大船鉾 引き初めに参加する

今年はじっくりと後祭を楽しもうと、前祭の宵山から京都滞在です。7/18から鉾建てが始まった大船鉾も、今日が引き初め。昨年は大阪にいっていて、参加できず、初めての体験でした。

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引き初めというのは、毎年新たに鉾建てして、それが本番で滞りなく動けるように試運転だと、ずっと思っていました。それもひとつの意味なのですが、今回参加して、これは鉾町への披露だとつくづく思いました。

わたしは実際に縄を引くことはせずに、回りの家々のひとびとの様子を眺めていました。特にお年寄りや、およそ出歩くことのない奥さんたちまで、門かどに立ち、見守っています。みなさま、うれしそうに、満足げに見つめていました。

鉾町の鉾を維持する大変さもありますが、誇りや喜びを実感できるひと時でもあります。祭りというのは、神様が与えてくれた時間なんですね。

こういう一体感がないと、協力も維持もできないと思いました。神事に参加するという高い意識が鉾町を支えています。

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屋根の上で長い棒で、電線に絡まないように押さえて進みます。四条の新町通りは電線が多いので、こういう工夫も必要です。引き初めをみて、初めて気づくことがたくさんありました。

追記
2017年は船の穂先に金幣(きんぺい)を付けています。龍頭と一年おきに付けるのだそうです。これは毎年見るしかないですね。

2017年祇園祭、前祭、山鉾巡行

京都に通いだして、そして、祇園祭の愉しみ方を教わってから、十年以上になる。
今では、春ごろからそわそわと日程表を作り、ホテルを予約して、何をしようかと頭を悩ます。

京都の蒸し暑さを避けるため、大阪松竹座に出かけ、また、郊外の大原詣でにも行く。体力保持のため、ホテルは鉾町にとり、疲れたら、部屋で休む。ところが今年は三連休と宵山、巡行の日がぴったりと重なって、宵山の日のホテルが取れなかった。

大船鉾のみなさまと仲良くさせていただいているので、後祭だけでもいいかと思いながら、六月になって、市内から離れた南区の一戸建ての別荘が取れた。調べるとバス一本で四条烏丸まで行ける。乗り換えなしなら、雨が降っても安心だ。

宵山の日は、四条烏丸まで市バスも夕方五時十分までの運行。急がないとバスが到着しない。六時からは歩行者天国、それまでの間、規制を避けて、くろちくでお買い物して過ごす。

巡行の日は、四条烏丸は朝七時過ぎまでは市バスは通常運行。そのあとは四条大宮どまりとなる。多少は不便だが、それなりに宵山も楽しみ、いつもは行かない南の鉾をじっくりと見ることができた。芦刈山のちかくで、いつも若狭塗りの箸を買うのだが、それもできた。IMG_4486sIMG_4487s
巡行の朝七時半ごろ、菊水鉾の前を通ったら、タペストリーをつけていた。下のふちに並ぶ鳥の方向まで決まりがあって、微調整している。こういうのをみるのも楽しみのひとつ。

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今年は雨もなく、曇り空で絶好の写真日和。長刀鉾には大勢の報道陣も訪れ、賑々しい。

毎年来ているのに、新たな発見がある。巡行が11時に終わって、混まないうちに昼食をと、三条に向かう。座って食事をすると元気になる。朝八時からずっと立ちっぱなしだったことを思い出す。

帰り道は、富小路の便利堂に立ち寄る。今年は寺町通りの其中堂で、ヘーゲル、ラ・ロシュフーコーの本を買ってしまった。京都はなにか哲学的なうごき、働きかけがあるのだ。

祭りはこれだけではない。夕方は八坂神社で、神幸祭 神輿渡御(しんこうさい みこしとぎょ)を見る。こちらは夜六時開始で、一時間前くらいから場所取りが必要。最前列でみたいので、待機している。この神事も、知り合いから教わった。それまでは、巡行が終わると早々に帰っていたのだ。

充実した一日だった。そして、祭りの神様に感謝である。