節分の日

何年か前に、家族で歌舞伎座に出かけた。菊五郎がお嬢吉三を演ずる「三人吉三巴白浪(サンニンキチサトモエノシラナミ)」。通し狂言なので、初めてでも分かりやすかった。観劇の日がちょうど節分、台詞にも出てくるが、入口で、大入りと書かれた節分の豆を貰った。

月も朧(おぼろ)に 白魚の
篝(かがり)も霞(かす)む 春の空
冷てえ風も ほろ酔いに
心持ちよく うかうかと
浮かれ烏(からす)の ただ一羽
ねぐらへ帰る 川端で
竿(さお)の雫(しずく)か 濡れ手で粟(あわ)
思いがけなく 手に入る(いる)百両

ほんに今夜は 節分か
西の海より 川の中
落ちた夜鷹は 厄落とし
豆だくさんに 一文の
銭と違って 金包み
こいつぁ春から 縁起がいいわえ

さて、それがいつなのか、歌舞伎座なのか、国立劇場なのかも記憶には定かでない。

こんなときに役立つのが、歌舞伎公演データベース、1996年2月3日は土曜日。この日の夜の部なので、小学生の子どもたちを連れて行けたのだ。
一番楽しかった節分の日の思い出である。

歌舞伎座
公演年月     1996年 2月 (昼夜公演)
上演順     夜の部 1

演目名     三人吉三巴白浪(サンニンキチサトモエノシラナミ)
場名など     両国橋西川岸〜大川端庚申塚〜割下水伝吉内〜本所お竹蔵〜巣鴨吉祥院本堂〜同裏手墓地〜元の本堂〜本郷火の見櫓(浄瑠璃「初櫓噂高音」)(リョウゴクバシニシガシ〜オオカワバタコウシンヅカ〜ワリゲスイデンキチウチ〜ホンジョオタケグラ〜スガモキチジョウインホンドウ〜ドウウラテボチ〜モトノホンドウ〜ホンゴウヒノミヤグラ(ジョウルリ「ハツヤグラウワサノオトワヤ」))

配役
和尚吉三 = 松本幸四郎(9代目)
お坊吉三 = 澤村宗十郎(9代目)
お嬢吉三 = 尾上菊五郎(7代目)
土左衛門伝吉 = 市村羽左衛門(17代目)
手代十三郎 = 市村萬次郎(2代目)
夜鷹おとせ・伝吉娘おとせ = 中村芝雀(7代目)
釜屋武兵衛 = 尾上松助(6代目)
八百屋久兵衛 = 市村鶴蔵(初代)
堂守源次坊 = 松本錦吾(3代目)
捕手頭長沼六郎 = 松本幸右衛門(初代)

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