離縁し、子どもの命をとられそうになっても、じっと堪える天川屋義平は、男でござるという有名な台詞もあります。

全部見ることができてよかったと思う反面、なぜこれまで、全部は上演しなかったのかもよくわりました。役者の力量と、予算など、もろもろの理由があると思いますが、面白いものは面白いのです。吉良邸での剣戟も、迫力があってよかったです。

忠臣蔵は、これからも伝えていきたいですね。日本人のエッセンスみたいなものだと思いました。

第三部 四幕八場
国立劇場美術係=美術

八段目   道行旅路の嫁入
九段目   山科閑居の場
十段目   天川屋義平内の場
十一段目  高家表門討入りの場
同  広間の場
同  奥庭泉水の場
同  柴部屋本懐焼香の場
花水橋引揚げの場

(主な配役)
【八段目】
本蔵妻戸無瀬  中 村 魁  春
娘小浪       中 村 児太郎

【九段目】
加古川本蔵     松 本 幸四郎
妻戸無瀬      中 村 魁  春
娘小浪        中 村 児太郎
一力女房お品   中 村 歌女之丞
由良之助妻お石 市 川 笑  也
大星力弥      中 村 錦之助
大星由良之助   中 村 梅  玉

【十段目】
天川屋義平    中 村 歌  六
女房お園     市 川 高麗蔵
大鷲文吾     中 村 松  江
竹森喜多八    坂 東 亀  寿
千崎弥五郎    中 村 種之助
矢間重太郎    中 村 隼  人
丁稚伊吾     澤 村 宗之助
医者太田了竹  松 本 錦  吾
大星由良之助  中 村 梅  玉

【十一段目】
大星由良之助  中 村 梅  玉
大星力弥     中 村 米  吉
寺岡平右衛門  中 村 錦之助
大鷲文吾     中 村 松  江
竹森喜多八    坂 東 亀  寿
千崎弥五郎    中 村 種之助
矢間重太郎    中 村 隼  人
赤垣源蔵     市 川 男  寅
茶道春斎     中 村 玉太郎
矢間喜兵衛    中 村 寿治郎
織部弥次兵衛  嵐    橘三郎
織部安兵衛    澤 村 宗之助
高師泰       市 川 男女蔵
和久半太夫    片 岡 亀  蔵
原郷右衛門    市 川 團  蔵
小林平八郎    尾 上 松  緑
桃井若狭之助  市 川 左團次
ほか

『ふつうの住まいでかなえる外国スタイルの部屋づくり』出版記念トークショー

ヘザー・ブラッキンさんのすてきな日常の暮らしを写真と文章で見せてくれる著書『ふつうの住まいでかなえる外国スタイルの部屋づくり』の出版記念トークが、11/29、渋谷のHouzz Japan(ハウズ・ジャパン株式会社)に開催され、行ってきました。

凝ったインテリアを購入するのではなく、身近なところにあるシンプルで、上質な暮らしという点で、共感を覚えました。棚もご自分で作ってしまうというのにもびっくり。ペンキ塗りのお話も楽しそうでした。 色へのこだわりは、シンプルな生活へのこだわりでした。

へザーさんともお話できて、和やかな楽しい会でした。ご本も購入しましたが、すぐにできそうなヒントが満載。 居心地のよい部屋をつくるためのヒントもたくさんあります。

本のタイトルを隠して、わざと裏をみせるとか、色へのこだわりを感じました。

お母さまは、作家の森瑤子さん。お母さまのコーナーもあって、見守ってもらっているのだそうです。 すてきな親子ですね。12月になるまえに、お話をうかがえてよかったです。

11月歌舞伎公演「通し狂言 仮名手本忠臣蔵」第二部

今年は国立劇場50周年記念のイベントが続きます。歌舞伎の愛好家から初めてという高校の同期と第二部を観劇しました。


http://www.ntj.jac.go.jp/50th/kabuki_chushingura/

団体なので、一等席を取ってもらい、さらにお弁当もお取り寄せして、芝居気分が盛り上がります。 この日は特に役者も頑張っていたのではないでしょうか。 見ごたえのある公演でした。三部作の中でも、山崎街道と、一力茶屋のあるこのパートがいちばん華があると思います。

菊之助が播磨屋さんのお嬢さんと結婚して、大正解ですね。芸というのは、競い合って、さらに磨かれるもの。人間国宝の人物の重みが出ています。
音羽屋も播磨屋も自分の得意なパートで、芸を競っていました。

最後にはバックステージツアーもあって、大満足な一日でした。関係者の方々、ありがとうございます。

【第二部】 四幕五場
国立劇場美術係=美術

浄瑠璃 道行旅路の花聟   清元連中
五段目 山崎街道鉄砲渡しの場
同   二つ玉の場
六段目 与市兵衛内勘平腹切の場
七段目 祇園一力茶屋の場

(主な配役)
【道行旅路の花聟】
早野勘平      中 村 錦之助
鷺坂伴内      坂 東 亀三郎
腰元おかる     尾 上 菊之助

【五段目】
早野勘平      尾 上  菊五郎
千崎弥五郎     河原崎 権十郎
斧定九郎      尾 上  松 緑

【六段目】
早野勘平           尾 上 菊五郎
原郷右衛門        中 村 歌 六
勘平女房おかる    尾 上 菊之助
千崎弥五郎       河原崎 権十郎
判人源六         市 川 團 蔵
与市兵衛女房おかや 中 村 東 蔵
一文字屋お才      中 村 魁 春

【七段目】
大星由良之助    中 村 吉右衛門
寺岡平右衛門    中 村 又 五 郎
赤垣源蔵        坂 東 亀 三 郎
矢間重太郎      坂 東 亀  寿
竹森喜多八      中 村 隼  人
鷺坂伴内        中 村 吉 之 丞
斧九太夫        嵐   橘 三 郎
大星力弥        中 村 種 之 助
遊女おかる      中 村 雀右衛門

 

10月歌舞伎公演「通し狂言 仮名手本忠臣蔵」第一部

国立劇場 50周年記念イベントのひとつ、仮名手本忠臣蔵を全段上演というのが始まりました。 これまでも何回もみていますが、全段というのは初めてです。

塩冶判官が中村梅玉、顔世御前が片岡秀太郎というのも、上方風で面白かったです。高師直がいじめるのは、今で言うパワーハラスメント、昔からあったのですね。

見たことのない、腰元おかると、早野勘平の逢引の場面も出てきて、のちにおかるが遊女になるのも、そのあだっぽさでは、仕方がないのかもしれないと思いました。慎み深く教養のある腰元ではなく、本当に明るくて、おきゃんで、軽いのです。

二人の道行きは美しいです。その先に死が待っているからでしょうか。しあわせになりたかったけれど、なれない二人の哀しさが伝わってきます。

特設サイト http://www.ntj.jac.go.jp/50th/kabuki_chushingura/

【第一部】 四幕九場
国立劇場美術係=美術

大  序 鶴ヶ岡社頭兜改めの場
二段目 桃井館力弥使者の場
同   松切りの場
三段目 足利館門前の場
同   松の間刃傷の場
同   裏門の場
四段目 扇ヶ谷塩冶館花献上の場
同   判官切腹の場
同   表門城明渡しの場

(主な配役)
【大 序】
塩冶判官     中 村 梅  玉
顔世御前     片 岡 秀太郎
足利直義     中 村 松  江
桃井若狭之助 中 村 錦之助
高師直       市 川 左團次

【二段目】
桃井若狭之助 中 村 錦之助
本蔵妻戸無瀬 市 村 萬次郎
大星力弥     中 村 隼  人
本蔵娘小浪   中 村 米  吉
加古川本蔵   市 川 團  蔵

【三段目】
塩冶判官    中 村 梅  玉
早野勘平    中 村 扇  雀
桃井若狭之助 中 村 錦之助
鷺坂伴内    市 村 橘太郎
腰元おかる    市 川 高麗蔵
加古川本蔵   市 川 團  蔵
高師直       市 川 左團次

【四段目】
大星由良之助     松 本 幸 四 郎
石堂右馬之丞     市 川 左 團 次
薬師寺次郎左衛門 坂 東 彦 三 郎
大鷲文吾         坂 東 秀    調
赤垣源蔵         大 谷 桂    三
織部安兵衛       澤 村 宗 之 助
千崎弥五郎       市 村 竹    松
大星力弥         中 村 隼    人
佐藤与茂七       市 川 男    寅
矢間重太郎       嵐    橘 三 郎
斧九太夫         松 本 錦   吾
竹森喜多八       澤 村 由 次 郎
原郷右衛門       大 谷 友右衛門
顔世御前         片 岡 秀 太 郎
塩冶判官         中 村 梅   玉
ほか

秀山祭九月大歌舞伎、初日昼の部を見てきました

吉右衛門が開催する秀山祭、菊之助も松緑も出るということで、初日に出かけてきました。


出し物は、吉右衛門の得意とする一條大蔵譚。つくり阿呆という演技が見事。特に檜垣では、阿呆のまま、観客を魅了させます。この人、日頃が謹厳実直の性なので、その落差が面白いのです。

今回は、吉岡鬼次郎・お京が、菊之助・梅枝といつもの気持ちの合った二人で、さらに、一條大蔵譚と鬼次郎のやりとりが、信頼された主従として、ぴったりでした。五月の團菊祭に引き続き、この義理の親子は呼吸もあって、頼もしいと思ってしまいました。常盤御前役の魁春も上出来。この人らしいなよなよした中に、きりりとした風情がよかったです。

初日だけに所作がまだ決まっていない人もいる中、この菊之助・梅枝のコンビ、そして、一條大蔵譚と鬼次郎の息の合ったところが、光っていました。

佐藤忠信の染五郎は、碁盤片手の立廻りで、大変そうです。碁盤のもち方に一工夫でしすね。荒事に挑戦するのも、大切なこと、ゆくゆくは幸四郎を継ぐ人なのですから。

太刀盗人は、又五郎と錦之助のやりとりが面白い。万兵衛を真似て九郎兵衛が半間ずつ遅れて舞う舞など、思わず笑ってしまいます。二人の技量があっていないとできない作品。そういう意味で、この二人はぴったりでした。

 

【昼の部】
右田寅彦 作
松岡 亮 補綴
一、碁盤忠信(ごばんただのぶ)

佐藤忠信           染五郎
塩梅よしのお勘実は呉羽の内侍 菊之助
右平太            歌昇
左源次            萬太郎
万寿姫            新悟
三郎吾            隼人
小車の霊           児太郎
浮橋             宗之助
壬生の小猿          桂三
摺針太郎           由次郎
宇都宮弾正          亀鶴
江間義時           松江
番場の忠太          亀蔵
横川覚範           松緑
小柴入道浄雲         歌六

岡村柿紅 作
二、太刀盗人(たちぬすびと)

すっぱの九郎兵衛     又五郎
田舎者万兵衛       錦之助
従者藤内         種之助
目代丁字左衛門      彌十郎

三、一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)
檜垣
奥殿
三代目中村吉之丞襲名披露

一條大蔵長成     吉右衛門
吉岡鬼次郎      菊之助
お京         梅枝
八剣勘解由      吉之助改め吉之丞
鳴瀬         京妙
茶亭与一       橘三郎
常盤御前       魁春

「【開館50周年記念特別展】山種コレクション名品選Ⅱ 浮世絵 六大絵師の競演 ―春信・清長・歌麿・写楽・北斎・広重―」ブロガー内覧会

山種美術館は、まだ茅場町にあったときからのお気に入りです。恵比寿に移転して、さらにバージョンアップした気がします。そんな美術館で、今回、ブロガー内覧会が開催されるということで、台風接近かもしれないという中、出かけてきました。
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この内覧会、なんと写真撮影ができます。フラッシュは不可ですが、かなりの接写もありで、それも楽しみでした。日頃から、江戸のくずし字講座を主宰しているので、江戸について関心があります。その当時の風俗や、絵師たちが描く、切り取られた日常というのをふんだんに拝見できて、幸せでした。

歌川広重の描く【東海道五拾三次】はあまりにも有名ですが、今回の展示のその保存状況もたいへんよく、初摺(しょずり)であったと思われます。特に扉がついていて、こちらには、《東海道五十三駅続画 保永堂》と記されています。こんな展示も初めて見ました。
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広重の東海道五拾三次では、【箱根】が一番好きです。険しい山並み、美しい色彩、鮮やかな風景です。 これをじっくりと眺めることができて、幸せでした。
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広重の東海道五拾三次の【原】では、富士山が台紙から突き抜けています。このような展示も初めて見ました。普通はこの部分が隠れてしまっているのですね。
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美人画も充実しています。喜多川歌麿のゆったりとした品の良い、【青楼七小町 鶴屋内 篠原】。当時の髪型もよくわかります。
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こちらが鳥居清長になると、いきなり八頭身のすらりとした姿に描かれます。【社頭の見合】、この着物の柄ゆき、髪型、みているだけで、わくわくしますね。

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こちらの会場には、東洲斎写楽も三枚展示されています。【八代目森田勘弥の駕篭舁鴬の次郎作】、色彩も鮮やかです。
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特に、特別ゲストとして、國學院大学の藤澤紫先生の作品解説がすばらしく、浮世絵の見方の基本および、中級の知識を教わりました。こういうレクチャのあと、再度作品を見ることができて、理解も深まるし、見所もしっかりとわかります。
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浮世絵が西洋の絵画にも大きな影響を与えたという話は知っていますが、
ゴッホが次のような作品を作っています。元になる広重の【名所江戸百景 大はしあたけの夕立】と比べてみると、広重の大はしは、雨が一部交差して、大雨なのに川面は静か。それに対して、ゴッホの水面は波立っています。日本の美意識の違いなのでしょうね。

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会場では、これらの展示に因んだ和菓子が五種類、用意されています。有料ですが、今回は内覧会ということで、わたしたちもお味見させていただきました。
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幸い台風もそれて、充実したプログラムに、満足して帰って来ました。また、機会がありましたら、参加させていただきたいと思います。関係者の方々、ありがとうございました。

国立演芸場で、落語を聞いてきました

夏に弱いはずなのに、京都の祇園祭を皮切りに、結構出かけています。特に夏の夜の落語鑑賞は最高の娯楽。同期生の主催するイベントに参加させていただきました。

今回は、東銀座でオペラビューイングのチケットを予約し、そこから都営バス [都03] 四谷駅行で、三宅坂に向かいます。築地の停留所は東劇ビルの前。少し築地側に戻ると、屋根付きの停留所があります。こちらでは、東京駅、新橋駅行きがあって便利です。三宅坂までは17分、地下鉄を乗り換え、半蔵門から歩くよりずっと楽しい。

夜の部は貸切で、18時開演ですが、最初は前座、この方は、プログラムの捲りをしたり、座布団を裏返したりと、忙しいです。続いて、二つ目。この辺りから、笑いを取るというか、面白くなってきます。落語が続くと飽きないように、曲芸や奇術などがあって、最後のオオトリが、柳亭市馬(りゅうてい いちば)。柳家小さんの弟子で、落語協会会長なんですね。

今回の出し物は『らくだ』。長屋でも鼻つまみ者のらくだというあだ名の男が、河豚に当たって死んでいるのを、兄貴分の男がみつけて、葬儀を行ってやりたい、しかし、金はない。そこに通りかかった屑屋、つかまって、いろいろと手伝いをさせられる。ケチで有名な大家からも酒と料理を出させて、こき使う。

そんな人情噺を聞かせてもらいました。最後まで聞きたかったが、屑屋が酒を勧められて、酔って人間が豹変して、今度は兄貴分を怒鳴りつけるというオチ。こういうのを見ると、独演会でたっぷりと聞きたい気になるから不思議です。

石山源氏と、源氏供養を見てきました

7月の国立能楽堂は『能のふるさと・近江』の特集企画でした。その最終日の演目が、《源氏供養》。なかなか上演されることのない曲です。京都に行く前に日程を確認し、チケットも取れました。

当日は、源氏にちなんで、絽の一つ紋に牡丹の帯、帯揚げは撫子で出かけました。能楽の前には狂言があるのですが、今回は、箏曲「石山源氏」。こちらは、続けて演奏されることは稀なことのようです。なにしろ、能楽堂の舞台に五つの琴が並ぶのですから、何が起きるのだろうかと、どきどきします。能楽の囃し方と較べ、五つ紋の黒留袖の女性が登場し、唄、琴、三弦、笛と奏でるのは華やかで、心躍る世界です。

この箏曲「石山源氏」、今年が石山寺の本尊の如意輪観世音菩薩が、33年に一度の御開扉ということで、特別に企画されたようです。リンク先に歌詞が載っていますが、ほんとうに流れるように美しい。今回は、 山田流箏曲家家元の山勢松韻が唄い、最高級の供養になったのではないでしょうか。

続いて、源氏供養。紫式部が能楽の題材になっているのというのも珍しく、そして、こちらも上演されることが珍しい曲。源氏が主題なので、格調高く、優美で、平安のみやびな世界を想像させます。

近江の石山寺に詣でたので、あの風景も浮かび、話にすっと入っていけました。石山寺で、雅楽を聞いたのも、こちらの演目をみることができたのも、源氏のおかげ。ありがたくもあり、みんなに感謝したい気持ちで帰ってきました。

 

シテ方宝生流・武田孝史氏インタビュー

祇園祭、後祭の記 その1 大船鉾

今回は三年目にしてようやく、大船鉾がとりを飾る、後祭を見ることができました。その1は、大好きな大船鉾からです。

7/19の朝、四条新町通りの大船鉾さんにご挨拶にでかけると、以前からお世話になっている松居会長が体調をくずして、新しい会長に代わったとのこと。少しお話して、鉾建てを見せていただきました。
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今年の大船鉾は、新たに龍頭をつけて、さらにパワーアップしています。

もともとあった龍頭は、1864(元治元)年に発生した禁門の変の大火で焼失していて、保存会ではこれを復活させようと龍頭の制作を決定。研究者から、かつての龍頭は、当時活躍した九山新之丞(くやましんのじょう)、新太郎親子の作ではないかとの意見が上がり、東山区の瀧尾(たきのお)神社拝殿にある新太郎作の木彫の龍を参考に、2年がかりで新調した(京都新聞 2016年06月18日引用)。

7/19  17時半に大船鉾を見に行くと、神事が始まっていました。龍頭は、東山区にある滝尾神社からの寄進です。
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宮司が祝詞をあげた後、この鉄の先に鈴のついた棒を三人が担いで、歩き出します。後ろからは神輿、そして、宮司と雅楽を演奏する人たちが続きます。これは古式ゆかしい祇園祭の音曲なのだそうです。そして、町内を三往復して後、ようやく龍頭を乗せます。二人がかりでようやく乗ると、歓声があがりました。

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今回の後祭、雨は一切降りませんでした。龍神さまは、雨を降らせる神様なのになぜだろう。思うに、龍頭がいちばんふさわしいところに収まって、非常に満足しているからではないか。保存会の会長さんたちとそんなお話をしました。

これが四条通を進む姿は壮大で、感激します。龍神さまも喜んでおられると思います。後祭のおおとりにふさわしい姿です。 またこちらの鉦は高い音がでるのですが、こちらもいずれ鉾が復興するだろうと、以前に作ってもらって寄付されたものだそうです。多くの人の思いが復興を実現させたのですね。

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石山寺で、如意輪観世音菩薩を見てきました。

石山寺では、平成28年(2016年)3月18日(金)から、33年に1度の本尊『如意輪観世音菩薩』の御開扉を行っているという新聞コラムをみて、京都に来ているので、出かけてきました。
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7月18日(月・祝)は法要のため、一般のご参拝の方は12時30分まで内陣へお入りいただくことができません、といわれ、せっかくでかけてきたのと思ったら、本堂には入れ、如意輪観世音菩薩も拝見することができました。

この日は、ちょうど、ご開扉中日法要に当たり、朝から雅楽の演奏が聞こえ、舞を舞う人の練習風景など、珍しいものを見ることができました。帰り道、参道を歩くお練りがあり、巻い手の装束から、源氏物語に出てくる青海波と思ったら、その通りでした。演目は『源氏物語』に登場する「蘭陵王」「青海波」。 これも観音様のご利益だと思います。

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三十三年ぶりのご開帳というのは、伝承するぎりぎりだと思います。昔舞った舞人が新しい人に伝え、彼がまた、次の世代の人に伝えるわけです。本堂の内陣で、雅楽の音曲にあわせて練習していた人たちも、ここで舞うのは初めての経験なのでしょう。朝一番で滋賀までやってきた甲斐があったというものです。

併せて同時開催の『石山寺と紫式部展』も見てきました。紫式部が奉納した大蔵経が展示されており、マダム・ムラサキの直筆をみることができます。 一千年以上も前に、紫式部がここに籠もり、源氏物語の着想を練ったというお話もとても真実めいています。境内はしずかで、清らげでした。

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石山寺は、 本堂は国の天然記念物の珪灰石(「石山寺硅灰石」)という巨大な岩盤の上に建ち、これが寺名の由来ともなっています。 平安から平成のときを旅しているような気分でした。

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今回の滋賀への旅行、京都地下鉄・京阪大津線1dayチケットを使いました。こちらは地下鉄全線に乗り放題ですので、京都で夜のお出かけにも便利です。お買いになるときに、パンフレットも併せてもらうと、こちらの石山寺も含めて拝観料も団体割引になります。京都地下鉄からは、奈良斑鳩の里チケットもあり、事前に調べておくといいと思います。

この日はお昼に琵琶湖のレストランでイタリアンをいただき、午後は三井寺に詣でて帰ってきました。三井寺はまた、別途載せます。