京都南座で顔見世を見る

今年も12/20から23日まで、京都に行ってきました。往復はマイレージの特典旅行を使って飛行機。ホテルは四条烏丸と、南座からバスで一本の場所にしました。

京都に着く時間をランチタイムの間と考えると、羽田出発は10時の便になります。伊丹着11時、ここから空港バスで京都駅まで、というのがいつものコース。今回は、四条烏丸のホテルということで、大阪空港からモノレールを使いました。

大阪空港から、南茨木まで。ここで阪急南茨木に乗り換えて、河原町行きの阪急電車を乗ります。途中、高槻で特急に乗れば、さらに早く着きます。阪急烏丸で降りれば、ホテルまで直行です。12時45分くらいに到着。ちかくのレストランのランチタイムに間に合いました。

12/21、天気予報は、夕方から雨マーク。着物で京都に来ているので、二部式の雨コートの上着を着て出かけました。途中、錦公路で、お弁当のおばんざいを調達します。この日は昼夜観劇、朝10時半から、夜9時過ぎまで、じっくり、たっぷり歌舞伎の世界に浸ります。

昼と夜の休憩のとき、近くに芸妓さんを発見。お客様と同行で観劇するのです。可愛らしいひとでした。京都ならではの風物詩ですね。

お芝居に浸り、旅先で、さらに非日常世界を味わうと、本当に心が癒されます。見ている方も、これだけ疲れるのだから、演じている役者さんもさぞかし大変でしょう。

團十郎さんは、休演。こちらは新橋演舞場の正月公演が控えていますから、大事を取ったのでしょう。

代わりに東京では休演だった仁左衛門さんが、早野勘平を勤める山崎街道の場。この人が演ずると、生真面目な人だけに義父殺しの哀しさが溢れます。菊五郎とはまた、違った型が面白いです。

藤十郎さんの伊左衛門も彼ならではの持味。あの歳でこのボンボン役ができるのも芸の力でしょう。

夜の部では、勘九郎の襲名披露の口上がありました。さすがに21日ともなれば、泣いてばかりはいられません。却って周りの幹部のひとたちのほうが、残念な思いが強く感じました。同じ芝居を演じた仲間ですから、そう思うのは当然のこと。

この南座の顔見世、11月、12月公演なのですが、寿曽我対面もあります。これはお正月公演の演目なのですが、ここではお正月は歌舞伎がないので、仕方のないことですね。舞台を見ていると、一足早く、お正月になったような気分が楽しかったです。

芝居が終わって、外にでると、雨が降り出していました。

スゴ本オフ「食とエロ」の会に参加しました。

2012年、最後のスゴ本オフ。今回のテーマは「食」と「色(エロ)」ということで、50人を超える参加申し込みがありました。半蔵門のKDDI Web Communicationsさんの会議室に12時から20時までと、みんなが持ち寄ったものをいただきながら、まったりとした時間を過ごしました。

まず最初に主催者のダインさんと、 yasuyukiさんから、本の紹介とこの会の趣旨が説明され、「食」と「色(エロ)」は類似する事柄も多く、似通ったものであるという指摘をもらいました。

全体の流れについては、ツイッターで情報を更新してくれた、ズバビタさんのまとめがあります。

参加者が50人で、ひとり二冊としても100冊、それ以上、持参した方もいて、メモした本がほとんどでした。この会に出ると,紹介された本を全部読みたいという野望にかられます。

一年くらい続くと、もう積んどく本のタワーができるわけです。毎回、感心するのですが、本がかぶらない、見事にばらけています。

わたしは途中で退席したのですが、残りはツイッターの実況で様子を知りました。今回は、年末ということもあって、サンタクロースのコスチュームでの参加の方、着物で参加の方など、彩りも華やかでした。差し入れのおやつも、それは豪華で、美味しいものを食べつつ、お話を聞くという濃密な時間を過ごさせていただきました。

■今回紹介した本■
1. 『ワーキングカップル事情』 安井かずみ・加藤和彦 新潮文庫
2. 『パンプルムース氏のおすすめ料理』マイケル・ボンド 創元推理文庫

籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)@新橋演舞場

知合いから、声をかけてもらい、菊五郎の初役の佐野次郎左衛門菊之助の初役の八ツ橋が出る籠釣瓶を見てきました。
団体でチケットを取ったので、二階の花道がよく見えるよい席でした。12月だというのに、郭が出てくると、華やいで見えるのは、日本人だからでしょうか。

花魁の微笑みで人生を狂わせる男の物語
上州佐野の絹商人、佐野次郎左衛門は、下男の治六とともに桜咲き誇る吉原仲之町に来て、花魁の八ツ橋に心を奪われます。それから次郎左衛門は、八ツ橋の元へ通いつめるようになります。八ツ橋を身請けするつもりが、満座の中で八ツ橋に突然愛想づかしをされ、うちひしがれて佐野に戻ります。ところが、四カ月後再び吉原に現れ、恐ろしい事件が始まります(歌舞伎美人サイトから抜粋)。

これまで、なんどか籠釣瓶は見ているのですが、今回のものは少し違っています。もともと、二枚目でいなせな役の似合う菊五郎が初役の汚れ役。田舎ものを演じるのですが、ところどころに、きらりと二枚目が出てしまう。たとえば、羽織りを着るときの仕草、羽織り紐の掛け方。刀の持ち方などなど。

もうこの人は、源氏物語の桐壺の帝くらいしか、挑戦する役がないのでは、と思います。実父の梅幸は、女形でしたが、彼は両方に挑戦しています。歌舞伎の楽しみは、演目にあった着物を着て、オシャレして出かけ,知合いと幕間にはおしゃべりして、情報交換。そんな大人の社交場ですね。

帰りには小雨が降り出してきて、役柄に合わせた涙雨のように思いました。歌舞伎座のできるまでは、新橋演舞場で楽しみたいと思います。