大阪松竹座の壽新春大歌舞伎に行ってきました

2018年の暮れに京都南座で、顔見世をみて、関西で見る上方歌舞伎は素敵だろうと、大阪の新春歌舞伎に行くことにしました。見たのは昼の部です。IMG_2199

演目は、【土屋主税】、【寿栄藤末廣】、【河庄】。前に見たことがある作品だと思っていたら、2015年12月、京都南座昼の部夜の部で見ていました。改修前の南座最後の公演ということで、じっくりと楽しみブログも書きました。今回の公演は、そのときの配役と較べて、満足度が高かったり、微妙だったりと、不思議な感覚。歌舞伎は役者でみるということを実感しました。

【土屋主税】、2015年は雁治郎、今回は扇雀。そして、お園は、孝太郎から、壱太郎へ。大高源吾は、仁左衛門から、愛之助。其角は、左団次から    彌十郎と変わっています。雁治郎の殿様はおおらかで、愛嬌があって、一方、扇雀は、智があって、殿様の風格がある、もっと柔らかくてもいいのではと思いました。壱太郎が三年間で成長し、こんな武家娘ができるようになったのですね。孝太郎は、隙のない演技、壱太郎は若々しい色気もあって、おそば近くにいて、お手がつくのはこんな子なのだと、河内山を思い出したりしました。

大高源吾は、仁左衛門は声もよく、姿もよく、こんな男が二君に仕えることはないのに、其角は気づかない。愛之助は、端整な姿ですが、奥に隠された感情が少し見えてもいいのではと思います。頑張って欲しいですね。左団次は俳諧の師匠そのもの、彌十郎は、ときおり、長屋の大家さんにみえてしまうのが惜しい。これも始まったばかりなので、千秋楽には、もっとしまってくると思います。

【寿栄藤末廣(さかえことほぐふじのすえひろ)】は、藤十郎、親子三代が勢ぞろいして、祝いの番組。立派な男児に恵まれた藤十郎と、精進を重ねて今に至る息子たちの立派さ、めでたいお正月公演にぴったりです。

【河庄】
こちらは、紙屋治兵衛    鴈治郎は変わらず。中身は、バージョンアップしています。三年も夢中になって通った女が心変わりしたと、脚蹴りにしたり、手を上げるのも、小春が身内の壱太郎だからできることなのでしょう。南座のときは、時蔵で、こちらも可憐な遊女が似合っていました。粉屋孫右衛門は、梅玉から、  彌十郎。梅玉は、ふたりを引き離す役で、彌十郎は、優しさにあふれています。小春に謝るしぐさが実にいい。雁治郎の振り回す手を押さえて、兄として諭すのが合っている。

大阪と京都で同じ演目をみることのできた幸せ。遠出をしてしみじみとよかったと思いました。

壽初春大歌舞伎

平成31年1月2日(水)-   26日(土)
昼の部
渡辺霞亭 作
一、玩辞楼十二曲の内 土屋主税(つちやちから)
土屋主税   扇雀
大高源吾   愛之助
お園      壱太郎
河瀬六弥  虎之介
落合其月  猿弥
晋其角    彌十郎

坂田藤十郎米寿記念
二、寿栄藤末廣(さかえことほぐふじのすえひろ)
女帝  藤十郎
鶴    鴈治郎
亀    扇雀
従者  壱太郎
従者  虎之介

心中天網島
三、玩辞楼十二曲の内 河庄(かわしょう)
紙屋治兵衛    鴈治郎
紀の国屋小春  壱太郎
江戸屋太兵衛  愛之助
五貫屋善六    亀鶴
丁稚三五郎   虎之介
河内屋お庄   吉弥
粉屋孫右衛門  彌十郎

京都南座の顔見世に行ってきました

毎年この時期に出かける、京都南座の顔見世興行。昨年は改装中で期間も短く、見逃しました。今年は二等席を奮発して、三階の最前列で鑑賞しました。

IMG_1982 IMG_1984IMG_1985

まず着いた日に、JR京都駅の和久傳でお昼、ホテルで一休みして夜の部に、翌日は、早めに起きて、錦でおばんざいを調達。それをお弁当がわりにでかけました。

京都の顔見世は演目もたっぷり。休憩時間も演目ごとにあるだけで、凝縮されています。昼の部の寺子屋、芝翫は江戸風、武部源蔵役の愛之助以下は上方風と違います。亡くなった子どもの回向に焚くお香が舞台から流れてきました。松栄堂さんでしょうか。

鳥辺山心中で可憐な孝太郎と、無骨だが、心の優しい梅玉の道行きでしっぽりとしたところに、仁左衛門とじいさん、ばあさん。時蔵とふたりの甘える姿、幸せな二人がいっぺんして、年月にさらされて、37年ぶりに再会する。個人的な感想では、二人とも年を取りすぎている、もう少し若さが残っていてもいいのではないかと思いますが、残酷な時間の流れをあらわしているのでしょう。敵役の芝翫がねちねちといじめて、そうでないと、物語が成り立ちません。何度見てもはらはらどきどきします。

昼の部最後が新口村。藤十郎一家の上方芝居。舞台の上は雪景色。こちらの道行きは雪の中を死に向かってひたすら進む。その中に親子の情愛が見え隠れします。扇雀の梅川が可憐で、涙をそそります。これだけの演目は一日分。東京なら、休憩を挟んで一日の舞台になります。よいお席でみたので、役者さんの心の動きまでわかるような気がしました。

昼の部
第一、
菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)

寺子屋
松王丸    芝翫
武部源蔵   愛之助
戸浪     扇雀
涎くり与太郎 中村福之助
春藤玄蕃   亀鶴
千代     魁春
御台園生の前 秀太郎

第二、
鳥辺山心中(とりべやましんじゅう)岡本綺堂 作

菊地半九郎     梅玉
若松屋遊女お染   孝太郎
坂田源三郎     右團次
若党八介      寿治郎
お染父与兵衛    市蔵
若松屋遊女お花   魁春
坂田市之助     左團次

第三、
ぢいさんばあさん  森 鷗外 原作  宇野信夫 作・演出

美濃部伊織    仁左衛門
下嶋甚右衛門   芝翫
宮重久弥     愛之助
同輩の侍     市蔵
同        亀鶴
同        松之助
宮重久右衛門   高麗蔵
久弥妻きく    孝太郎
伊織妻るん    時蔵

第四、
恋飛脚大和往来(こいびきゃくやまとおうらい)
新口村

亀屋忠兵衛    藤十郎
傾城梅川     扇雀
忠三郎女房    吉弥
父孫右衛門    鴈治郎

夜の部は、いきなり義経千本桜で始まります。仁左衛門のいがみの権太は、ワルですが、可愛らしさがあります。若葉の内侍一向に親切にすると見せかけて、わざと間違えた荷物で強請る、この人がやると、お金を取られても仕方がないと思えるから不思議。お里役の扇雀のくどき、自分で布団を敷いて寝ましょうと誘うのが可笑しい。町娘が結婚できる相手でないことを分からずにいるのが哀しい。弥左衛門訳の左團次が、子どもを殺して後悔する父親をたくみに演じます。父子の別れがひとつのテーマでした。

童子役の鴈治郎の可愛いこと、五月人形のようです。みていてほっとします。

愛之助の弁天小僧菊之助は、菊五郎の演ずる型とは少し違い、娘役なのに、顔は上げて堂々としています。男にばれたときもまた違う、上方で演ずることの珍しい題材のような気がします。南郷力丸役の右團次は、お嬢様をたてて安定した演技。

これでお終いかと思うと、三社祭が残っていました。鷹之資は、富十郎の忘れ形見、踊りのうまさは群を抜いています。これからが楽しみですね。

二日間にわたっての歌舞伎見物でしたが、本当にたっぷりで堪能しました。来年もよいお席で見ようと思います。ロビーにも椅子が多く、お弁当もゆったりと食べられました。夜の部は、タクシーが拾えてホテルにすぐに戻れました。京都に泊まっているからの贅沢ですね。

夜の部
第一、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)

木の実
小金吾討死
すし屋

いがみの権太      仁左衛門
弥助実は三位中将維盛  時蔵
お里          扇雀
若葉の内侍       孝太郎
主馬小金吾       千之助
猪熊大之進       松之助
弥左衛門女房お米    吉弥
権太女房小せん     秀太郎
鮓屋弥左衛門      左團次
梶原平三景時      梅玉

第二、面かぶり(めんかぶり)
童子   鴈治郎

第三、
弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)河竹黙阿弥 作

浜松屋見世先より
稲瀬川勢揃いまで

弁天小僧菊之助    愛之助
日本駄右衛門     芝翫
南郷力丸       右團次
鳶頭清次       亀鶴
浜松屋伜宗之助    中村福之助
浜松屋幸兵衛     市蔵
赤星十三郎      孝太郎
忠信利平       鴈治郎

第四、
三社祭(さんじゃまつり)

悪玉    鷹之資
善玉    千之助

以上

赤穂の天塩アンバサダー限定味噌づくりに参加しました

天塩さんとは長い付き合い。沢庵づけにも漬物にも利用しています。その天塩を使っての味噌作りがあるときき、さっそく応募したら当選しました。
IMG_1936

当日は、そのあと能楽堂に行くので、着物に割烹着というスタイルで参加。
初めに、塩の作り方および天塩の成分についての説明があります。天塩を使って味噌を作ると、微生物が元気になる、つまり醗酵がよくなることを教わりました。手間をかけて作るのですから、美味しい味噌がいただきたいですね。
IMG_1944
IMG_1952

材料は次の通り
1. 茹でた大豆 1kg  乾燥した大豆なら、450gから、500gを水に一晩浸して蒸して1kg使う
2. 麹 750g
3. 天塩 250g.
4. 厚地のビニール袋、ジャムの瓶、ぺーパータオル、薄手のビニール手袋、消毒用アルコール

まず、茹で大豆をジャムの瓶などを使って潰します。ビニール袋の中で大豆を薄く並べ、瓶の淵で潰します。母はフードプロセッサーを使っていましたが、こちらの方が用具も要らず、簡単。汚れ物も出ません。潰していると身体が熱くなりました。

大豆がほぼ潰れたら、今度は塩と麹を混ぜ合わせます。麹の塊をほぐして、塩を入れたら、ビニールの袋を膨らませて、その中で回転させてよく混ぜ合わせます。混ぜ終わったら、それを大豆の袋に入れて、さらに気になる豆粒は潰し、均一にします。

今度はその混ぜ合わさったものをハンバーグを作るように丸めて空気も抜き、プラスチックの桶の中に並べます。桶やふたはあらかじめ消毒液を吹きかけておきますが、この液は35度のホワイトリカーを使うそうです。味噌作りにカビはつき物ですが、なるべく減らしたいので、消毒しながら作ります。ハンバーグのような塊が桶に並んだら、そこで潰して中の空気を抜きます。残りもこねてまた並べ、潰します。全て、並んだら、潰して桶の表面を平らにして、はみ出たものはペーパータオルでふき取ります。

IMG_1953

後はビニールで密封し、蓋を閉めてお終い。茹で大豆を使ったので、あっという間に出来上がりました。この味噌は、来年の九月ごろから食べることができるそうです。

保管は醗酵が進むように十度以上の場所、机の上でもいいそうです。

これでお終いと思ったら、第二部がありました。味噌の食べくらべ、味噌や麹を使った、豚汁、甘酒などを味わいながらのティータイム。蒸した野菜に味噌をつけていただくと美味しいのです。東京中野で作っているという戦前からの江戸味噌も甘くて美味しかったです。
IMG_1957IMG_1961

お土産まで付いていて、天塩をつかった、飴やそうめん、塩レモンなど、味噌もいただくので、どっしりと抱えて帰ってきました。楽しいし、おいしいし、さらに半年後が楽しみという贅沢な味噌作り講座でした。

天塩さん、ありがとうございます。案外手軽にできるので、これから寒くなるので、友だちを招いて、もう一度挑戦してみようと思いました。

銀座オペラ ガラコンサートに行ってきました

GINZAというだけで、特別な響きがあり、たくさんの意識が集まる場所。そのヤマハホールで開催される、銀座オペラ・ガラ・コンサートに行ってきました。

数年前から開催されているので、いまやメンバ全員が知合いというか、お話したことのある方々。当然ながら、内容の濃いものになることは予想していました。歌い手が五人、そして、オーケストラをすべて一台のエレクトーンに集約して、一人で演奏される清水のりこさん。彼女がいなかったら、この空間でオペラの曲を歌うことはできなかったでしょう。

個性豊かな五人が、プログラムには載っていない曲を歌ったり、だれが歌うのかわからないというミステリアスな会。これも彌勒忠史さんというカウンターテナーが参加されているからです。カウンターテナーとメゾソプラノは音域が似通っていて、というか、どちらも相手のパートが歌えるというすばらしい才能。
ginzaopera2018a.jpg

そんな出演者たちがオペラの名曲を思い思いに歌うのですから、このままずっと終わらなかったらいいのと思ってしまいます。きっと厳しい練習が繰り広げられたと思いますが、みなさま、明るく、楽しく、オペラっていいよね。気になる歌は全曲オペラで聴きましょうと、歌い続けてくれます。

小川里美さんの仮面舞踏会、オペラのあの暗く怖い場面が浮かんできます。歌声と映像が記憶の中にセットされているのですね。小川里美さんと鳥木弥生さんの蝶々夫人も、ずっと待ち続けた中で、ぼうっと灯がともるような場面が思い出されます。みたことのあるオペラが多くうれしかったです。ドンカルロも見たいと思いました。

高田正人さんのトスカも、あの歌い上げる正統派テノール、すてきですね。与那城敬さんの闘牛士の歌で、力強く響かせるバリトン。歌声は男の武器です。それぞれの力が重なり合って、濃い舞台となりました。ぜひ、パート2も続けてください。幸せな気分で帰ってきました。

 

開催日 2018年11月16日(金)
時間 開場18:30  開演19:00
会場 ヤマハホール

公演概要 声と一台のエレクトーンで奏でる至高のオペラの世界

出演
小川里美 (ソプラノ)
鳥木弥生(メゾ・ソプラノ)
高田正人(テノール)
与那城敬(バリトン)
彌勒忠史(カウンターテナー)
清水のりこ(エレクトーン)

演奏曲目
第一部
ビゼー:歌劇《カルメン》より「闘牛士の歌」  与那城敬
ドリーブ:カディスの娘たち   小川里美
モーツァルト:《フィガロの結婚》より「恋とはどんなものかしら」彌勒忠史
ビゼー:歌劇《カルメン》よりハバネラ「恋は野の鳥」 鳥木弥生
ヴェルディ:歌劇《仮面舞踏会》より「あの草をつみとって、私があなたのそばにいます」小川里美・高田正人

第二部
オッフェンバック:歌劇《ホフマン物語》より舟歌「美しい夜、おお、恋の夜よ」鳥木弥生・彌勒忠史
プッチーニ:歌劇《トスカ》より「星は光りぬ」 高田正人
ヘンデル:歌劇《リナルド》より「私を泣かせてください」 彌勒忠史
マスネ:歌劇《ウェルテル》より手紙のアリア「ウェルテルよ、誰がいえましょうか」 鳥木弥生
アンドルー・ロイド・ウェバー:《レクイエム》より「ピエ・イエス」小川里美・彌勒忠史
ヴェルディ:歌劇《ドン・カルロ》より「あなたは王妃を愛している! おそれなさい、偽りの息子よ」鳥木弥生・高田正人・与那城敬

エレクトーン演奏  清水のりこ

 

本日のアンコール曲
ヴェルディ 『ドン・カルロ』より 友情の二重唱   高田正人・与那城敬
プッチーニ 『蝶々夫人』より 花の二重唱  小川里美・鳥木弥生
ブェルディ 『椿姫』より 乾杯の歌  全員

八月納涼歌舞伎を見てきました

歌舞伎座の八月は、三部作。演目をみて、これは全部見るしかないと思いました。

夜の部は、家族と、そして、一部、二部はまとめて一人で鑑賞。
第一部の花魁草(おいらんそう)。初めて見ました。幸太郎役の獅童さんと、お蝶の扇雀さんの息がぴったりあって、芝居を愛する人の出世に、邪魔してはいけないという女心が哀しいほどよかったです。年の差でもなく、心根が優しいから遠くから見守るしかない。二人の世話をする隣の夫婦に幸四郎さんと梅枝さん。贅沢な組み合わせで、芝居の奥行きが違います。

龍虎、親子の戦いが見事です。染五郎さんの成長が楽しみ。

七之助さんのおたかの薄情ぶりと、おっかさんの獅童がうますぎる。獅童さんの老け役もなかなかでした。

第二部
東海道中膝栗毛の奇想天外な展開に、ついていくのがやっと。幸四郎さんのだらしない男ぶりや、お子たちの賢そうなこと。宙乗り四人で勤めますというのが、本当でした。小鬼の市川右近の天才ぶり、ひさびさ、子役にうっとりさせされます。閻魔大王もキリストも出演して、いそがしい。笑いました。

第三部
通し狂言 盟三五大切
幸四郎さんが真面目な浪人から、次第に悪につかれてくる様が怖いほどよかったです。必死になってお金を集めているのに、その主人の顔がわからなかったという悲劇。いまでも通じるものがありました。怖さと美しさがないと、舞台が引き立ちません。

暑い中、でかけたのに、満足して戻ってきました。

 

第一部
一、花魁草(おいらんそう)北條秀司 作・演出、
大場正昭 演出
お蝶   扇雀
幸太郎  獅童
座元の妾お八重  高麗蔵
客孝吉  松江
米之助女房お松  梅枝
お糸       新悟
客平助      虎之介
小料理屋女房   梅花
客音松      吉之丞
小料理屋亭主   松之助
達磨問屋主人五兵衛  市蔵
菊岡女将お栄   萬次郎
座元勘左衛門   彌十郎
百姓米之助    幸四郎

二、龍虎(りゅうこ) 大野恵造 作
龍  幸四郎
虎  染五郎

新作歌舞伎
三、心中月夜星野屋(しんじゅうつきよのほしのや)
小佐田定雄 脚本 今井豊茂 演出
おたか    七之助
星野屋照蔵  中車
藤助     片岡亀蔵
母お熊    獅童

第二部
十返舎一九 原作より
杉原邦生 構成
戸部和久 脚本
市川猿之助 演出・脚本
またいくの こりないめんめん
再伊勢参!?
一、東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)
市川猿之助・中村獅童   早替り
中村七之助・市川中 車

松本幸四郎・市川猿之助  宙乗り
市川染五郎・市川團 子
相勤め申し候

喜多八       猿之助
大岡忠相/獅子堂獄之助   獅童
女医羽笠/鬼塚波七     七之助
釡桐左衛門/暗闇の中治   中車
閻魔大王          右團次
舞台番竹蔵/司録      竹松
茶屋女お稲/妻彌美     新悟
五日月屋亭主藤六/司命   廣太郎
五日月屋女房おさき     米吉
赤鬼            橋之助
青鬼            福之助
舞台番虎吉         虎之介
大鬼            鷹之資
伊之助妹お園/女歌舞鬼   千之助
中鬼            玉太郎
黄鬼            歌之助
伊月梵太郎         染五郎
五代政之助         團子
小鬼            市川右近
三毛猫           鶴松
むく犬           弘太郎
町名主伊佐久        寿猿
後妻お紀乃         宗之助
大家七郎兵衛        錦吾
阿野次郎左衛門/泰山府君  片岡亀蔵
住職門海/基督       門之助
弥次郎兵衛         幸四郎

二、雨乞其角(あまごいきかく)  伊藤鷗二 作
其角     扇雀
船頭     歌昇
同      虎之介
芸者     新悟
同      廣松
其角の弟子  橋之助
同      男寅
同      福之助
同      鷹之資
同      千之助
同      玉太郎
同      歌之助
同      鶴松
大尽     彌十郎

第三部
四世鶴屋南北 作
郡司正勝 補綴・演出
織田紘二 演出
通し狂言 盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)
序 幕

二幕目

大 詰 佃沖新地鼻の場
深川大和町の場
二軒茶屋の場
五人切の場
四谷鬼横町の場
愛染院門前の場

薩摩源五兵衛     幸四郎
芸者小万       七之助
家主くり廻しの弥助  中車
ごろつき五平     男女蔵
内びん虎蔵      廣太郎
芸者菊野       米吉
若党六七八右衛門   橋之助
お先の伊之助     吉之丞
里親おくろ      歌女之丞
了心         松之助
廻し男幸八      宗之助
富森助右衛門     錦吾
ごろつき勘九郎    片岡亀蔵
笹野屋三五郎     獅童

大阪松竹座で、高麗屋襲名披露公演を見る

夏にわざわざ京都にいくのは、祇園祭もありますが、大阪松竹座に通うこと。京都からは阪急で一時間足らず、身近な劇場です。

今年の松竹座は高麗屋襲名披露公演、新幸四郎さんが頑張っていました。演目は、昼の部が、河内山と勧進帳。夜の部は女殺油地獄。幸四郎と猿之助の絡みが楽しみでした。大阪歌舞伎はたっぷりなので、一日に昼夜の鑑賞は無理で、二回に分けて通います。今年は、仁左衛門さんの富樫がよくて、結局三回も通いました。

廓三番叟
菅原伝授手習鑑 車引
天衣紛上野初花 河内山
歌舞伎十八番の内 勧進帳

菅原伝授手習鑑 車引、三つ子の兄弟のうち、桜丸と梅王丸を扇雀と、雁治郎が演ずるのがうれしい。関西ならではの配役です。悲劇の前のもうひとつの山場、ふたりの心情が深く掘り下げされているのがよかったです。

歌舞伎十八番の内 勧進帳
こちらは、歌舞伎座の襲名披露でも見ましたが、仁左衛門さんの富樫とのやりとり、まるでスーパー歌舞伎のように、飛んだり叫んだりして、まるで違う出し物でした。仁左衛門さんの迫力、そして、それに立ち向かう幸四郎。二人のやり取りをみていると真剣勝負のような気がします。一度では物足りず、チケットがあるということで、三日後に再度拝見しました。本当のすてきでした。

夜の部
元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿
二代目松本白鸚 十代目松本幸四郎 襲名披露 口上
女殺油地獄

御浜御殿綱豊卿は、歌舞伎座でも何度か見ていますが、今回の仁左衛門さんと中車さんの緊迫のやり取り、そして、壱太郎さんのお喜世が可憐でよかったです。せりふが多いので、役者の力量が試されますね。

女殺油地獄は、若い二人の転げまわるような演出に、新しい時代を感じました。近松も理解していると思います。大阪で、江戸の役者が演ずる大阪物をみるのもすてき。後からじわじわと怖さが来ます。

夏の京都を着物で楽しむ

毎年、祇園祭に京都に出かけています。最初の頃は、洋服で出かけて、京都に着いたら、浴衣を着ていました。綿の浴衣は、どんなに上等なものでも、洗うと白ちゃけて、3年が限度。幸田文さんも書かれていましたが、浴衣を外で着るのは2年が限度だそうです。

それから単の着物を持参したのですが、その頃は着物のことがよくわからず、今なら、四月でおしまいにするような結城紬の単を着て、汗だくになったりと、苦労がありました。その後、夏着物を知り、夏大島や、夏塩沢を取り寄せてみると、その軽さ、着心地にびっくり。いまでは、往復も着物で出かけています。すると荷物が少なくて楽しいです。

夏の京都を避ける意味でも、大阪松竹座に歌舞伎を見に行くので、それに合わせて、絽の着物も二枚、持参します。こちらは軽くて薄いので、何枚持っても大丈夫。今年は、友だちにもあうし、フレンチのディナーも予定しているので、九日間の逗留に何を持っていくのか、頭を悩ませます。去年は持参した小千谷縮、あまり出番がありませんでした。

ホテルの中は冷房がよく効いているので、はおりものもあるとべんり。こちらは大判スカーフで代用して、ホテル内使用のTシャツと、パンツも持参します。

肌襦袢も絽の生地で手作りしました。綿のごわごわしたものに比べて、軽いし、汗をかいてもすぐに飛びます。足袋は白足袋。下駄でも、足袋を履いていると疲れません。白足袋は上等なもの、普段用と用意。足袋を洗うブラシと、吊るすパチパチも持参。ホテルの風呂場に毎日、吊るしておきます。半襟は、多分、途中で洗って、付け替えると思います。絽の長襦袢に絽の半襟は、柔らかい生地なので、つけるのも簡単。ソーイングセットは必須ですね。

祇園祭には雨が付き物。雨天両用の日傘と、本格的な雨の日用と二本用意します。今年も水分補給しながら、炎天下は避け、楽しんでこようと思っています。

今年の夏の対処法

今年は梅雨明けが早く、そして六月から、夏が始まった。涼しい日もあったが、大部分は酷暑。夜も遅くまで暑さがこもっている。

そんな夏の過ごし方、いくつか工夫していることがある。家は南に面していて、大きな窓があるのだが、夏の間は雨戸を閉めきりにしている。これで直射日光が入らず、温度が上がるのを抑えている。冷房は29度設定。少し動くとうっすら汗が出る温度。それでも、外から戻るとほっとする。室内は扇風機も併用。一方向に風を送ることで、空気の流れを作る。

京都の暮らし方で、時間帯で、打ち水をしたり、窓を開けたりする話を読んだことがある。太陽の動きに合わせて、こちらも対処するのだ。夕方は、西側の雨戸を閉める。カーテンは遮光カーテンと普通カーテンの二重にする。

朝は6時前、夕方は6時過ぎに庭に水を撒く。これが打ち水効果で夜も涼しい。窓を開けたり閉めたりと手間はかかるが、電気を無駄なく使いたいのだ。夜、10時半過ぎれば、涼しい風が吹き込んでくる。千葉の最低気温、最高気温などもチェックしながら冷房を入れるタイミングを考える。

あの東関東大震災を経験してから、ずいぶんと意識が変わったように思う。

日生劇場で、ドン・ジョヴァンニを観る

モーツァルトのオペラは悲劇の中に喜劇があって、見ている人は、その時の感情や気分で、それを哀しみや同情とみることもできるし、一方で舞台の上で演じられている一つの物語と、冷ややかに見つめることもできる。

オペラ劇場に集う人々は、どんな思い、あるいは思惑で望んでいるのだろうか。今回の「ドン・ジョヴァンニ」、土曜日の午後公演で、若い女性が多くて驚く。これは私の個人的な感想なのだが、ドン・ジョヴァンニ役の歌手は、かっこいい男性が演じないと、すべてが嘘くさくなる。

忠臣蔵の六段目で、お軽は、夫勘平のために、一文字屋に身売りするのだが、この勘平が色男でないと、話は成立しない。菊五郎や仁左衛門のような二枚目が演ずるものなのだ。

ドン・ジョヴァンニが、不誠実ではあるが、魅力的な色男だからこそ、ドンナ・エルヴィーラが押しかけていくのだし、ドンナ・アンナも誘惑されそうになって、逃げ出すのだが、婚約者のドン・オッターヴィオには、物足りなさを覚えている。今回のニコラ・ウリヴィエーリは、そういう意味でも完璧な配役である。蛇足ながら、フィガロの結婚の伯爵は、あまりにいい男だど、喜劇の要素が消されてしまう。こちらは長身だけが取り柄の人でいいのだ。

今回の演出なのだが、ドンナ・アンナ役の小川 里美さんが際立って、存在感があった。普通は、ドンナ・エルヴィーラが全面に出ていて、ドンナ・アンナは、悲劇の人、そして、優しいだけのドン・オッターヴィオに物足りぬ思い抱いている人、という印象である。だが、今回は違っていた。ドンナ・アンナは、こんなに目立っていた人だったかしらと思うほどである。小川 里美さんの歌唱力はすばらしく、きちんと自分の立ち位置がわかっている。彼女がドン・ジョヴァンニに襲われなかったら、そして、父親が娘を助けるために、闘い、殺されなかったら、ドラマは始まられない。サッカーで例えると、得点を入れるためのアシストである。最初の10分で、すでにゴールを決めていたのかもしれない。それほど、彼女の憤りは激しかった。理不尽なことに闘う、婚約者も巻き込んで闘うという姿勢がはっきりしていて、これは初めての経験だった。

ドンナ・エルヴィーラ役の佐藤 亜希子さんも素晴らしい。気品あふれた表情で、要所要所で、まだ、ドン・ジョヴァンニを思いきれない女心を感じさせる。喜劇の要素もたっぷりで、うまい役者だと思う。

ゼルリーナ役の清水 理恵さんも実にいい。こんな可愛い女に男は惚れてしまうのだろう。自分にはない要素なので、余計に羨ましい。姿も声も可愛くて、ドン・ジョヴァンニが、なんとか手に入れようともがくのもうなづける。

レポレッロ役の押川 浩士さんも、この下僕に徹していて、楽しい。今回、気づいたのだが、最後の夕食の場面で、騎士長の銅像がやってくるとき、最初にみたドンナ・エルヴィーラが悲鳴をあげ、その次に確かめにでたレポレッロが恐怖の叫びをあげるのだが、そのすぐ後で、旦那様、外に出てはだめです。玄関を開けてはだめです、と必死で止める。あんなにひどい目にあっていて、なぜか主人思いで不思議でならなかった。だが、ドン・ジョヴァンニは、気位が高く、天邪鬼。行ってはならないと言われると、素直に従わずに、出て行く。それを知っていて、レポレッロが、親切心をだしたのではないか。

チームワークもいいし、みんなの実力も競り合っていて、見ていて満足度の高いオペラだった。このグループは今週末7/7、横須賀でも上演する。

藤原歌劇団公演 NISSAY OPERA 2018
モーツァルト作曲 オペラ『ドン・ジョヴァンニ』全2幕
(イタリア語歌唱・日本語字幕付)
総監督:折江 忠道
指揮:ジュゼッペ・サッバティーニ
演出:岩田 達宗
管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

2018年6月30日(土)14:00開演

【キャスト】 6月30日(土)
ドン・ジョヴァンニ    ニコラ・ウリヴィエーリ
ドンナ・アンナ      小川 里美
ドンナ・エルヴィーラ        佐藤 亜希子
ドン・オッターヴィオ        小山 陽二郎
騎士長          豊島 祐壹
レポレッロ             押川 浩士
ゼルリーナ             清水 理恵
マゼット         宮本 史利

びわ湖で、ワルキューレを見てきました

IMG_0421

びわ湖ホールで、「ワルキューレ」を見てきました。昨年の「ラインの黄金」に続く二作目。京都からは、地下鉄東西線で浜大津まで、そこから乗り換えて三つ目の石場下車。歩いて5分です。びわ湖を見ながら、オペラを聴くというのは、異国風ですてき。オペラハウスも海外のようです。
IMG_0426

五年前にパリ・バスチーユでみた、「ワルキューレ」は不条理な愛の物語でした。この新演出はどう表現するのだろうかと、楽しみでした。

3月4日 日曜日 14時から開始

この日は、日本人だけのプログラム。それがチームワークも良く、歌唱もすばらしいのです。日本人だけで、指輪ができる時代になったのですね。物語は新演出ですから、パリ・バスチーユに似ています。でも、パリほど、愛の対比をするのではなく、もっと物語の基本から見せてくれます。男と女が出会って、逃げて、そして男は殺され、女が残される。冬の場面から、春が訪れ、二人にも春の恵みがやってくる。愛の季節の始まり。この辺りの情景の変化は、パリで見たものととても似ていました。ヨーロッパの人々にとって、春の訪れは、生命の息吹なのでしょう。

ジークムントは優れた英雄、それに対して、ジークリンデは、汚れた女、あなたの愛を受けるにはふさわしくないと訴えます。それでも二人は愛すことを止められず、戦いで決着をつけようということになりました。ヴォータンは、もとより、ジークムントを勝利させることは考えていません。彼は刺されて殺され、剣も粉々にされてしまいます。

二人の愛の印を宿した女は、そのことを知ると、どんなことをしても、その子を産み落とそうと決意します。ともに死を願っていたのに、こんどは生きようとするのです。

ヴォータンは、フリッカに頭が上がらず、ジークムントを討ち果てました。その怒りを娘たちに向けるのですが、それは最愛の娘との別れを意味していていました。最後にブリュンヒルデが眠る山に火をつけ、炎に包まれます。この結界を破るのがジークフリート、来年が楽しみです。

ワルキューレは何度見ても発見があります。その演出の解釈ごとに新しいドラマが生まれ、新しい感動があります。今回も、わざわざ来てよかったと思えるほどのすばらしい舞台でした。

京都の大丸で買えた、ふたばの豆大福を楽屋に差し入れ、終演後は、知合いの小川里美さんとお話ししてきました。来年は、いよいよジークフリート、こちらもでかけなくちゃと思います。

指 揮:沼尻竜典(びわ湖ホール芸術監督)
演 出:ミヒャエル・ハンペ
美術・衣裳:ヘニング・フォン・ギールケ

4日 出演者

ジークムント 望月哲也
フンディング 山下浩司
ヴォータン 青山 貴
ジークリンデ 田崎尚美
ブリュンヒルデ  池田香織
フリッカ 中島郁子
ゲルヒルデ 基村昌代*
オルトリンデ 小川里美
ワルトラウテ 澤村翔子
シュヴェルトライテ 小林昌代
ヘルムヴィーゲ 岩川亮子*
ジークルーネ 小野和歌子
グリムゲルデ 森 季子*
ロスワイセ 平舘直子

*…びわ湖ホール声楽アンサンブル・ソロ登録メンバー

管弦楽:京都市交響楽団

参考リンク
究極の重厚長大オペラ「リング」 日本人に受けるワケ 2017/9/25