関西・歌舞伎を愛する会 結成四十周年記念 七月大歌舞伎

osaka

今年も、祇園祭に京都に滞在していて、その合間に大阪にも出かけています。毎年、必ず大阪に通うのは、芝居が面白いから。初役の方も多いのですが、みなさまの真剣さに心打たれるものがあり、通いづめています。

歌舞伎をじっくりと味わいたいので、昼の部、夜の部と間をあけてみています。7/18 木曜日は、夜の部に拝見しました。演目の中で、『弥栄芝居賑(いやさかえしばいのにぎわい) 道頓堀芝居前の場』があって、関西・歌舞伎を愛する会 結成四十周年記念と題していました。

東京では、歌舞伎座、新橋演舞場、明治座、国立劇場、浅草公会堂など、歌舞伎が毎月、何よ箇所で上演されています。それが当たり前のように、来月はこの芝居と、チケットを買っています。ところが、関西では、そうではないのですね。松竹座も、一月の正月公演と、七月の関西歌舞伎を愛する会の二回。そういえば、十一月、十二月は京都南座の顔見世公演でした。

四十年を振り返り、仁左衛門さんが挨拶されていましたが、関西で歌舞伎ができない時期があったとおっしゃっていました。映画やテレビにも出ていたし、本当に苦労があったのですね。 この日もご挨拶はしたものの、夜の部の出演はなし。

昼の部に命を賭けて、知盛を演じています。昼の部なら、贔屓のお姐さんたちも、見に来られる。清元の公演に東京国立劇場に駆けつけたときも、おわりが8時半で、新幹線の最終に間に合うようになっていました。仁左衛門さんの人気、すばらしいものです。

葛の葉は、時蔵が際立っています。障子に歌を書くのも、なれたもので、みていてうっとりします。こんな狐がいたのかもしれないと思わせるところがさすが。萬太郎の安倍保名は、難なく演じているのだが、若すぎる。あと何年かしてみるといいかもしれません。

上州土産百両首
正太郎役の芝翫は、当たり芸。そつなく、そして、本領を発揮しています。
牙次郎役の菊之助、汚れ役です。途中できりりとなるのかと思ったが、最後まで、気のいい、そして兄貴分思いの正直者を演じています。主役のひとりではあるが、菊五郎はやらないでしょう。吉右衛門の芸風かもしれません。昼の部の義経との釣り合いを取っていて、なかなか味わいがあります。東京ではみることのできない役なので、得した気分でした。 三次役の橋之助が、小憎らしくていい味を出しています。彼はワルでないと、芝居にならないから、すねたような、そして強請り、うまく演じていました。
ちょっとだけ、顔を出し、そして、親分のさりげなさをだす勘次役の扇雀がいいのです。殿様もよいが、こういう町人が似合っています。何もいわずに縄を解くところで、よい芝居をみたと思いました。
夜の部に大いに満足して、京都に帰りました。週明けにみる昼の部が楽しみです。

夜の部
一、芦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)
葛の葉

女房葛の葉/葛の葉姫   時蔵
安倍保名         萬太郎
信田庄司         松之助
庄司妻柵         吉弥

関西・歌舞伎を愛する会 結成四十周年記念
二、弥栄芝居賑(いやさかえしばいのにぎわい)
道頓堀芝居前の場

   仁左衛門
   時蔵
   扇雀
   孝太郎
   菊之助
   梅枝
   萬太郎
   壱太郎
   隼人
   橋之助
   中村福之助
   猿弥
   竹三郎
   進之介
   彌十郎
   芝翫
   鴈治郎
   秀太郎

川村花菱 作
大場正昭 演出
三、上州土産百両首(じょうしゅうみやげひゃくりょうくび)

正太郎      芝翫
牙次郎      菊之助
宇兵衛娘おそで  壱太郎
みぐるみの三次  橋之助
亭主宇兵衛    猿弥
勘次女房おせき  吉弥
金的の与一    彌十郎
隼の勘次     扇雀

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