びわ湖で、ワルキューレを見てきました

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びわ湖ホールで、「ワルキューレ」を見てきました。昨年の「ラインの黄金」に続く二作目。京都からは、地下鉄東西線で浜大津まで、そこから乗り換えて三つ目の石場下車。歩いて5分です。びわ湖を見ながら、オペラを聴くというのは、異国風ですてき。オペラハウスも海外のようです。
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五年前にパリ・バスチーユでみた、「ワルキューレ」は不条理な愛の物語でした。この新演出はどう表現するのだろうかと、楽しみでした。

3月4日 日曜日 14時から開始

この日は、日本人だけのプログラム。それがチームワークも良く、歌唱もすばらしいのです。日本人だけで、指輪ができる時代になったのですね。物語は新演出ですから、パリ・バスチーユに似ています。でも、パリほど、愛の対比をするのではなく、もっと物語の基本から見せてくれます。男と女が出会って、逃げて、そして男は殺され、女が残される。冬の場面から、春が訪れ、二人にも春の恵みがやってくる。愛の季節の始まり。この辺りの情景の変化は、パリで見たものととても似ていました。ヨーロッパの人々にとって、春の訪れは、生命の息吹なのでしょう。

ジークムントは優れた英雄、それに対して、ジークリンデは、汚れた女、あなたの愛を受けるにはふさわしくないと訴えます。それでも二人は愛すことを止められず、戦いで決着をつけようということになりました。ヴォータンは、もとより、ジークムントを勝利させることは考えていません。彼は刺されて殺され、剣も粉々にされてしまいます。

二人の愛の印を宿した女は、そのことを知ると、どんなことをしても、その子を産み落とそうと決意します。ともに死を願っていたのに、こんどは生きようとするのです。

ヴォータンは、フリッカに頭が上がらず、ジークムントを討ち果てました。その怒りを娘たちに向けるのですが、それは最愛の娘との別れを意味していていました。最後にブリュンヒルデが眠る山に火をつけ、炎に包まれます。この結界を破るのがジークフリート、来年が楽しみです。

ワルキューレは何度見ても発見があります。その演出の解釈ごとに新しいドラマが生まれ、新しい感動があります。今回も、わざわざ来てよかったと思えるほどのすばらしい舞台でした。

京都の大丸で買えた、ふたばの豆大福を楽屋に差し入れ、終演後は、知合いの小川里美さんとお話ししてきました。来年は、いよいよジークフリート、こちらもでかけなくちゃと思います。

指 揮:沼尻竜典(びわ湖ホール芸術監督)
演 出:ミヒャエル・ハンペ
美術・衣裳:ヘニング・フォン・ギールケ

4日 出演者

ジークムント 望月哲也
フンディング 山下浩司
ヴォータン 青山 貴
ジークリンデ 田崎尚美
ブリュンヒルデ  池田香織
フリッカ 中島郁子
ゲルヒルデ 基村昌代*
オルトリンデ 小川里美
ワルトラウテ 澤村翔子
シュヴェルトライテ 小林昌代
ヘルムヴィーゲ 岩川亮子*
ジークルーネ 小野和歌子
グリムゲルデ 森 季子*
ロスワイセ 平舘直子

*…びわ湖ホール声楽アンサンブル・ソロ登録メンバー

管弦楽:京都市交響楽団

参考リンク
究極の重厚長大オペラ「リング」 日本人に受けるワケ 2017/9/25

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