東西二つの歌舞伎鑑賞

6/28に新橋演舞場で、市川猿之助襲名披露公演、昼の部を見てきました。
三階席ですが、ちょうど花道の真上。役者さんの熱演が伝わってきます。
歌舞伎は、文字通り、歌と踊りと演技があってのもの、中車さんは、これから研鑽をつまないと大変。歌えないオペラ歌手はいないから。新猿之助は若さにあふれ、宙づりでの暴れかたもすてきです。新しい時代を切り開いていくのでしょうね。口上は、山城屋さんが取り仕切っていて、最後に猿翁が登場したのにびっくり。

 

7/15は、祇園祭の京都を抜け出し、大阪松竹座へと向かいます。夜の部がすてきでした。光輝くんが中村又五郎になって、お子さんが歌昇を継ぐ。二人とも立派な役者ですね。偶然なのですが、猿之助の佐藤忠信、そして、又五郎の佐藤忠信と、続けてみています。関西、関東では型が違うから、おもしろい。染五郎の初役で河内山もよかった。上品さがでています。陰の部分をもっと出せるようになれば完璧ですね。

毎月、歌舞伎を見ることができる幸せ。舞台は夢を実現してくれます。役者さんの演技を見ていると、芝居を書いた戯作者の苦労が伝わってくる。江戸から平成までの長い時空を通り越して、何かが見えてきます。

浮世絵師 溪斎英泉に行ってきました

知合いからいただいた招待券で、千葉市美術館で開催中の「浮世絵師 溪斎英泉」展に行ってきました。

浮世絵だし、文字も少ないだろうと気軽に考えていたら、大きな誤算でした。二時間かけても、まだ半分くらいしか見ていません。江戸のくずし字講座を主宰しているので、本当にタイムリーな企画。浮世草子では、まさに遊里の話だし、黄表紙も、助六が東海道を旅するのです。

江戸時代、遊郭というのは、単に女と遊ぶところではなく、そこから文化や流行が生まれ、江戸の暮しを遊郭なしに語れないと、先週習ったばかりでした。浮世絵なので、文字が少し出てきます。歌もある。それをなんとか判読しようとすると,膨大な時間がかかってしまいます。解説のあるものは、それと元の字を較べてみる。いままでの鑑賞とは、ひと味違っています。

「浮世絵師 溪斎英泉」というのも馴染みがなかったのですが、人物像はかなり書いています。美人画の他に、東海道の旅姿もあり、多彩な人だということがよくわかりました。

中に「美艶仙女香」という文字が出てきて、気になって探してみたら、国会図書館にデジタルデータがありました。当世好物八契・仇競今様姿 つく田嶋の晴隅田堤の桜両国橋夜景など、いろいろ見つかりました。

充実した展示に心地よく疲労して、戻ってきました。図録の代わりに、本も頼んでしまいました。

ファイリングは、日付順がいちばん便利

1981年に、外資系企業に中途入社した。その前に広告代理店に勤めていたのと、ロンドン留学が採用の決め手だと、後から聞かされた。外資系なので、英語のできる人はたくさん応募する。また、広報・販売促進担当なので、広告代理店経験者も多い。その両方の経験があるのは、わたしだけだったと言われた。

当時の外資系は、給料も高く、完全週休二日制で、なんとなくオシャレな雰囲気だったが、仕事はたぶん二倍させられた。まだ、コンピューターは情報システム部のもので、一般にはIBMの電動タイプライターが主流。

そんな中で、即戦力として採用されて、戸惑いも多かったが、新しいことは、自分の考えでどんどん実施できた、よい時代だった。

ファイリングは、絶対に日付順が便利だ。隣の部では、テーマやカテゴリーによって分類しながらファイルしていたが、探すのや、しまうのに莫大な時間がかかる。カテゴリーは、担当者が変われば解釈が変わるし、次の人が引き継ぐとはかぎらない。時間だけが絶対のもの。オリジナルがどこかにあるものは、読んだら捨てて、自分が発信したものは連番を付けて、後は、日付順にただ綴じていく。

起業してからもこのスタイルを継承している。最初は一月ごとのファイルを作ったが,これだと何年かすると、膨大なファイルを保管することになる。今年から、三ヶ月を1ファイルにまとめて、年を四半期ごとにわけることにしてみた。7月1日は、7月、8月、9月と夏のファイル。その後の10月、11月、12月の秋のファイルを作ると一年の終わりが見えて来る。

日々の忙しさに追われがちだが、こうやって一年を俯瞰することも大切。特に新四半期の最初は、全体を振り返ってみよう。ファイルを新しく作りながら、一年の終わりを考える。何をどこでやるのか、やらないのか、そんなことを考えながら、企画書を書く。