松竹座七月公演 昼の部に行ってきました。
京都は曇り空から小雨、大阪に着いたら、止んでいました。今日も、松竹座の前は大勢の人が待っています。
色気噺お伊勢帰りは、喜劇仕立て。
笑いの中に、哀しみもあって、大坂庶民の姿が描かれています。光っていたのは、梅枝のお紺。色気のある女郎ですが、嘘と誠の使い分けがすばらしい。最後に証文を女将さんから返してもらって、よくも恥をかかせたわね、この御礼はきっとします、と言い切って立ち行くワルぶり。この清楚な真面目そうな女役に、強烈な悪女をやらせたらと、わくわくしました。
厳島招檜扇
ひさびさの登場の我當が、清盛役。扇で夕日を呼び戻すというめでたいもの。元気そうな姿をみて、安心しました。役者は舞台に立つことで生きますね。
渡海屋
大物浦
渡海屋銀平実は新中納言知盛
仁左衛門さんが命がけで芝居しているのが伝わってきます。江戸風ではなく、片岡流の演技です。最後に義経に安徳帝を託して碇をつけて、沈んでいく。その覚悟がみているこちらにも伝わってきます。
夜の口上で、ぜひ、昼もみてくださいとお客様にいっていた気持ちがわかります。
今回の松竹座、いままでの中で最高だったと思います。昼、夜と見られてよかったとしみじみ感じました。
香川登枝緒 作
米田 亘 補綴
わかぎゑふ 演出
一、色気噺お伊勢帰り(いろけばなしおいせがえり)
左官喜六 鴈治郎
喜六女房お安 扇雀
大工清八 芝翫
遊女お紺 梅枝
清八女房お咲 壱太郎
うわばみの権九郎 隼人
旅芸人の座長万平 寿治郎
万平女房お千 吉弥
遊女お鹿 猿弥
家主庄兵衛 彌十郎
油屋女将おかつ 秀太郎
二、厳島招檜扇(いつくしままねくひおうぎ)
日招ぎの清盛
平相国清盛 我當
内大臣宗盛 進之介
三位中将重衡 萬太郎
祇王 壱太郎
小松三位維盛 中村福之助
瀬尾三郎兼経 松之助
仏御前実は源義朝息女九重姫 時蔵
三、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
渡海屋
大物浦
渡海屋銀平実は新中納言知盛 仁左衛門
女房お柳実は典侍の局 孝太郎
源義経 菊之助
入江丹蔵 猿弥
武蔵坊弁慶 彌十郎
相模五郎 鴈治郎