今年の團菊祭は、いつもと違う。團十郎不在のあと、男伊達をどうするのかと思っていたから、海老蔵も菊之助も頑張っている。菊五郎は一時体調を崩していたが、孫の初お目見えもあって、一幕は出ている。昔、團十郎と菊五郎が張り合っていた頃を思い出すと、時代は変わっていくのだ。
もう一つの目玉は播磨屋さんの登場。團菊祭に出るのは29年ぶりとのこと。この人も孫につられて出てきたのだ。播磨屋さんと音羽屋さんを祖父にもつ、寺嶋和史(菊之助長男)くんも果報者。恥ずかしがって、ご挨拶もできないが、退場の時、手を振ってみせた。
華やかな役者が揃って、顔見せ公演のようである。
福地桜痴 作今井豊茂 補綴
一、鵺退治(ぬえたいじ)
源頼政 梅玉
猪の早太 又五郎
巫女梓 歌女之丞
九条関白 錦之助
菖蒲の前 魁春
菅原伝授手習鑑
二、寺子屋(てらこや)
松王丸 海老蔵
千代 菊之助
戸浪 梅枝
涎くり与太郎 廣松
春藤玄蕃 市蔵
百姓吾作 家橘
園生の前 右之助
武部源蔵 松緑
河竹黙阿弥 作、花街模様薊色縫
三、十六夜清心(いざよいせいしん)
浄瑠璃「梅柳中宵月」
清心 菊之助
十六夜 時蔵
恋塚求女 松也
船頭三次 亀三郎
俳諧師白蓮実は大寺正兵衛 左團次
四、楼門五三桐(さんもんごさんのきり)
石川五右衛門 吉右衛門
右忠太 又五郎
左忠太 錦之助
真柴久吉 菊五郎
夜の部
一、勢獅子音羽花籠(きおいじしおとわのはなかご)
寺嶋和史 初お目見得
鳶頭 菊五郎
鳶頭 吉右衛門
菊之助
初お目見得 寺嶋和史(菊之助長男)
鳶頭 松緑
鳶頭 海老蔵
鳶頭 團蔵
茶屋女房 萬次郎
茶屋女房 秀調
鳶頭 権十郎
鳶の者 亀三郎
鳶の者 亀寿
鳶の者 松也
芸者 梅枝
鳶の者 萬太郎
鳶の者 巳之助
芸者 尾上右近
芸者 種之助
鳶頭 錦之助
鳶頭 又五郎
芸者 雀右衛門
芸者 時蔵
芸者 魁春
世話人 彦三郎
世話人 左團次
鳶頭 梅玉
河竹黙阿弥 作
二、三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)
大川端庚申塚の場
お嬢吉三 菊之助
お坊吉三 海老蔵
夜鷹おとせ 尾上右近
和尚吉三 松緑
鶴屋南北 作
三、時今也桔梗旗揚(ときはいまききょうのはたあげ)
本能寺馬盥の場
愛宕山連歌の場
武智光秀 松緑
小田春永 團蔵
四王天但馬守 亀寿
桔梗 梅枝
森蘭丸 萬太郎
森力丸 巳之助
連歌師丈巴 橘太郎
園生の局 笑也
矢代條介 男女蔵
安田作兵衛 松江
皐月 時蔵
四、男女道成寺(めおとどうじょうじ)
白拍子桜子実は狂言師左近 海老蔵
所化 男女蔵
所化 九團次
所化 萬太郎
所化 巳之助
所化 竹松
所化 尾上右近
所化 種之助
所化 廣松
所化 橘太郎
白拍子花子 菊之助