東京芸術劇場で、メリー・ウィドウを見てきました

2015年2月22日に、東京芸術劇場で行なわれた、レハール 喜歌劇『メリー・ウィドウ』全幕を見てきました。新演出ということで、これまでみたメリー・ウィドウとは違っていました。

舞台はポンテヴェドロ国の日本大使館。そこに、夫が急死した資産家未亡人が旅行中に立ち寄ります。カラフルな衣装でみなさま登場、ここは、仮想の国という設定でしょうか。ここに起きることはすべて、狂言仕立て、誰かを誹謗したり、風刺したりしていません、と宣言しているかのようでした。大使館は、ひとつの宮廷なのです。

主演のハンナ役の小川里美さんは、長身で堂々としています。歌も声量があって、すてきです。彼女の相手役は、やはり、長身の外国人が似合っていますね。前回のこうもりに引き続き、P. ボーディングです。喜劇といえども、恋人たちがいて、恋の鞘当てがあって、泣き笑いがあって、だから、芝居が楽しくなるのです。

昔の恋人たちが、二人だけで言葉を交わす場面では、小川さんの積極的な甘える仕草が光っていました。至近距離でああやって口説かれたら、ほぼ全員が、YESとうなづくしかないです。オーラが漂っていました。

ソプラノは、小川さんと、そして、ヴァランシエンヌ役の小林沙羅さんの2トップ、豪華な配役でした。沙羅さんの生き生きした表情は、大使館という閉ざされた世界でも、愛にいきる妻という姿がうまく出ています。彼女の恋人役の健・ヌッツォさんも、フランス人で、ハンナと婚約させられるという喜劇をうまく演じていました。

特別ゲストのメラニー・ホリディ、今回もわたしたちを魅了させてくれます。テキサス生まれのアメリカ人で、エンターティナーとしての資質がたっぷり。本物のプリマドンナですね。

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出演:
ミルコ・ツェータ(ポンテヴェドロ国の東京駐在公使):セバスチャン・フップマン
ヴァランシエンヌ(日本出身のツェータの妻):小林沙羅
ダニロ・ダニロヴィッチ(大使館の書記官):P.ボーディング
ハンナ・グラヴァリ(日系ポンテヴェドロ人で資産家の未亡人):小川里美
カミーユ・ド・ロジヨン(フランス人):ジョン・健・ヌッツォ
カスカーダ(日本人):城 宏憲
ラウール・ド・サンブリオシュ(日本人):晴 雅彦
ニェーグシュ(大使館の参事官):戸田ダリオ

ボグダノヴィッチ(ポンテヴェドロ領事):新井 克
シルヴィアヌ(領事夫人):武藤直美
クロモフ(ポンテヴェドロ公使館参事官):津田俊介
オルガ(参事官夫人):外山 愛
プリチッチ(ポンテヴェドロの退役陸軍大佐):根本龍之介
プラスコヴィア(大佐夫人):石井 藍

スペシャルゲスト:メラニーホリディ

指揮:ミヒャエル・バルケ
管弦楽:読売日本交響楽団
コーラス:東邦音楽大学合唱団

ダンサー:山井 絵里奈、 高岡 優貴、 石橋 静河、岩崎 美来、
宮河 愛一郎、竹内 英明、宮原 由紀夫、傳川 光留

「花つづり」の最終日に出かけてきました

花つづりとは、白金高輪にある「クーリーズ・クリーク」で開催されていた三名の写真家の『花』の展覧会です。

もともとは2014年12月までの会期が、好評につき、次々と延長され、2015年2月21日が最終日でした。途中、展示物の入替えもあったりして、見応えのあるものばかり。最終日にお邪魔して、後期の作品をみることができました。

渋谷で用事の後、時間を気にしながら白金高輪に移動。清家さんたちの『花つづり』の最終日でした。もし、営業時間外だったら戻ってこようと、おそるおそるドアを開けると、そこには、清家正信さん、池田邦彦さん、Hiromi’sさんのお三方が揃っていました。

みなさまにご挨拶して、三階から作品をみせていただきました。池田さんからは花の写真を撮るために、生け花を習いにいったというお話もうかがえて、濃密な時間でした。普通に思う、美しい花というのではなく、妖しかったり、清げだったり、何かを訴えています。

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清家さんの花の写真は、滅びる前の危うさがあって、そのぎりぎりの時間を捉えているのがすごいのです。

美は細部に至り、普通の人が気づかない、花の妖しさ、儚さがありました。本当に出会えてよかったと思いました。会場では、知合いの方ともお会いでき、同じことを考えている人がいる、とちょっとうれしかったです。みなさま、ありがとうございました。

 

「日本独立作家同盟」がNPO法人化の記者発表に行ってきました

日本独立作家同盟とは、2013年9月1日に発足した任意団体。文筆や漫画などの作品を自らの手で電子書籍などパッケージにして、発表している独立系作家の活動支援を目的としています。

ここでいう、独立系作家とは、セルフパブリッシュや自己出版といった活動をしている人で、商業デビューは問わない。作家や作品の知名度・品質の向上、頒布促進の他、作家と読者のコミュニケーション活性化など、多種多様な出版文化の振興に貢献することを目的としている。 (発表資料からの抜粋)

発表会場は、アーツ千代田3331、旧練成中学校を利用して誕生したアートセンター。IMG_7004

今回のリリースの趣旨は次の3点です。
1. 独立系作家・出版支援を事業化し、運営組織をNPO法人へ。
2. 独立系出版に役立つセミナーを毎月開催。正会員と賛助会員は無料で参加可能。
3. 独立系作家の作品を毎月刊行する「群雛」をリニューアル、ウェブメディアも本格化。

これまでも、すぐれた作品がweb上に点在していたが、それを集約して、見せる場を与えることで、より多くの人にアクセスしてもらうことができ、収益にも繋がると考えている。

これまでの一般会員(参加費無料)に加え、本日2015年2月20日より、正会員、および、賛助会員を募集開始する。

この同盟に一般会員(無料)として入会したい方は、

  1. まずGoogle+アカウントを取得し、
  2. 同盟のGoogle+コミュニティ[コミュニティに参加]ボタンをクリックし、
  3. [自己紹介(参加表明)]カテゴリへ投稿してください。

必要なのはこの3ステップだけです。審査や許諾などのハードルは、特に設けていません。

現在、月刊誌として、「郡雛(ぐんすう)」を発行。こちらに載せる掲載原稿は、先着順で締切、また、原稿が入校された順番で掲載されるということ。編集会議とか、選考会とかはなく、発表する場を提供するものという、視点にはっとさせられました。

出版業界が、販売するものの減少で年々厳しくなっていく中、このような取組みが何かを変えることになるのでしょう。 新しく何もかも構築するのではなく、Google+のような既存のプラットフォームを使うという点も、今の視点ですね。応援していきたいと思いました。

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イタリア関連イベント

世の中には、有料、無料を含めてたくさんのセミナ、イベント、コンサートがある。もちろん、時間的な制約も加わる。その中から、自分の生活を豊かにするために、何かを選ぶ。

最近、メイルマガジンやFBで実にピンポイントで欲しい情報がやってくるようになった。そういう出会いに感謝する日々がある。
江戸とイタリアが好き、といっていたら、そういう情報が来る。

イタリア文化会館では、とてもユニークなイベントを毎月開催しているが、今月は、「われ、レオナルド ダ・ヴィンチとのありえない対話」に出かける。申込は

件名を「2月16日公演」として、お名前、電話番号、参加人数を明記の上、メールにてeventi.iictokyo@esteri.itまでお申し込みください。

日程: 2015年2月16日
時間: 18時30分(開場18時)
場所:イタリア文化会館 アニェッリホール
お問い合せ:イタリア文化会館 eventi.iictokyo@esteri.it
Tel.03-3264-6011(内線13, 29)

そして、同じ頃、法政大学のメイルマガジンが届いた。こちらは、

法政大学イノベーション・マネジメント研究センター国際シンポジウムで、

「異文化間の知識移転 - イタリアのマネジメントに学ぶ日本経済活性化 - 」
(Italian Way of Management for Economic Revitalization in Japan)
【日時】2015年3月14日(土)13:00-17:00
主催:法政大学イノベーション・マネジメント研究センター
後援:法政大学経営学部

■下記専用サイトよりお申込みください。
【パソコン・スマートフォン】https://www.event-u.jp/fm/10509
【携帯電話】https://www.event-u.jp/fm/m10509

※個人情報の扱いは厳重に管理しております。
法政大学に関連するイベント開催等の通知を目的としており、
それ以外の目的では使用しておりません。
【申込締切】3月11日(水)

こちらもさっそく申し込んでみた。アートとビジネスは、どこかで繋がっている。

節分の日

何年か前に、家族で歌舞伎座に出かけた。菊五郎がお嬢吉三を演ずる「三人吉三巴白浪(サンニンキチサトモエノシラナミ)」。通し狂言なので、初めてでも分かりやすかった。観劇の日がちょうど節分、台詞にも出てくるが、入口で、大入りと書かれた節分の豆を貰った。

月も朧(おぼろ)に 白魚の
篝(かがり)も霞(かす)む 春の空
冷てえ風も ほろ酔いに
心持ちよく うかうかと
浮かれ烏(からす)の ただ一羽
ねぐらへ帰る 川端で
竿(さお)の雫(しずく)か 濡れ手で粟(あわ)
思いがけなく 手に入る(いる)百両

ほんに今夜は 節分か
西の海より 川の中
落ちた夜鷹は 厄落とし
豆だくさんに 一文の
銭と違って 金包み
こいつぁ春から 縁起がいいわえ

さて、それがいつなのか、歌舞伎座なのか、国立劇場なのかも記憶には定かでない。

こんなときに役立つのが、歌舞伎公演データベース、1996年2月3日は土曜日。この日の夜の部なので、小学生の子どもたちを連れて行けたのだ。
一番楽しかった節分の日の思い出である。

歌舞伎座
公演年月     1996年 2月 (昼夜公演)
上演順     夜の部 1

演目名     三人吉三巴白浪(サンニンキチサトモエノシラナミ)
場名など     両国橋西川岸〜大川端庚申塚〜割下水伝吉内〜本所お竹蔵〜巣鴨吉祥院本堂〜同裏手墓地〜元の本堂〜本郷火の見櫓(浄瑠璃「初櫓噂高音」)(リョウゴクバシニシガシ〜オオカワバタコウシンヅカ〜ワリゲスイデンキチウチ〜ホンジョオタケグラ〜スガモキチジョウインホンドウ〜ドウウラテボチ〜モトノホンドウ〜ホンゴウヒノミヤグラ(ジョウルリ「ハツヤグラウワサノオトワヤ」))

配役
和尚吉三 = 松本幸四郎(9代目)
お坊吉三 = 澤村宗十郎(9代目)
お嬢吉三 = 尾上菊五郎(7代目)
土左衛門伝吉 = 市村羽左衛門(17代目)
手代十三郎 = 市村萬次郎(2代目)
夜鷹おとせ・伝吉娘おとせ = 中村芝雀(7代目)
釜屋武兵衛 = 尾上松助(6代目)
八百屋久兵衛 = 市村鶴蔵(初代)
堂守源次坊 = 松本錦吾(3代目)
捕手頭長沼六郎 = 松本幸右衛門(初代)

利休にたずねよ

海老蔵が、あの利休を演ずる映画で、題名だけは知っていた。たまたま手に取って読みやすそうだと、連れてくる。長編小説なのだが、短編が繋がっていて、どこからでも読める。

後から分かったが、この本は、第140回直木賞受賞作。山本兼一さんは、丹念に資料を集めて書かれたと思うが、読み応えがあってすばらしい。

例えてみるなら、小倉百人一首の作者ひとりひとりが、登場して、この歌集をまとめた定家について語るようなもの。登場人物とその心理描写、そして、茶の湯に関する膨大な知識。少し、お茶を習ったものとしては、こういう本を若いときに読んだら、お稽古も楽しかっただろうと思う。

時代小説の面白さは、タイムマシンさながら、自分がその時代に飛んでいけることだ。歴史についてもある程度理解していると、その楽しさが倍加する。映画については、賛否両論があるが、自分の中のイメージを大切にしたい人は、読書して楽しめということか。

調べたら、映画サイトには、わかりやすい記載がある。茶の湯とは、千利休とはと、調べたい人にも手軽にわかってよいと思う。http://www.rikyu-movie.jp/special/#index

着物の話

昨年から続々と着物が集っている。親族から譲られたもの、知人からのいただきもの、どれも微妙にサイズが異なっている。

着物は、長襦袢、着物、羽織、道行き、雨コートと重ねて着用するので、すべてがマイサイズなら苦労はないのだが、いただき物同士を組み合わせるのには、工夫がいる。自分で買い揃えれば高価なものばかりなので、贅沢な悩みといえばそのとおりだ。

昭和に作られた着物には、現代の帯を合わせ、出かける場所に合わせて、組み合わせを変える。歌舞伎、能楽、オペラ、展覧会、食事会と、相手やその場所の雰囲気に合わせて、着物を選ぶ。

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ふだん過ごすには、どんな組み合わせもいいのだが、公共、あるいは、公式な場所に出かけるときは、自分の好き嫌いより、相手のことを考えて、着物を選ぶ。夏は着ている当人よりも、周りの人に涼しげに見えるように工夫する。季節を先取りし、季節感を大切にする。結構、頭を使うから、惚けないのかもしれない。

幸い、母親が存命なので、分からないことはいちいち確認している。昔はそういう決まり事が煩わしくて、逃げていたのだが、この頃は大人になって、日本文化を理解しようという気になっている。江戸の話を読むのにも、着物を着て過ごしていると、見えてくることが多い。

いただいて、箪笥から溢れた着物は用途別、季節別に整理しようと思う。目的がしっかりしているのだから、両方に使えるもの、用途が決まっているものを一目でわかるように、保管しておくとよい。

派手すぎてもいけない、かといって紬では失礼になるとき、色無地に格調高い袋帯を着るといいと教わった。これは応用範囲が広そうだ。訪問着では派手になる場所もあるのだ。

季節限定の柄や、通年使える柄を分けて管理しないし、混乱してしまう。着物も帯も、組み合わせによって新しい美が生まれる。それを楽しむための苦労も、また、楽しい。

 

スゴ本オフ忘年会「コスプレで今年のイチオシなスゴ本を語ろう!」

スゴ本オフは、文字通り、すごい本を持参して、紹介しあう会です。だれでも参加できますし、どんな本を紹介してもいいのです。最近はDVDやCDもありです。

でも、参加されるメンバや、持参するお料理やお菓子によって、豪華なパーティ付きの本の発表会に、大化けします。今回は、その幸運な会でした。
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3kgのローストビーフを焼いて、タクシーで持ってきてくださる方や、自家製パンやクッキーなど、忘年会にふさわしい華やかな幕開けでした。美味しいものがたっぷりあると、自然に口が滑らかになって、初めての方も楽しく、本を紹介していました。
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本は、これ以外にもあって、発表については、ズバピタさんのまとめをご覧ください。

わたしが興味をひかれたのは、男女の機微をうまくとらえた作品を紹介してくれる方の「危険な関係 (角川文庫)ラクロ」と、イギリスの貴族の物語「エドワーディアンズ」。
しゃべったり、食べたり、飲んだり、近くの人と近況報告したり、濃いような明るいような不思議な時間が過ぎていきます。

渋谷の10階というのもすてきなロケーションで、移り行く空の風景も未来的。HDEさん、お世話になりました。
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今回は、コスプレ付きということで、タイガーや牛もいました。弓道部女子、学園女子、バンバイヤ・ファミリなど、紹介する本に合わせる人も、ぜんぜん違うひともいて、この緩やかさがいいです。参加者の中に、着物女子が4人もいたのはうれしかったです。本の会に、着物というのは合いますよ。

最後は放流された本をジャンケンで勝ち取っていきます。自分が持参した本とは全然違う、昨日まで知らなかった本をもらって帰るのが、うれしいですね。

今回持参した本は二冊。

『江戸文学を選び直す』井上 泰至・田中 康二 (編集)  笠間書房
今、わたしたちの知っている江戸文学は,近代の目からみて、すくい上げやすいものを、選んだだけなのではないか。別の視点からみたとき、もっと豊富な題材がありそう。それを現代語訳付きで紹介している。江戸文学再発見は楽しい。


『ポアロのクリスマス』アガサ・クリスティー ハヤカワ文庫
1938年作の作品だから、クリスティーの脂ののった時期の作。
マクベス、クリスマス・キャロルのパロディもあって、「クリスマスにはクリスティー」という名フレーズが全編に漂っている。

次回は歴史というテーマになるそうです。何を持参するのか、考えなくちゃと思いました。

十二月大歌舞伎を見てきました

12月は、芝居三昧の月。歌舞伎座と、国立劇場で通し狂言をみて、年末は京都南座で顔見世を見ることになっています。

十二月大歌舞伎」を見なければと思ったのは,夜の部で、通し狂言 雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)を上演するからです。

歌舞伎十八番の『毛抜』『鳴神』『不動』の3演目は、1742年に初演された『雷神不動北山櫻』のうちの一幕として上演された作品。この『雷神不動北山櫻』は、これまで何度も上演されてきましたが、今回、歌舞伎座では初めてとなります、とのこと。以前に團十郎でみたのは、国立劇場でした。

こういう特別公演は、次がないですから、見ておこうと思います。海老蔵が5役勤めますというのも初めてのこと。演出は国立劇場版と較べて、派手で豪華です。

どっしりと重厚な役者はいないので、役者の可愛らしさ、姿のよさは大切になります。さすがに『鳴神』は、玉三郎が雲の絶間姫ですから、基本を踏まえていますが、ふたりの恋のやり取りが、どうも世話物に見えてしまう。

三階の前列には、高校生の団体が並んでいて、こういう濡れ場をどう鑑賞するのだろうかと、気になりました。昔の高校生のための歌舞伎鑑賞講座は、『毛抜』が定例でしたが、今どきは、『鳴神』まで見せるのですね。

海老蔵は、頑張っていたと思います。色気もあるし、優男も悪もできるのは、すてきなことです。あとは、口跡よく話せれば、鬼に金棒でしょう。隣にいた年配の方々が、スーパー歌舞伎みたいに、きらきらとすごいと、いっていましたが、猿之助一門の役者も大勢出ているので、スーパー歌舞伎風に見えてしまうのですね。

重い題材の歌舞伎もあれば、どろどろした情念の歌舞伎もあります。上方の伝統を守り、今に繋げる役者もいます。そういう多様化する歌舞伎を、それぞれのよさを感じながら、楽しむ時期なのだと思います。近いうちにまた、再演してほしいですね。


通し狂言 雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)
市川海老蔵五役相勤申し候

序 幕 第一場 神泉苑の場
第二場 大内の場
二幕目     小野春道館の場
三幕目 第一場 木の島明神境内の場
第二場 北山岩屋の場
大 詰 第一場 大内塀外の場
第二場 朱雀門王子最期の場
第三場 不動明王降臨の場

鳴神上人・粂寺弾正・早雲王子・安倍清行・不動明王   海老蔵 (五役)
文屋豊秀           愛之助
小原万兵衛実は石原瀬平   獅 童
小野春道          市川右近
白雲坊           亀三郎
黒雲坊           亀 寿
小野春風           松 也
秦秀太郎           尾上右近
錦の前           児太郎
八剣数馬/こんがら童子   道 行
腰元巻絹           笑三郎
八剣玄蕃/せいたか童子   市 蔵
関白基経           門之助
秦民部           右之助
雲の絶間姫         玉三郎

公演日: 2014年12月2日(火) 16:30

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「チャールダーシュの女王」を見てきました

東京二期会主催の「チャールダーシュの女王」を見てきました。場所は日生劇場。こじんまりとしていて、オペラハウスとしてぴったり。

家にDVDはあるのですが、オペレッタだし、馴染みのある音楽ばかりなのでと、今回がほぼ初見。予想に反しての驚きが多く、楽しかったです。

何といっても衣装の豪華なこと。シルヴァ役の醍醐さんが着ている洋服は、以前に見たプラダのギャッツビー展の衣装をしのいでいます。みんなが踊ること、跳ねること。一幕の幕間に、ここは、宝塚劇場だったかと、錯覚するくらい。

オペラ歌手の踊りとしては、みんな頑張っていますが、ミュージカルのスターに較べると、切れ味が少し甘い。そのかわり、歌はすばらしいのです。これは、どう鑑賞すべきかと、かなり迷いました。

いちばんの儲け役は、ボニ役の高田正人さん。もてもてで、貴族で主人公のエドウィンの従兄弟。最後の大団円まで、舞台の狂言回し兼、いい男振りを見せます。高田さんの人柄のよさもじんわり出ていて、役者として成功だったと思います。

エドウィン役の古橋郷平さん。最初は控えめだったのが、第二幕でウィーンに戻ると、水を得た魚のように、舞台を縦横に泳ぎ回っていました。ひとりの女の人に、揺るがぬ愛を持ち続けるというところがすてきです。

シルヴァ役の醍醐園佳さん。きれいな方で、意志の強さをしっかりと見せてくれます。今でいうキャリアパーソンなんですね。才能があって、恋も知っていて、でも身分違いだからと、身を引こうとする。「僕には出来ない まだ愛してる あなたは、大人の振りをしても、別れるつもり」と、安井かずみの《危険なふたり》の歌詞が浮かんできます。エドウィンのほうが、23、4歳とたぶん年下なのでしょう。彼女が羽織っている毛皮のついたガウン、どこで売っているのでしょう。欲しいです。

エドウィンの幼なじみで許嫁のシュタージ、青木エマさんは、モデルのように可愛いいです。ヨーロッパには、こんな女性がいるなあ、と思わせてしまいます。控えめでもなく、自分の意見はきちんという、現代っ子ですね。

そして、ブダペストの劇場のフェリ、彼も過去に身分違いの恋をして、諦めたことがあるのです。さて、この二組の恋人たちは、幸福なエンドになるのか、最後まで、はらはらさせられます。

今回の指揮は、めずらしいと思いますが、女性で、三ツ橋敬子さん。小柄な方ですが、エネルギッシュに指揮棒を降っていました。見ていた席が、オーケストラピットを見渡すことができて、繊細な演出を身近に眺めることができました。

ダブルキャストだったので、もう一組も見たかったですね。ぜひ、再演をお願いします。

オペレッタ全3幕
日本語訳詞上演
台本:レオ・シュタイン及びベーラ・イェンバッハ
日本語訳詞:池田直樹
日本語台本:田尾下 哲
作曲:エメリッヒ・カールマン
会場: 日生劇場
公演日: 2014年11月26日(水) 14:00

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