今年流行った、「断捨離」。モノを断ち、ガラクタを捨てれば、執着も離れていく。新・片づけ術として、やましたひでこさんが、提唱している。
今年の大掃除は、この概念も生かして、断続的に、重点的に片付けをした。仕事をしながらなので、一日のうちの何時間かを、片付けにあてることにする。今年は、 日頃、見ないようにしている棚や引き出しも、中身を全部出して、捨てるもの、残すものを決めた。
一年前には、貴重な資料だったものも、やがて、ゴミになっていく。この見極めができないと、本当にガラクタの山に囲まれてしまう。昔から、使っているボールペンのメーカー、型番までこだわっているのに、身の回りには、使い勝手の悪いものを放置していた。反省。
本当に必要なものは少ししかなくて、それを大切に使えばいいのだ。モノが増えれば、在庫管理が必要になり、時間もエネルギーも割くことになる。
不用なものを大量に捨ててみて、気づいたことがたくさんあった。自分は何をしたかったのか、何をしようとしているのか、真面目に自分と向き合う時間を持てた。これは貴重な体験だった。大人になると、よほどのことがないかぎり、人生とはなんぞや、などと考えない。
きれいに片付いた部屋は心地よく、いつまでもここで過ごしていたいと思う。並んでいる本の背表紙の色や形を揃えたり、忘れていたお香を焚いたりと、細々とした楽しみがある。
好きと嫌いの基準がしっかりとある人なら、お片づけは容易だ。自分の感性にあわないものを捨てていけばいいのだ。好きなものに囲まれて暮らす生活と、もったいないからと、ガラクタに囲まれて暮らすのと、どちらを選ぶかである。
捨ててしまっても、また、買い足すことができるし、好きでもないものは、なくても困らない。クリエイティブなお仕事をされる人には、特にお薦めする。何もないところから、新しいアイディアが生まれる。何かあるものを加工したり、手直ししたりするのはないのだ。
真っ白なキャンバスに、好きなように描く楽しさ、それをぜひ、体験してほしいと思う。