利休にたずねよ

海老蔵が、あの利休を演ずる映画で、題名だけは知っていた。たまたま手に取って読みやすそうだと、連れてくる。長編小説なのだが、短編が繋がっていて、どこからでも読める。

後から分かったが、この本は、第140回直木賞受賞作。山本兼一さんは、丹念に資料を集めて書かれたと思うが、読み応えがあってすばらしい。

例えてみるなら、小倉百人一首の作者ひとりひとりが、登場して、この歌集をまとめた定家について語るようなもの。登場人物とその心理描写、そして、茶の湯に関する膨大な知識。少し、お茶を習ったものとしては、こういう本を若いときに読んだら、お稽古も楽しかっただろうと思う。

時代小説の面白さは、タイムマシンさながら、自分がその時代に飛んでいけることだ。歴史についてもある程度理解していると、その楽しさが倍加する。映画については、賛否両論があるが、自分の中のイメージを大切にしたい人は、読書して楽しめということか。

調べたら、映画サイトには、わかりやすい記載がある。茶の湯とは、千利休とはと、調べたい人にも手軽にわかってよいと思う。http://www.rikyu-movie.jp/special/#index

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