日経ウーマノミクス・シンポジウムに行ってきました

日頃、仕事をしている上で、日経のイベントはひとつの指針となります。そんな中、真に女性が活躍する社会の実現に向けてスタートした「日経ウーマノミクス・プロジェクト」に参加しました。

この9月末から放送されているNHK連続テレビ小説『あさが来た』の脚本家・大森美香氏が日経新聞女性面・佐藤珠希副編集長と対談。「女性実業家」のパイオニア、広岡浅子に見る女性の生き方について語りますという前書き。

女性のためのプロジェクトですが、男性の参加も多く、人事などの関心の高い人たちだったようです。『あさが来た』で明治の女性の生き方について、解説し、実際の人物を連続テレビ小説に作り変えるにあたっての苦労などお聞きしました。毎日ドラマが必要ですし、主人公に自分を投影できないとつまらないですから。玉木宏演ずる新次郎、理想の夫ですね。本当の新次郎さんについては、あまり資料が残っていないとのこと。でもあれだけのプロジェクトをやらせるのですから、相当な大物です。

第二部は、実際に女性が活躍している企業の社長が、いまの女性を語る。そして、第三部のトークセッションでは、女たちの本音、思いが炸裂して、楽しかったです。これからの少子化、高齢化の世の中で、女性を活用できない企業は、生き残ることができないのです。どうやったら、気持ちよく働けるのか、キャリアセミナをまた、やってみたくなりました。

開催日時:     2015年11月17日(火) 13:30-17:20(13:00開場)
会場:     日経ホール(東京都千代田区大手町1-3-7 日経ビル3階)
参加費:     無料
定員:     500名(応募多数の場合は抽選)
主催:     日経ウーマノミクス・プロジェクト実行委員会

13:00     受付開始
13:30-14:15     「『あさが来た』脚本家が語る明治の女性実業家・広岡浅子に見る女性の生き方」
講師:大森美香氏(脚本家)× 佐藤珠希(日本経済新聞編集局女性面副編集長)
14:15-15:35     講演
「積水ハウスのなでしこたち」
阿部俊則氏(積水ハウス代表取締役社長兼COO)(14:15~14:55)

「社員一人ひとりが輝く良い会社へ」
永野毅氏(東京海上日動火災保険取締役社長)(14:55~15:35)
15:35-15:50     休 憩
15:50-17:20     パネルディスカッション「女性活躍 Next Stage ! 」
パネリスト:井原慶子氏(カーレーサー・慶應義塾大学大学院特任准教授)
三浦まり氏(上智大学法学部教授)
吉田晴乃氏(BTジャパン代表取締役社長・経団連審議員会副議長)
司会:木村恭子(日本経済新聞編集局編集委員)
17:20     終了

イタリア文化会館で『ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い』を見る

イタリア文化会館では、イタリア文化を日本に紹介するイベントを数々行なっている。その中で、大好きなモーツァルトのドン・ジョヴァンニができるまでという映画を見に出かけた。
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ロレンツォ・ダ・ポンテが、ユダヤ人で、キリスト教徒に改教され、神職についていたことを初めて知った。ベネチアを追放された彼が、新天地として目指したがウイーン。当時、新しい文化を積極的に取り入れていたのだった。ジャコモ・カサノヴァの紹介状を持って同郷のサリエリから、皇帝にお目見えして、新しいオペラをモーツァルトと作るように依頼される。

アマデウスの映画はあまりにも有名だが、こちらは、『ドン・ジョヴァンニ』ができるまでの出来事を中心にしている。途中、モーツァルトの父レオポルトの死の知らせがあったり、ダ・ポンテは、初恋の人と巡り会う。ウィーンの町は一度だけ、訪れたことがあるので、当時の様子も想像できた。たぶん、冬は寒い。雪もかなり降ったのではないか。貧しい人々には、辛い時期だったと思う。お金に困っているモーツァルト、そんな中で夢のような音楽を織り上げていく。

物語では、ネタバレになってしまうが、『ドン・ジョヴァンニ』は、かつてのダ・ポンテで、死んで生まれ変わるのだと語っている。カサノヴァも脚本協力をする。昔の自分を悔いて、新しい恋人との暮らしがはじまる。これを書いて、4年後になくなるモーツァルト。89歳まで長生きし、アメリカでの『ドン・ジョヴァンニ』の初演演奏に出席したダ・ポンテ。見事な対称だ。

 

『ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い』
2015年11月8日(日)

1787年、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが発表した不朽の名作
《ドン・ジョヴァンニ》。その誕生には、モーツァルトのイマジネーションを
刺激し鼓舞した劇作家、ロレンツォ・ダ・ポンテの存在があった。
オペラ《ドン・ジョヴァンニ》誕生を支えた“もうひとりの天才”ダ・ポンテに
焦点を当て、モーツァルト、ジャコモ・カサノヴァ、アントニオ・サリエリを
はじめとした多彩な登場人物とともに、傑作オペラの創作過程を描く。
監督は、『カラスの飼育』『サロメ』などで知られる巨匠カルロス・サウラ。
撮影は、三度のアカデミー賞に輝く名手ヴィットリオ・ストラーロ。二人の
偉大な“映像の魔術師”が史実から自由に発想を膨らませ、華麗なる世界を見事に
描いた傑作!
【監督】カルロス・サウラ
【出演】:ロレンツォ・バルドゥッチ、リノ・グワンチャーレ、エミリア・
ヴェルジネッリ 他
2009年/127分/日本語字幕付

2015年11月8日(日)19時(開場:18時30分)
イタリア文化会館 アニェッリホール(B2F)

11月大歌舞伎で、河内山を観る

11月3日 文化の日、歌舞伎座の夜の部に出かけた。11月は、吉例顔見世大歌舞伎で、十一世市川團十郎五十年祭に当たる。

成田屋の数ある当り役から『若き日の信長』と『河内山』を孫の海老蔵が演じ、『江戸花成田面影(えどのはななりたのおもかげ)』では曾孫にあたる堀越勸玄が初お目見得を果たします、という記念すべき興行だった。『河内山』の河内山宗俊は、海老蔵の初役である。

歌舞伎座の会場は、すごい熱気で、多くの人が成田屋を応援しているのがわかる。携帯カメラで人だかりしているのは、堀越勸玄くんのコーナー。

江戸花成田面影では、藤十郎、菊五郎、仁左衛門という花形役者が海老蔵を囲んで盛りたててくれる。ここで堀越勸玄くんのご挨拶。初お目見えというのは、役はつかないが、顔を出すという意味らしい。彼が将来の團十郎かとおもうと、長生きしてみたいと思う。

元禄忠臣蔵の仙石屋敷は、真山青果作で、畳み掛けるような会話に仁左衛門がきりりと応えて頼もしい。忍の一字が似合う人にやってもらいたい役柄だ。梅玉は、仙石伯耆守を楽しげに演じていた。

幸四郎の弁慶に富樫が染五郎、義経に松緑という組み合わせは、初めてだがしっくりと来る。染五郎の今後に期待したい。

そして、河内山だが、海老蔵がみごとに上野の高僧とお数寄屋坊主を演じわけていた。この人の独特のユーモアセンスと、人をくったようなところが合っているのだ。河内山は、美男の僧がやってこそ、物語の奥行きが出る。

同じ成田屋が得意とした、荒物の「毛抜き」でも、主人公の粂寺弾正(くめでらだんじょう)は、小野家の腰元や若衆に戯れかける。まあ、高校生対象の歌舞伎鑑賞教室では、この部分はカットされることが多いが、美男の僧なれば、宮のお側近こう仕えて、いろいろと進言もできると、見ている側にも連想させるのだ。

河内山は、もう一度見たい気がする。顔見世興行なので、どれもたっぷりで、夜の部だけで堪能して帰ってきた。歌舞伎の醍醐味は、人物と役柄の妙だと思った。

■夜の部
一、江戸花成田面影(えどのはななりたのおもかげ)
堀越勸玄 初お目見得

芸者お藤 藤十郎
鳶頭梅吉 梅玉
鳶頭染吉 染五郎
鳶頭松吉 松緑

海老蔵
初お目見得堀越勸玄
(海老蔵長男)

家橘
市蔵
九團次
右之助
仁左衛門
菊五郎

二、元禄忠臣蔵(げんろくちゅうしんぐら) 真山青果 作 真山美保 演出
仙石屋敷
大石内蔵助   仁左衛門
堀部安兵衛   権十郎
間十次郎    松江
富森助右衛門  亀寿
大高源吾    亀鶴
磯貝十郎左衛門 児太郎
大石主税    千之助
伴得介     梅丸
谷土源七    橘太郎
不破数右衛門  松之助
吉田忠左衛門  市蔵
桑名武右衛門  秀調
鈴木源五右衛門 家橘
仙石伯耆守   梅玉

三、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)

武蔵坊弁慶  幸四郎
源義経    松緑
亀井六郎   友右衛門
片岡八郎   高麗蔵
駿河次郎   宗之助
常陸坊海尊  錦吾
太刀持音若  左近
富樫左衛門  染五郎

四、河内山(こうちやま)河竹黙阿弥 作
天衣紛上野初花
松江邸広間より玄関先まで

河内山宗俊   海老蔵
高木小左衛門  左團次
宮崎数馬    九團次
腰元浪路    梅丸
北村大膳    市蔵
松江出雲守   梅玉