国際博物館の日に、上野に行ってきました

国際博物館の日とは、ICOM(国際博物館会議)が、5月18日を「国際博物館の日」とし、博物館が社会に果たす役割について 広く市民にアピールしています。

上野では、記念事業として、上野ミュージアムウィークを設け、5月18日(水) 終日無料観覧を次の博物館、美術館で開催しました。
■東京国立博物館 (総合文化展のみ)
■国立科学博物館 (常設展のみ)
■国立西洋美術館 (常設展のみ)
■東京都美術館(「公募団体ベストセレクション 美術 2016」展のみ)
■台東区立下町風俗資料館(企画展のみ)

今年は、国立博物館と、西洋美術館に絞って観覧することにしました。上野を降りると、西洋美術館の前は長蛇の列。そんなに人気のイベントなのかといぶかしく思っていると、その日、西洋美術館が世界遺産に登録というニュースが流れて、一目見ようと押しかけた人が大勢いたようです。

このイベントはいつもひっそりと行われていて、国立博物館も無料開放日の割には静かでした。ほとんどの場所で、写真が撮れるのがうれしいのです。東京都美術館の若冲展もこの頃はまだ静か。上野で過ごす一日は楽しかったです。
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團菊祭に行ってきました

今年の團菊祭は、いつもと違う。團十郎不在のあと、男伊達をどうするのかと思っていたから、海老蔵も菊之助も頑張っている。菊五郎は一時体調を崩していたが、孫の初お目見えもあって、一幕は出ている。昔、團十郎と菊五郎が張り合っていた頃を思い出すと、時代は変わっていくのだ。

もう一つの目玉は播磨屋さんの登場。團菊祭に出るのは29年ぶりとのこと。この人も孫につられて出てきたのだ。播磨屋さんと音羽屋さんを祖父にもつ、寺嶋和史(菊之助長男)くんも果報者。恥ずかしがって、ご挨拶もできないが、退場の時、手を振ってみせた。

華やかな役者が揃って、顔見せ公演のようである。

福地桜痴 作今井豊茂 補綴
一、鵺退治(ぬえたいじ)

源頼政   梅玉
猪の早太  又五郎
巫女梓   歌女之丞
九条関白  錦之助
菖蒲の前  魁春

菅原伝授手習鑑
二、寺子屋(てらこや)

松王丸   海老蔵
千代    菊之助
戸浪    梅枝
涎くり与太郎  廣松
春藤玄蕃  市蔵
百姓吾作  家橘
園生の前  右之助
武部源蔵  松緑

河竹黙阿弥 作、花街模様薊色縫
三、十六夜清心(いざよいせいしん)
浄瑠璃「梅柳中宵月」

清心    菊之助
十六夜   時蔵
恋塚求女  松也
船頭三次  亀三郎
俳諧師白蓮実は大寺正兵衛  左團次

四、楼門五三桐(さんもんごさんのきり)

石川五右衛門  吉右衛門
右忠太     又五郎
左忠太     錦之助
真柴久吉    菊五郎

夜の部
一、勢獅子音羽花籠(きおいじしおとわのはなかご)
寺嶋和史 初お目見得

鳶頭   菊五郎
鳶頭   吉右衛門
菊之助
初お目見得 寺嶋和史(菊之助長男)

鳶頭    松緑
鳶頭    海老蔵
鳶頭    團蔵
茶屋女房  萬次郎
茶屋女房  秀調
鳶頭    権十郎
鳶の者   亀三郎
鳶の者   亀寿
鳶の者   松也
芸者    梅枝
鳶の者   萬太郎
鳶の者   巳之助
芸者    尾上右近
芸者    種之助
鳶頭    錦之助
鳶頭    又五郎
芸者    雀右衛門
芸者    時蔵
芸者    魁春
世話人   彦三郎
世話人   左團次
鳶頭    梅玉

河竹黙阿弥 作
二、三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)

大川端庚申塚の場
お嬢吉三    菊之助
お坊吉三    海老蔵
夜鷹おとせ   尾上右近
和尚吉三    松緑

鶴屋南北 作
三、時今也桔梗旗揚(ときはいまききょうのはたあげ)
本能寺馬盥の場
愛宕山連歌の場

武智光秀    松緑
小田春永    團蔵
四王天但馬守  亀寿
桔梗      梅枝
森蘭丸     萬太郎
森力丸     巳之助
連歌師丈巴   橘太郎
園生の局    笑也
矢代條介    男女蔵
安田作兵衛   松江
皐月      時蔵

四、男女道成寺(めおとどうじょうじ)
白拍子桜子実は狂言師左近  海老蔵
所化   男女蔵
所化   九團次
所化   萬太郎
所化   巳之助
所化   竹松
所化   尾上右近
所化   種之助
所化   廣松
所化   橘太郎
白拍子花子   菊之助

四月大歌舞伎、千秋楽に行ってきました

歌舞伎の神様というのが、いるのだろうか。偶然読んだ歌舞伎座のメイルマガジン。4月は、染五郎の『幻想神空海』。夢枕獏さんの原作全4巻も揃っている。

スケジュール表を眺めながら、行けるかなと思っていたら、明日が千秋楽。昔から、千秋楽には、何かが起こるといわれている。そして、三階席だが、いつもの八列目が1つだけ空いていた。これは、行くしかない。出かけるまでに予習をと、原作本を取り出した。いつか読もうと積読中だったのだ。一日かかって、2巻目まで読み終えた。登場人物が入り組んでいるので、新作ものは予習したほうがいい。

染五郎の新作ものはなぜか、原作も家にあって、毎回見ている。陰陽師東慶寺花だよりアテルイ、そして今回の空海だ。逸勢役は松也。勘九郎とはまた違って、コミカルさがある。児太郎(春琴)が妖しく、儚げでよかった。米吉もいつにも増して色っぽい。この若さですばらしい。

雀右衛門(楊貴妃)も美しい。この人は襲名披露のあと、先代の雀右衛門になりきっている。仕草や表情がはっとするほど生き写し。芸は伝承するのである。歌舞伎という古典から、新しいことに挑戦する力はすばらしい。続編も楽しみである。

夜の部

一、彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)
杉坂墓所 毛谷村
毛谷村六助  仁左衛門
お園     孝太郎
杣斧右衛門  彌十郎
微塵弾正実は京極内匠  歌六
お幸     東蔵

高野山開創一二〇〇年記念
夢枕 獏 原作、戸部和久 脚本、齋藤雅文 演出
新作歌舞伎
二、幻想神空海(げんそうしんくうかい)
沙門空海唐の国にて鬼と宴す

空海   染五郎
橘逸勢  松也
白龍   又五郎
黄鶴   彌十郎
白楽天  歌昇
廷臣馬之幕 廣太郎
牡丹    種之助
玉蓮    米吉
春琴    児太郎
劉雲樵   宗之助
楊貴妃   雀右衛門
丹翁    歌六
憲宗皇帝  幸四郎