サントリーホールで第九を聴く

物事の始まりは面白いです。ショットミュージックのメイルマガジンで、今年が武満徹の没後20年にあたることを知りました。

そして、サントリーホールで、武満徹:セレモニアル-秋の歌-を含む次のような演奏会が開かれることを知りました。どうして、ここにたどり着けたのか、今でもわかりません。

壹越調調子(雅楽)
武満徹:セレモニアル-秋の歌-
ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 op.125 「合唱付」

この曲は、武満の中でも珍しく典雅が官能的といわれる祝祭の色濃い作品です。わたしも聴くのは初めてだったので、楽しみでした。
そして、第九、合唱付き。この時期にサントリーホールで第九が聞けるなんて、こちらもわくわくします。歌手たちの豪華なこと。指揮者のメルクルさんも含めてみなさま、こちらの国立音大で教えていらっしゃいます。

気がついたのが公演の二週間前、お席は前から二列目のコントラバス付近。オーケストラも見渡せて、指揮者のお顔もはっきり見えます。この一体感が大好き。自分も演奏している気分になります。

みなさま、歌いながら、合唱の指揮をするのですね。メルクルさんも歌いながら楽しんでいました。 宮田まゆみさんの笙の笛もひさしぶりで、異次元に浮かぶよう。アートの神様がくれたギフトのような時間でした。

国立音楽大学 創立90周年 特別記念演奏会
国立音楽大学オーケストラ、合唱団日時 2016年6月12日(日) 14:00 開演指揮 準・メルクル出演  笙:宮田まゆみ
ソプラノ:澤畑恵美
アルト:加納悦子
テノール:福井敬
バリトン:黒田博
国立音楽大学オーケストラ
国立音楽大学合唱団

國學院大学で、「宮廷装束の着装披露」を見てきました

江戸のメイルマガジンのために、資料を集めていて、こんな記事を発見。

宮廷装束の着装披露 -武官装束と女房装束-」(霞会館衣紋道研究会主催・國學院大學神道文化学部共催)を開催いたします。

前々から行きたい思っていたイベントだった。源氏物語を読んでいて、当時の宮中ではどんな装束を着けていたのかと気になっていた。今回は、武官と女房の男女の着装ということで、二倍嬉しい。事前予約なし、先着100名という募集なので、とにかく、30分前の受付開始に間に合うように出かけた。

渋谷にあるのは知っていたが、國學院大学に入るのは初めてのことである。会場は板敷きの祭式教室。椅子も用意されていたが、着物なので座る方が心地よい。

装束を着けてもらう人は、身分の高い人なので、御方様とよばれ、前衣紋者、後衣紋者と二名が着装を手伝う。平安のお姫様たちは、自分で着ることはできなかったはず。女房たちに囲まれて傅かれて暮らしていた様子が、よくわかる。

最後に写真撮影もあったのだが、SNSやブログへの投稿はご遠慮くださいという主催者側の意向で載せられない。簡単にいうと、お雛様の装束を想像してみてください。武官は鷹の羽でできた矢を背中に背負っているし、太刀は、差しているが刀ではなく装束の一部。笏は懐紙のようなものを巻いてその中に差し込んでいる。

女房装束もお雛様のお姫様どおり。雛人形は平安の宮中の様子を正確に表現しているのだとわかった。源氏物語を読むときに情景がより、立体的にわかりそうだ。

國學院大学には博物館もあって、こちらも充実している。東京にあるのにその存在をしらなかった。

 

与那城 敬&小川里美 さすらいの詩 魂の歌に行ってきました

5/27 金曜日の昼の音楽さんぽ、第一生命ホール15周年記念公演
第5回 与那城 敬&小川里美
さすらいの詩 魂の歌 に行ってきました。
このお二人、オペラ研修所のときから知っています。実力派なので、楽しみにしていました。バリトンとソプラノの二重唱なのかと、想像していたら、歌曲を歌い上げてくれました。美しい音楽、美しい歌声。日頃、聞くことのない曲、それも抒情的な曲でした。 時空を旅するという音楽ばかり。

それほど大きくないホールにぴったりの歌声に、聞き惚れて、あっという間の二時間でした。いただいたプログラムには、歌詞の訳が載っているのですが、実際の曲の最中に字幕に乗るのは歌手のお二人の訳。思いが籠っていました。

愛の歌、過ぎ去った愛の歌、満たされぬ愛の歌、喜びの愛の歌、さまざまな愛が時間を流れていきます。終わって外に出ると、雨も上がって、素晴らしい一日を予感していました。もう一度聞きたいです。

日時 2016年5月27日(金) 11:00 開演(12:30終演予定)
会場 第一生命ホール  座席図を見る
出演 与那城敬(バリトン) 小川里美(ソプラノ) 巨瀬励起(ピアノ) 山野雄大(ご案内)
曲目 ヴォーン・ウィリアムズ:歌曲集《旅の歌》(与那城)
──『宝島』で有名なスティーヴンソンの詩による歌曲集。
孤独に灯される愛、星降る夜の憧れ、巡る季節にさすらう魂‥‥
暮れ空の彼方へ翼ひろげる放浪の歌。英国歌曲の絶品です!

デュパルク:戦いのある国へ(小川)
──中世のロマンスを思わせる傑作。戦場へ出た夫へ遠く想い寄せる妻の心‥‥

デュパルク:旅への誘い(小川)
──幻想の遠い国へ‥‥ボードレールの精緻な名詩を昇華した歌曲。

プーランク:歌曲集《平凡な話》(小川)
──平凡どころか非凡!詩人アポリネールの豊かな想像を見事に描く歌曲集。

◼︎アンコール
フォーレ:この世のすべての魂 Op.10-1