十二月大歌舞伎を見てきました

12月は、芝居三昧の月。歌舞伎座と、国立劇場で通し狂言をみて、年末は京都南座で顔見世を見ることになっています。

十二月大歌舞伎」を見なければと思ったのは,夜の部で、通し狂言 雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)を上演するからです。

歌舞伎十八番の『毛抜』『鳴神』『不動』の3演目は、1742年に初演された『雷神不動北山櫻』のうちの一幕として上演された作品。この『雷神不動北山櫻』は、これまで何度も上演されてきましたが、今回、歌舞伎座では初めてとなります、とのこと。以前に團十郎でみたのは、国立劇場でした。

こういう特別公演は、次がないですから、見ておこうと思います。海老蔵が5役勤めますというのも初めてのこと。演出は国立劇場版と較べて、派手で豪華です。

どっしりと重厚な役者はいないので、役者の可愛らしさ、姿のよさは大切になります。さすがに『鳴神』は、玉三郎が雲の絶間姫ですから、基本を踏まえていますが、ふたりの恋のやり取りが、どうも世話物に見えてしまう。

三階の前列には、高校生の団体が並んでいて、こういう濡れ場をどう鑑賞するのだろうかと、気になりました。昔の高校生のための歌舞伎鑑賞講座は、『毛抜』が定例でしたが、今どきは、『鳴神』まで見せるのですね。

海老蔵は、頑張っていたと思います。色気もあるし、優男も悪もできるのは、すてきなことです。あとは、口跡よく話せれば、鬼に金棒でしょう。隣にいた年配の方々が、スーパー歌舞伎みたいに、きらきらとすごいと、いっていましたが、猿之助一門の役者も大勢出ているので、スーパー歌舞伎風に見えてしまうのですね。

重い題材の歌舞伎もあれば、どろどろした情念の歌舞伎もあります。上方の伝統を守り、今に繋げる役者もいます。そういう多様化する歌舞伎を、それぞれのよさを感じながら、楽しむ時期なのだと思います。近いうちにまた、再演してほしいですね。


通し狂言 雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)
市川海老蔵五役相勤申し候

序 幕 第一場 神泉苑の場
第二場 大内の場
二幕目     小野春道館の場
三幕目 第一場 木の島明神境内の場
第二場 北山岩屋の場
大 詰 第一場 大内塀外の場
第二場 朱雀門王子最期の場
第三場 不動明王降臨の場

鳴神上人・粂寺弾正・早雲王子・安倍清行・不動明王   海老蔵 (五役)
文屋豊秀           愛之助
小原万兵衛実は石原瀬平   獅 童
小野春道          市川右近
白雲坊           亀三郎
黒雲坊           亀 寿
小野春風           松 也
秦秀太郎           尾上右近
錦の前           児太郎
八剣数馬/こんがら童子   道 行
腰元巻絹           笑三郎
八剣玄蕃/せいたか童子   市 蔵
関白基経           門之助
秦民部           右之助
雲の絶間姫         玉三郎

公演日: 2014年12月2日(火) 16:30

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