利休にたずねよ

海老蔵が、あの利休を演ずる映画で、題名だけは知っていた。たまたま手に取って読みやすそうだと、連れてくる。長編小説なのだが、短編が繋がっていて、どこからでも読める。

後から分かったが、この本は、第140回直木賞受賞作。山本兼一さんは、丹念に資料を集めて書かれたと思うが、読み応えがあってすばらしい。

例えてみるなら、小倉百人一首の作者ひとりひとりが、登場して、この歌集をまとめた定家について語るようなもの。登場人物とその心理描写、そして、茶の湯に関する膨大な知識。少し、お茶を習ったものとしては、こういう本を若いときに読んだら、お稽古も楽しかっただろうと思う。

時代小説の面白さは、タイムマシンさながら、自分がその時代に飛んでいけることだ。歴史についてもある程度理解していると、その楽しさが倍加する。映画については、賛否両論があるが、自分の中のイメージを大切にしたい人は、読書して楽しめということか。

調べたら、映画サイトには、わかりやすい記載がある。茶の湯とは、千利休とはと、調べたい人にも手軽にわかってよいと思う。http://www.rikyu-movie.jp/special/#index

やっぱり銀座が好き

銀座を盛り場というのには、抵抗があります。文化の香りがして、週に一度は訪れたい場所です。美味しい食べ物、上質なもの、地方から発信する情報などがあって、わくわくさせられます。

月島からの帰り道、銀座一丁目で降りて、四丁目まで歩きました。夕刻の空を撮り、アップルストアを眺め、木村屋で、バゲットを買って、戻ってきました。

ただこれだけでも十分に幸せ。昨年はコートのお直しも銀座でお願いしたし、シャネルホールはあるし、歌舞伎座には歩いていけるし、本当にお世話になっています。

IMG_6223

新春浅草歌舞伎に行ってきました

浅草で歌舞伎をみるのは、勘三郎が最後に出演した平成中村座以来です。浅草公会堂は初めて、若手歌舞伎も初めてということで、目出たい初物尽くしでした。

この日は、朝から雨。第一部を鑑賞して、せっかくの浅草なのに、雷門も写さずに帰ってきました。着物で出かけたので、雨の中を歩き回ることは叶いません。

この日は、第二部で浅草総見があったのですね。華やかな芸者衆、こちらもみたかったです。

お芝居は、若手ばかりなので、若さに溢れていて、綺麗です。昔の若衆歌舞伎がこんなふうだったのではと、想像してみました。踊りも見せ場がたくさんあって、身のこなし方が軽やか。若さはいいですね。

後に禁止になったくらい、若衆歌舞伎は、観客を熱狂させたのでしょうね。芝居が終わった後も、ご贔屓に挨拶に向かったりと、人気も高かったと思います。

さすがに歌舞伎座では、こんな趣向はないのですが、浅草だけに、芝居小屋という雰囲気に似合っていました。お正月らしい演目で、楽しめました。

一、春調娘七種(はるのしらべむすめななくさ)

曽我五郎    尾上 松 也
静御前     中村 児太郎
曽我十郎    中村 隼 人

二、一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)
奥殿

一條大蔵長成  中村 歌 昇
常盤御前    中村 米 吉
八剣勘解由   中村 吉之助
鳴瀬      中村 芝のぶ
お京      中村 児太郎
吉岡鬼次郎   尾上 松 也

三、独楽売(こまうり)

独楽売千吉 坂東 巳之助
芸者      中村 米 吉
雛妓      中村 鶴 松
同       中村 梅 丸
茶屋女房    中村 芝のぶ
独楽売萬造   中村 種之助

着物の話

昨年から続々と着物が集っている。親族から譲られたもの、知人からのいただきもの、どれも微妙にサイズが異なっている。

着物は、長襦袢、着物、羽織、道行き、雨コートと重ねて着用するので、すべてがマイサイズなら苦労はないのだが、いただき物同士を組み合わせるのには、工夫がいる。自分で買い揃えれば高価なものばかりなので、贅沢な悩みといえばそのとおりだ。

昭和に作られた着物には、現代の帯を合わせ、出かける場所に合わせて、組み合わせを変える。歌舞伎、能楽、オペラ、展覧会、食事会と、相手やその場所の雰囲気に合わせて、着物を選ぶ。

IMG_5090

ふだん過ごすには、どんな組み合わせもいいのだが、公共、あるいは、公式な場所に出かけるときは、自分の好き嫌いより、相手のことを考えて、着物を選ぶ。夏は着ている当人よりも、周りの人に涼しげに見えるように工夫する。季節を先取りし、季節感を大切にする。結構、頭を使うから、惚けないのかもしれない。

幸い、母親が存命なので、分からないことはいちいち確認している。昔はそういう決まり事が煩わしくて、逃げていたのだが、この頃は大人になって、日本文化を理解しようという気になっている。江戸の話を読むのにも、着物を着て過ごしていると、見えてくることが多い。

いただいて、箪笥から溢れた着物は用途別、季節別に整理しようと思う。目的がしっかりしているのだから、両方に使えるもの、用途が決まっているものを一目でわかるように、保管しておくとよい。

派手すぎてもいけない、かといって紬では失礼になるとき、色無地に格調高い袋帯を着るといいと教わった。これは応用範囲が広そうだ。訪問着では派手になる場所もあるのだ。

季節限定の柄や、通年使える柄を分けて管理しないし、混乱してしまう。着物も帯も、組み合わせによって新しい美が生まれる。それを楽しむための苦労も、また、楽しい。

 

鶴峯八幡神社に初詣

お正月の松の内を過ぎて、この三連休にようやく初詣に出かけてきました。この数年は、富津市にある鶴峯神社に参詣しています。こちらの神社は天羽郡の総社で、昔、源頼朝が武運長久を願って訪れたともいわれています。

神社内には、清々しい気が満ちていて、歩いているだけで、パワーチャージがされるようです。参詣する人も家族連れが多く、すれ違うと挨拶して過ぎます。神社の前には海が広がり、それも大好きな理由の1つです。
IMG_6096IMG_6100
参詣のあと、車で五分くらいの新舞子海岸に出て、海を眺めて過ごします。打ち寄せる波を数え、空の写真を撮り、豊かな時間が過ぎていきます。

この日は穏やかで暖かく、海岸を歩くと、春の匂いがしました。
IMG_6127

カテゴリー:

国立劇場一月公演、里見八犬伝に行ってきました

国立劇場に行くなら、7日までがお薦めです。開演前30分頃から、獅子舞があります。お正月の風情たっぷりな獅子舞のお囃子を聞きながら、お弁当を食べるのは趣きがあります。お飾りも立派でした。

IMG_6014
IMG_6016IMG_6010

今年の里見八犬伝は、原作に忠実で、歌舞伎らしい見せ場もたっぷりありました。菊五郎が、犬山道節を演じ、菊之助が犬塚信乃を初役で魅せます。屋根の上での立ち会いも、若手が活躍すると舞台は、生き生きしますね。

今回の悪役の網乾左母二郎。松緑がさらりと演じてみせます。なかなか水もしたたるいい男振り。梅枝の浜路も、かき口説きがいいのです。これまで、女に迫られても、出立する信乃、菊之助ならではのクールなところがいいです。悪人が何組もあり、舞台も華やか、お正月らしい公演で、楽しめました。

こちらも着物の方が多くてうれしかったです。着物で歌舞伎見物、お正月は似合いますね。二階には国立劇場所有の絵画が飾られ、その前でご飯をいただくのもすてき。豪華で、格調高いのが国立劇場の基本です。来年は初日に出かけてみたいと思いました。

発 端 (安房)富山山中の場
序 幕 (武蔵)大塚村蟇六内の場
本郷円塚山の場
二幕目 (下総)滸我足利成氏館の場
同   芳流閣の場
三幕目 (下総)行徳古那屋裏手の場
四幕目 (武蔵)馬加大記館対牛楼の場
大 詰 (上野)白井城下の場
(武蔵)扇谷定正居城の場

出演
尾上 菊五郎   犬山道節
中村 時蔵    犬坂毛野
尾上 松緑    犬飼現八・網乾左母二郎
尾上 菊之助   犬塚信乃
坂東 亀三郎   犬田小文吾
坂東 亀寿    犬川荘助
中村 梅枝    大塚蟇六娘浜路
中村 萬太郎   犬村大角
市村 竹松
尾上 右近    伏姫
尾上 左近
市村 橘太郎
河原崎 権十郎
市村 萬次郎
市川 團蔵   馬加大記・大塚蟇六
坂東 彦三郎  足利成氏
市川 左團次  扇谷定正

グルメ食品・ギフトを通販でお取り寄せ!ぐるなび食市場

歌舞伎座、壽初春大歌舞伎に行ってきました

お正月の楽しみの一つは、芝居見物です。今年も歌舞伎座の壽初春大歌舞伎、夜の部に行ってきました。新装歌舞伎座は、東銀座駅直結なので、寒さも感じないありがたさです。お正月なので、着物の人も多く、華やいでいます。
IMG_5997

IMG_5995IMG_5999

『番町皿屋敷』は、岡本綺堂作。怪談ではなく、一途な恋の哀しい終末を描いています。腰元お菊(芝雀)が、愛する人の心の底を見たくて、故意に家宝の皿を割ります。最初は、粗相と笑ってすましていた青山播磨(吉右衛門)が、母を呼び寄せ、自分が婿になると伝えよ、と話します。

そこへ御用人柴田十太夫 (橘三郎)が事の真相を注進します。すると優しい顔の播磨が、一転して、男の真心を疑った女は許さない。家宝の皿を割ったから、手討ちにするのではない、こんな皿は惜しくもないのだ、とお菊に命じて、皿を一枚づつ差出させ、それを刀の柄でたたき割るのです。

お菊が、皿を差出すと、それを次々と割っていく。最後の皿が割れると、次は自分の命。見ているこちら側が震えるような怖さです。一度疑われた男は、いくら謝っても許すことはしない。こちらの心が見えないのかという怒りの裏返し。男女の愛憎は、深ければ、傷も深い。愛する人を手討ちにして、播磨はどうして生きていけるのでしょうか。芝雀の切ない恋、12月の国立劇場に続いての共演で播磨屋との息はぴったりでした。

『女暫』を玉三郎がやるのは、初めてみました。祝祭劇としての賑々しさ、登場人物の多さなど、『暫』の相似形です。ただ違うのは、女形が演ずるので、幕切れも女らしく、恥じらい、花道を引っ込むのに、舞台番の播磨屋の兄さんに六法を教わります。あの玉三郎が、男声で、見得を張り、愛らしいのです。なかなか乙な配役でした。

『黒塚』はもともと能楽の演目。今回、新歌舞伎座に初めて登場する新猿之助が主役。前の猿之助の凄みのある演技を覚えています。今回の作品は、舞踏劇の要素が強調され、あれは、若い役者だからできる軽快な踊りでした。勘九郎の阿闍梨祐慶も気品があってよかったです。若い役者の力強い熱演に、見ている側も興奮してきます。これからの歌舞伎界で活躍する二人の競演、清々しさを感じました。

一、番町皿屋敷(ばんちょうさらやしき)

青山播磨    吉右衛門
腰元お菊    芝 雀
並木長吉    桂 三
奴権次     吉之助
柴田十太夫   橘三郎
放駒四郎兵衛  染五郎
渋川後家真弓  東 蔵

二、女暫(おんなしばらく)

巴御前     玉三郎
蒲冠者範頼   歌 六
清水冠者義高  錦之助
女鯰若菜    七之助
茶後見     團 子
手塚太郎    弘太郎
紅梅姫     梅 丸
家老根井行親  橘三郎
局唐糸     笑 也
成田五郎    男女蔵
轟坊震斎    又五郎
舞台番辰次   吉右衛門

三、猿翁十種の内 黒塚(くろづか)

老女岩手実は安達原の鬼女 猿之助
山伏大和坊        門之助
強力太郎吾        寿 猿
山伏讃岐坊        男女蔵
阿闍梨祐慶        勘九郎