ブラジル映画祭2012、試写会に行ってきました 【前編】

ブラジル映画を見るのは、たぶん今回が初めて。プレス向け試写会に、ブロガーとして参加して、二作品を見てきました。

Heleno サッカーに裏切られた天才、エレーノ、107min、Drama
1940年代に活躍したストライカー、エレーノ。記録では1940-1948まで所属していたBotafagoで209本ものゴールを決めています。

才能があって、美貌で女にももて、怖いものなしの彼も、運命の女神には愛されていません。ワールドアップの代表に選ばれながら、戦争のため二度の中止。さらなる活躍の場を失ったのです。そして,挫折。美しい妻は、友人に取られ、自身もその後、Boca Juniors、Vasco da Gama、Junior de Barranquilla と移籍を繰り返します。

そんな彼の華麗で劇的な生き方は、まるで映画スターのようです。男と女の愛憎、狂気。実在する人だけに、人生の哀しみ感じさせます。

ドラマは回想から始まります。ひとりの人間がここまで、変わってしまうのだと驚愕させる療養所生活。それでも、エレーノは、最後まで試合に出たいのです。自分がゴールを決めてやる、それができるのは自分しかいないという自負があります。時代が移り行くことすら、気づいていません。

1940年代のブラジルの風景、音楽がすてきでした。海岸線もきれいで、豊かな自然があるのですね。エレーノ役のホドリゴ・サントロが魅せるひとりの男、栄光と孤独。どきどきしながら、人生について、考えさせられました。

後編はこちら

スゴ本オフ、音楽の二日間を過ごして

音楽がひとの心を癒し、そして、生きる力を与えてくれるということは、一部のひとには、よく知られている。

モーツアルトを聞かせると、旨いお酒ができるからと、酒蔵に音楽を流していたところもある。

そんな音楽をテーマに、音楽ができ上がる現場を知るワークショップと、音楽にまつわる本、CD、DVDなどを紹介する音楽のスゴ本オフと,二日間連続で参加した。

音を作ることに、高価な機材や、特別な場所を借りるという時代から、もっと敷居が低く、楽器演奏の経験のない人でも、音を作る楽しさを味わえる、という時代にシフトしていることがよくわかった。もちろん、音楽のセンスや、音源の組み合わせの妙は、必要だが、それも作りながら、習いながら、楽しんでいけそう。

デジタルで配信して、受けてもデジタルで聴くことになると、音楽というものも少し変わっていく。もちろん、コンサートホールで、オペラやシンフォニーを聴くという楽しみも残っている。いろんな生き方を選べるように、音楽についても、作る側、受け取る側の自由度が増すのはよいことだ。


スゴ本オフ、音楽の会では、ピアノが弾けることがひとつのキーワードになっていた。音楽家になるための始まりは、ピアノである。そして、絶対音感を身に付けていくことになる。では、こどもは何歳から音楽を習わせるか、あるいは、大人になってから習得できるのか、このあたりが論点になりそう。

今回は、いくつかそういう理論についての本を紹介していただいた。読んだあとから、また、感想を載せたい。

響きの科楽 ジョン パウエル
音楽の科学—音楽の何に魅せられるのか? フィリップ ボール
ピアニストの能を科学する 超絶技巧のメカニズム
ピアノを弾く身体

さらに発展したものとして、
憂鬱と官能を教えた学校・文庫本
こちらは、ジャンケンに勝って、家に持ち帰った。

日頃、音楽を楽しむことはあっても、そのメカニズムや、理論について考えることはなかったから、きわめて貴重な体験をしたことになる。スゴ本オフは、すごいと思った。

今回は人数も少なく、リラックスした気持ちで、プレゼンものびのびと自由にできた気がする。企画してくださったみなさま、ありがとうございます。

海外通販で、注文したものが届かないときは、カード会社が力になる

これまで、二度ほど注文して、問題なく届いた海外サイトに、今年の一月始め、衣類をオーダした。一月の慌ただしさが過ぎ、気がつくと、品物はまだ届かない。どうしたのだろうかと思っているうちに二月になったので、注文したサイトに手紙を出した。何の連絡なしに一週間が過ぎ、別のアカウントのお問い合わせ窓口にも手紙を書くが、何の回答もない。

クレジットカードからは、引き落としになっているし、三月に入ってすぐカード会社に電話をしてみた。ふつう注文してから三ヶ月が過ぎると、苦情申し立てができないからと、書類を送ってもらい、それまでの経緯や、送ったメイルのコピー、相手とのやりとりなどを書いて、書類を送り返す。

知合いなどからも、カード会社が粘り強く解決してくれたというので、しばし待つ。今月八月になって、シティカードから親展の手紙が届き、何かと思ったら、苦情申し立ての結果、引き落とした金額を戻してくれることになったと、いうお知らせだった。

一部引用始め

先般ご照会いただいておりました海外加盟店からの別紙の請求の件につきまして、VISAインターナショナルを通じて現地加盟店への該当請求の差し戻しをいたしました。その請求差し戻しを不服として、加盟店が再度反論できる期限を経過いたしましたが、現在のところ先方より何の連絡もありません。これをもって、弊社は、加盟店が非を認め、該当請求の差し戻しを受け入れたものと最終的に判断しましたので、ここにご報告申し上げます。

つきましては、別紙の通り該当ご請求分をご返金させていただき、調査を終了といたしますので、ご確認くださいますようお願い申し上げます。

引用終わり

わたしのつかっているのは、シティカードのゴールドVISAである。年会費も高いのだが、こういうときには頼もしく感じる。品物が届かないときは、海外だから、言葉が自在に使えないからと、怖れず、まず、カード会社に相談すること。こちらに一点の曇りもないことなのだから、辛抱強く待てばいい。

お買い得だったはずの品物は届かなかったけれど、代金は返金され、少し賢くなったということで、こちらも幕を引くことにする。問題の店はこちら

シャネルの新香水、COCO NOIR を聴いてきました

昨日のシャネルコンサート、實川風さんのピアノ演奏でした。偶然ですが、お名前に見覚えがあって、略歴をみると、2009年千葉県文化会館での若い芽のαコンサートに出演されていました。千葉出身の方です。

今回はピアノの小品ばかりを集めたすばらしいプログラム。うっとりと堪能しました。隣の席の1つ先には、やはり知合いの華道家がいて、ご挨拶したりしました。

コンサートが終わって、いつもはエレベータでそのまま帰るのですが、昨日は、心が高揚していて、ブティックの製品を眺めていきたいと思ったのです。バッグやネックレスをチェックして、二階の香水売り場で、足を留めました。

シャネルの新香水を確かめてみたく、売り場の担当の方にお尋ねしました。COCO NOIR、こちらがリリースされたばかりで、東日本では、まだ4店舗だけの紹介だそうです。

さっそく聴かせていただくと、バラの香りをベースに濃厚ではなく上澄みのような澄んだ華やかさが広がります。ちょうどパリの夕暮れ時から夜にかけて、すれ違う美人が見つけているような香りです。日本では、9/14発売ということで、一足早く聴かせていただきました。

コンサートに出かけて、香水を聴くというのも楽しみのひとつですね。

早生りんご、つがるのご案内をいただきました

家族揃って、リンゴ好きは、祖父の実家が横手だったこと、山形の大叔父からもリンゴが木箱で届いたこと。小さいときから、季節になるとリンゴはふんだんにあって、それを食べるのが日課になっていた。

表紙の絵は佐渡の能舞台だが、9/7に草刈神社に能楽を奉納する。その折、西三川の直売所で売っている、リンゴを買って帰るのが楽しみ。9月にリンゴが食べられる幸せ。それは、産地は変わっても4月くらいまで続く。

昨年のこと、長野の知合いのブログに早生りんごの話が載っていた。8月のお盆に合わせて作っているという。注文したいというと、すでにすべて出荷してしまったといわれた。来年はぜひ、お声をかけますということで、待っていたら、メイルが届いていた。

こういう心遣いがいちばんうれしい。8月下旬にリンゴを食べられる幸せと、そして、こんな優しい人たちが作るリンゴはまた、格別だろうという二重のうれしさがある。物やサービスを提供して、お客様を幸せにできるのが、ビジネスの基本。相手に感謝されて、収益をあげるのが大切だ。自分もそんなサービスを提供していきたいと思う。

800冊の蔵書をもってけ、というイベントに参加しました

日頃、こんなに愉しいイベントはないと思うような、「本のもってけ祭」に出かけてきました。主催者の男性は、スゴ本オフの仲間。旅に出る前に蔵書の整理も兼ねて、本好きの友だちに声をかけて、好きな本を持っていって、ただし、一年したら返却もありというイベント。

途中、激しい雨もありましたが、運よく迷わず、目的地に到着。一室に並んだ本をみているだけで、わくわくしてきます。普通の書店よりもアートなものが多く、ここ数年の有名どころの本が押さえてあります。しかも、未読本も多い。

普通に働いている人が、帰宅後、自由になる時間で、歯応えのある本を読むことは難しい。それは、週末のお楽しみにと、軽い本を読んでしまいがち。800冊の蔵書に対して参加希望者は40人足らず。ひとり20冊を見当に好きな本を借りられるのです。

それは愉しいですよ。自分が本屋の店主になった気分で、タイトルが気になるもの、ほしいけれど、時期を外してしまったもの、完全に趣味に走った物など、あちこちから探して、風呂敷にいれて戻ってきました。

さて、どれから読み始めたらいいか、后のくらいよりもうれしいと、喜んだ少女の気分です。欲をいえば、本と同時に、時間も付けていただけたら、なおうれしい。ここに並んだ本を全部読むには、どのくらいの時間が必要なのか、考えてしまいます。

本好きの人が集って、いろいろと悩みながら、迷いながら、本を選んでいく過程も愉しい。ひとりではないので、アドバイスなど受けながら、欲しい本が積まれていきます。ぜったいに愉しいので、うちでもやってみたいなあ、と切実に思いました。

そして、彼が旅から戻ってきたら、今度は、貰った方が、本を持ち寄って、彼に贈るイベントを開きたい。そのオルガナイザーをやりたいなあ、と思います。

一年経って、返してといわれなければ、そのまま、いただけるそうなので、それもわくわくします。今夜は、うれしくて、眠れそうもありませんね。

価値観の違いが、その人の人生を決めるとしたら

ずっと以前から気づいていたこと。自分とは違う意見、価値観で暮らしている人たちがいる。同じくらいの年齢で、教育程度も同じくらい、経済状況もそう変わらないはずなのに、決して折り合うことのない人はいるのだ。

今は、世の中には多様な価値観をもって暮らしている人がいることがよくわかる。毎日の食事を削ってでも、ブランド物のお洋服を着ることに生きがいを感じていたり、あるいは、休暇に南の島にいくことに、全霊を注いでいる人。オペラのおっかけをして、貯金はほぼないと豪語する人。

良くも悪くも、その人のベーシックな価値観が、その人の人生を決めているような気がする。わたしは、新しいもの好き、お買い物好き、よいものがお値打ち価格になっていると、どきどきしてしまう。身の回りに年々、新しいものがなく、同じものだけで暮らしていると飽きてしまう。

本は好きだが、自分が楽しむためであって、初版本を集めたりするコレクターではない。ずっと使い続けているものと、新しいものを取り入れるバランスが、大切。買い物ばかりに走ると、経済が大変だ。

そして、不思議なことに、その人の価値観に合わせて、友たちや恋人がやってくる。同じ仲間は、いっしょに集うと心地よいから、なんとなく惹かれあう。あなたの周りを見回して、価値観の違う友だちがあるか、調べてみたらいい。

物に囲まれた生活が心地よいと思うひとたちと、何もない空間こそが、贅沢なのだと思うひとは、対立して当然。同じ人でも時代や友だちの影響で、少しづつ変わっていく。

今は、ものを所有するより、捨てるあるいは、手放すことに注力している。特別なものを買い揃えるのではなく、無しに済ますことができるかを考えて暮らす。最近は、友だちの影響なのか、買い物は最小限にしようと、決めている。収納から管理を含めて、手間をかけずに、その時間をほかの事に使いたい。