イタリア映画祭2012に行ってきました

2001年から始まったイタリア映画祭、日頃、あまり紹介されることにないイタリア映画が集結して、見ているだけで、イタリアの現実が透けて見えてくる。

ハリウッド映画のように、豪華なスター、豪華なセットではなく、イタリア映画は風景描写がすばらしい。同じロケ地を使っても、監督の姿勢で違う角度から描かれるのがおもしろい。

今回みたのは、「IO SONO LI」(シュン・リーと詩人)。ベネチアのようなラグーンにあるキオッジャという町のオストリア(カフェ+バール)にひとりの中国女性が現れる。彼女は故郷、福州に8歳になる男の子を置いて、出稼ぎに来ている。ここに集うイタリア人たちのなかに、ユーゴスラビアから30年くらい前に移民してきた老人がいて、二人は心を通わせ始める。

しかしながら、狭い町、田舎町で、中国人とイタリア人の友情はゆるされない。心を通わせてすぐに、別れがやってくる。

海の風景がすばらしい。主人公が中国女性なので、騒々しくもなく、静かに流れていく水の流れのようだ。だが、それだけではない。イタリアにおける移民の問題、あるいは田舎町まで、中国人が台頭してきて、外国人に乗っ取られるのではないかという危惧も感じている。

中 国で子供を抱えた女性たちが、よりよい生活を求めて、イタリアにやってくる。本来なら、夫が稼いで子供たちを養うはずなのに、それがいない女たちが出稼ぎ にやってくる。映画の中では、洋服の縫製工場が出てくるが、レストランや工場で働き、借金を返し、子供を国から呼び寄せるのだ。現実にそんな人が結構い て、その子供たちは、完璧なイタリア語を話して、学校に通う。

この作品の監督、アンドレア・セグレも子供たちが通う小学校で両親が中国から の移民の夫婦に出会い、中国について学んだそうだ。本来、ドキュメンタリーを作ってきたということで、事実のような淡々とした物語には、陰影があり、想像 する部分が残されている。主演女優のチャオ・タオの演技もすばらしかった。 今冬公開予定なので、ぜひみてほしい。

 

黄金週間の正しい? 過ごし方

今年の黄金週間は、飛び石だが、結構とある。前期は、4/28から4/30までの三日間、あるいは、メーデーでお休みの企業は四日間。後半は、5/3から5/6までの四日間。これを有休を使って休むと、9日間。ヨーロッパでもいけそうな長さだ。

さて、そんな黄金週間の正しい? 過ごし方について、記しておこう。正しいには?マークが付いているのがミソである。

1. 旅に出る
この時期、どこも観光客で賑わっているから、裏をかいて、都心回帰しよう。銀座のビジネスホテルに泊まって、二泊三日を外国人気分で過ごそう。

あるいは、夜行バスを乗り継いで、京都、奈良あたりにでかけてみる。帰りも夜行バスなら、ホテルの心配もいらない。ただし、年齢制限あり。

2. 友だちと会う
天気がよければBBQバーティもよし、寿司ご飯をつくって、手巻き寿司パーティも楽しそう。キーワードは、「日頃会えない」友だちと、「美味しい食事」を楽しむ。うれしいことが二つも重なると、心の奥の憂さもかき消してくれる。

3. 買い物に出かける
財布の中に、一千万円ほど入れて、ない人は想像して、買い物に出かける。資金が潤沢にあるから、焦って、ファイナルセールに飛びつくこともない。ゆったりとした気持ちで、あれこれと見定める。

さらに気分を変えたかったら、アウトレットに出かけよう。先日オープンした木更津なら、オープン特典が満載。歩くだけでも楽しい。

 

4. ガーディニング・庭いじり
豪邸でなくても、ベランダでジャガイモを育てることができる。ホームセンターに出かけて、培養土を買って、軍手をはめて、麦わら帽をかぶれば、あなたも、仲間入りだ。

5. 本を読む
図書館の本は、不可。これは自分の本でないと、楽しめない。
まず、ブック○フや、密林で、欲しい本を買い集めよう。ビールを飲みながら、あるいは、入浴しながら、好きな本を好きなだけ読むのだ。濡れても、汚れても、自分の本だから安心。気に入ったフレーズには書き込みをいれて、あるいは付箋も付けて、自在に楽しむ。

本は一つの完結した世界だから、読み終わったら、違う景色が見えるかもしれない。

6. 部屋の模様替え
暮れになると大掃除をみんなするが、実は春の大掃除のほうが理屈にあっている。暖房もいらないから、窓を開け放って、空気を入替え、掃除もできる。

使 わないものは、潔く捨ててしまおう。マイルールを作り、一時的に段ボールに保管するのもあり。一年経って、使わないものは、そのまま捨てられる。椅子や、 家具を変えるだけでなく、カーテンも替えると、印象が変わる。ミシンがあれば、カーテンを縫うのは簡単。直線だから上下を縫って、フックを差し込むだけ。 一時間くらいで完成する。

7.  非日常で過ごす
いつもとは違う生活をしてみる。寝床に朝食を持ち込んで、食べるのもよ し、明るい昼間からお風呂に入るのもよい。自分で作って既成概念から解放してあげよう。知合いに休日は一日、着物で過ごして江戸人になる人がいる。トガを 着て、ローマ人で過ごすのも楽しい。休日に、正装して家の中で過ごすというのも、かなり面白そう。

非日常であれば、あるほど、愉しさも深いが、宅配便のお兄さんを驚かさないように注意したい。

以上、そのヒントをいくつか上げてみたが、これらを組み合わせて実施するのもいい。昨年の計画停電なども思い浮かべて、悔いのない休日を過ごしてほしいと思う。

今年は、植物分類学の牧野富太郎博士の生誕150年

日本の植物分類学の礎を築いた牧野富太郎博士は、高知の生まれだったのだ。ことしがその生誕150年にあたり、さまざまなイベントが開催される。makino

中でも目玉とよべるのが、「牧野富太郎の道を歩く」植物ガイド養成講座。年に5回程度の予定です。受講料は無料。

問い合わせ先: 大月町商工会 0880-73-0135

この機に四国に行くのも楽しい。全講座を制覇できたら、植物についても詳しくなるのでないか。小石川植物園をみたので、野外実習がしてみたい。知らない方のために、博士の略歴を載せておく。

■略歴
牧野富太郎博士は、1862(文久2)年4月24日、現在の高知県高岡郡佐川町に生まれた。土佐の豊かな自然に育まれ、幼少から植物に興味を持ち、独学で植物学の研究を続ける。22歳で上京し、東京大学理学部植物学教室で植物分類学の研究に打ち込む機会を与えられた。

1887年に友人と 「植物学雑誌」を創刊、同誌上に共著で記載したヤマトグサは日本国内での最初の新種発表となる。94年の生涯において収集した標本は約40万枚。新種や新品種など約1,500種類以上の植物を命名し、日本植物分類学の基礎を築いた一人として知られている。

東大講師辞任後1940年には、現在でも研究 者や愛好家の必携の書である『牧野日本植物図鑑』を刊行。1953年に東京都名誉都民。没後、文化勲章受章。

スゴ本オフは、海外旅行に似ている

4/14 17時から22時過ぎまで、30人くらいが集り、課題
に合わせて、それぞれが選出した本について語る、スゴ本オフ。
今回のテーマは「女と男」。

テーマが決まったときから、これは海外旅行に似ている
と思った。

1. エントリー
行きたい人は申込をする。自分の意志で行き先を決める。
facebook経由の申込サイトは定員になるとクローズされる

2. 事前学習
旅に出るために事前に情報を集めるように、自分の発表する
本を選んで、読み直したり、予習したりする。仕事より、
頑張るという人がかなりいる

3. 催行日
当日は、集合場所に集合時間に合わせて、集まる。そして
旅の始まり。それぞれの見どころ、落としどころ、昔の
思い出、自分の意味、そんなものが次々と披露され、
たくさんの人生をみているような気がする。読書はひとり
で完結するものではなく、語ることから始まるのだ。

見るべき風景がたくさんありすぎて、灰色の脳細胞は
回らなくなる。知的興奮というのは、人を勇気づけ、
優しく、饒舌にさせる

4. 食事
旅に付き物の美味しい、珍しい食事が提供される。毎回、
食べきれないほど、集ってくる。本が好きな人は、
食いしん坊という説あり。大人の会なので、アルコール
もあり、美味しいコーヒーも、アップルパイも出る

5. 開催あとの楽しみ
旅行のように、撮った写真の公開がある。また、各自が
持ち寄った本についての補足、そして、旅の思い出を
共有する時間をもつ。この余韻に満ちた時間は、
長い間続くのだ。

旅は参加することに意義がある。このスゴ本オフも
しかり。ここにいて、同じ時間を過ごした仲間というのは、
言葉では語れないほど、深い心の交流がある。そして、
読んでみたい本がまた、増えていくのだ。

これも人生の愉しみと、甘受する。

yasuyukiさん、ダインさん、ともこさん、そして、ズバピタさんの実況まとめ、参加されたみなさま、ありがとうございます。

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上野の森で夜桜を愛でる

今年の桜はなかなか咲かなかったが、週末にかけていっせいに 開いようだ。4/6 金曜日、たまたま上野で会合があり、 上野の森の夜桜を楽しんだ。 正直なところ、こんなに混雑している上野は初めて。かなり 冷え込んでいるのに、大勢の人が桜の花の元に集り、宴会をし ている。桜の花はぱっと開いて、すぐに散ってしまう、その 潔さが日本人の心情にあっているのかもしれない。

夜の桜は昼間見るのと違って、妖しい美しさがある。 それは、もう明日はみることのできない儚さにも 繋がる。 昨年から、さまざまな出来事があって、それでも桜は わたしたちを忘れずに咲いてくれたのだと思うと、 ありがたい。この時期、上野に集ったのも何かの ご縁だと思うのだ。