江戸東京博物館は、常設展も面白い

江戸のまち歩きを主宰しているが、これまでに湯島天神の梅、浅草、上野、深川、隅田川、江戸城、赤坂と、江戸の名残のある土地、周辺を歩いてきた。

そして、いよいよ今日は両国にある江戸東京博物館に出かけた。特別展の写楽を見るのが1つの楽しみだったが、実は、ここの常設展もすばらしい。あちこちに仕掛けがあって、江戸を体験できるようになっている。

火消しのもつ纏を実際に振り回したり、千両箱を抱えたり、大名の輿に乗ってみたりできる。江戸の大地図や、日本橋付近の立体模型、両国の様子などが、ミニチュアから想像できる。以前、訪れたときは、急いでいたこともあって、こんなに楽しめなかった。

江戸が好きなメンバたちとのまち歩きだから、みんなの期待やわくわく感が加速されて、楽しさも一段と勝っていたのではないか。

写楽 幻の肉筆画
常設展の案内

 

 

江戸東京博物館で開催されている「写楽 幻の肉筆画」特別展

2009年7月4日(土)−9月6日(日)まで、両国の江戸東京博物館で開催されている「写楽 幻の肉筆画」特別展。お盆明けの日曜日にでかけることになっているので、いろいろと調べていたら、こんなすてきなサイトを発見。

今回の一番の目玉は東洲斎写楽の確かな肉筆画作品である、「四代目松本幸四郎の加古川本蔵と、松本米三郎の小浪」。こちらは扇面に描かれたもの。

またこれにちなんで、『仮名手本忠臣蔵』(三幕四場)のうち二段目『桃井館上使の場』(モノクロ) 竹田出雲・三好松洛・並木川柳 合作
1974年(昭和49)12月3日〜25日 国立劇場で上演された作品 25分を毎日4回、上演する。

江戸情緒に溢れる一日になりそうだ。

特別展観覧券 一般 1,300円だが、常設展共通券 1,520円をお薦めする。こちらは博物館窓口での取り扱いのみ。これだと、8月13日(木)から始まる企画展「江戸東京ねこづくし展」にも入れる。

東京駅八重洲地下街の古書店ブログ

京橋のあらかわ画廊に立寄り、その帰り道、東京駅まで歩いた。八重洲地下街があって、涼しい。何気なく歩いていると、古書店という看板が目に留まる。古本屋が八重洲にあったなんて、知らなかった。

スタッフブログもある。 写真入りで楽しそうな紹介がいい。気になって、覗いていたら、能楽の謡本が「難ありコーナー」に並べてあって、一冊100円也。観世流の謡本なので、菊慈童、源氏供養、三輪、蘆刈を買ってみた。奥付に大正十四年と書いてある。

この本の師匠の欄には福田光蔵氏と記載してあったので、ググってみた。小津安二郎監督の晩秋で、原節子が見ていた観世流「杜若」の場面があり、シテ方は梅若万三郎、そこに地謡で登場している。これは観世流のお稽古をしなさいという暗示なのか。真面目に考えてみよう。

東京駅で思いがけない出会いがあったので、旅は寄り道に限ると思った。

「8時間日曜対談—アイ・ウェイウェイ×アート×建築」

日曜日の午後、8時間にわたるセッションということで申し込んでみた。別のイベントもあり、会場に着いたのは15時過ぎ。それでも、終了の20時までたっぷり5時間楽しめた。

最近の森美術館、じっくりと展覧会をやって、その間にいくつかの公開講座を実施している。先に見るか、理解を深めて見るか。美術館の新たな楽しみが生まれたような気がする。

私が見たのは、トーク3からトーク6までだが、なかなか面白かった。 アイ・ウェイウェイと いうアーティスト、北京オリンピックスタジアムのデザインをした人なのだ。ユーモアセンスもあるし、機転もきくし、なかなかの人物である。8時間のセッ ションにつきあったというだけでも、感動的ではないか。会場には、美術関係者が2割くらい。海外から招いた人も多く、国際会議のような雰囲気だった。日英 の同時通訳がつくのだが、日本の講演者もアイ・ウェイウェイと英語で話しているので、海外できいているような錯覚に陥る。

(以下、森美術館のサイトからの転載)

美 術、建築、編集、デザインなど多岐にわたるクリエイティブな分野で活躍するアイ・ウェイウェイ。日曜日の午後8時間にわたるこの連続対談では、アーティス トの多面性をアートと建築を入口にして、素材、技術、空間、歴史、文化、領域などの観点から読み解きます。対談相手には、アートと建築の世界からアイ・ ウェイウェイと興味深い繋がりやクリエイティブな共通点を持つ豪華ゲストを招きます。会場のみなさまからの「アイ・ウェイウェイへの質問」も時間の許す限 り受ける予定です。

12:00 プログラム開始 モデレーター:片岡真実(森美術館チーフ・キュレーター)
12:05 対談1 出演:ウリ・シグ(コレクター)
13:00 対談2 出演:隈 研吾(建築家)
14:45 対談3 出演:フィリップ・ティナリ(ライター、キュレーター)
15:45 対談4 出演:チャールズ・メレウェザー(美術史家、ライター、キュレーター)
17:30 対談5 出演:坂 茂(建築家)
18:30 対談6 出演:杉本博司(現代美術家)
20:00 終了

京都のほんまものに出会う場所

学生時代から京都は大好きで、三日休みが続くと京都に出かけていた。五年前は、家探しもしていて、南禅寺の近くにすてきな住まいを見つけて、契約しようと思ったことがある。

そんなわたしが、京都に住む、京都っ子と出会い、生活や様式、そして世界観などを知るたびに驚くことが多い。たとえば、近くの電気屋さんで電気 釜を買ったが、壊れていてご飯が炊けない。そんなとき、東京だったら、「こんな不良品、すぐに取り替えてください」と怒鳴りに行くだろう。

京都なら「これなあ、昨日もろうたんやけど、うちの使い方が悪いのやろか、ご飯が炊けへんねん」と、柔らかく、まず自分の能力が足りないせいだ ろうかと、相談めいて尋ねる。すると、電気屋のおじさんは、「ほんまや、これはうちが悪かったさかいに、すぐに取り替えてあげるわ」と交換してくれるとい う。

このあたりの機微が分からないと京都人とは付き合えないらしい。そんなややこしいことは抜きに、京都に行くなら、訪ねたい所がある。

京都の町屋 ひなみ である。オーナの川端さんは、伝統工芸のショールームと、そして、予約制だが、食事のコースも扱っている。自分の祖父の染物工場を直して、ギャラリー兼住まいにしたのだそうだ。

ここにお邪魔していると、時間の経つのを忘れるくらい居心地のよい空間だ。アクセスは西大路御池 地下鉄東西線下車六分。

7/11、7/12は国立西洋美術館が無料開放

明日、隅田川船の旅をするので調べていたら、 国立西洋美術館の入場無料という記事を発見

ファン・デー2009

国立西洋美術館ファン・デーは、国立西洋美術館をみなさんに無料開放する日です。今年は国立西洋美術館開館50周年。楽しいプログラムを用意しました!

2009年7月11日(土)、12日(日)
各日9時半から17時半まで

以下の展覧会をご覧いただけます。

  • 常設展
  • 開館50周年記念事業
    ル・コルビュジエと国立西洋美術館
  • 開館50周年記念事業
    かたちは、うつる—国立西洋美術館所蔵版画展

他にも前庭コンサートが二回実施。スタンプラリーなども楽しめそう。せっかくの休日だから、ここで過ごして、ちょっと豪華なランチでも楽しんだらいいと思う。わたしも浅草で昼食後、出かけてみます。

他にも無料公開日、ただし常設展のみ、があります。
■無料観覧日
毎月の第2、第4土曜日、文化の日(11月3日)
※常設展示のみ無料となります。

森美術館、[万華鏡の視覚]は、7/5まで

森美術館の万華鏡の視覚展、セミナにも参加して、楽しみにしていたら、7/5までではないか。今日の夕方、時間を作って出かけてきた。

ま だ行かれたことのない方、お急ぎください。現代アートという代物は、分からない、理解不能な芸術があったりするが、この展覧会は楽しめる。ひつひとつが、 見たこともないアートで、世界の裏側には、こんなことを考えている人もいるのだ、という発見がある。自分とは異質なものも、相手を知ることで、必ず理解で きるはず。

会場の入り口で、イヤホーンガイド(無料) を借りて、作品ごとに解説を聞くとさらに理解が深まる。

 

万華鏡の視覚:ティッセン・ボルネミッサ現代美術財団コレクションより
2009年4月4日(土)〜7月5日(日)

会場:      森美術館 〒106-6150 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53階
主催:     森美術館、ティッセン・ボルネミッサ現代美術財団

開館時間
月・水-日10:00−22:00|火10:00−17:00
いずれも入館は閉館時間の30分前まで
※会期中無休

入館料(円):一般1,500、学生(高校・大学生)1,000、子供(4歳−中学生)500
※表示料金は消費税込
※本展のチケットで展望台 東京シティビューにもご入館いただけます。
ご利用当日のみ有効。

伝統芸能と、女流という生き方

5年程前から、佐渡で能舞台の調査、研究をしているが、そのご縁で能楽師たちの知合いも増えた。佐渡には日本の1/3の能舞台があって、現在でも能楽が盛ん。ほとんどが宝生流である。

その佐渡出身の女流の能楽師たちも参加する、「文月能」が、2009年7月4日(土) 12時から開催される。於 宝生能楽堂、水道橋。

これは女流の能楽師による珍しい試みなので、ご紹介したい。日本の伝統芸能というのは、こうした人たちの日々の研鑽によって支えられている。

能「弓八幡」シテ後藤裕子、ツレ境野直美、ワキ大日方寛、アイ遠藤博義
狂言「盆山」シテ山本則秀、アド若松隆
能「経政」シテ鶴間真美子、ワキ野口能弘
能「三輪」シテ影山三池子、ワキ安田登
狂言「悪坊」シテ山本則俊、アド遠藤博義、若松隆
能「黒塚」シテ広島栄里子、ワキ高井松男、アイ山本則俊

この番組、能が四曲、そして、間に盆山、悪坊の狂言が入る。自由席だが、入場料5000円という、コストパフォーマンスに優れたものだ。能楽が初めての人でも、ネットでこの番組を検索すれば、中身はかなり分かるはず。

こうやって少し予習して臨めば、何を待っているのかが分かる。文月能は毎年、暑い時期に開催されるが、そんなとき、幽玄の世界に身を置くのはなかなか趣がある。

私 事で恐縮だが、今年の三月、能楽入門講座の発表会があった。わずか、二分半の仕舞に10回もお稽古を重ね、曲と舞い方が覚えられず、苦戦した。この方たち はプロの能楽師だが、それでも40分間くらいの能を間違えなく、また、心に響く形で演ずるのは、どのくらいの努力と訓練が必要なのだろうか。そんなことも 考えながら、能楽を楽しむことにしよう。

■宝生能楽堂
地下鉄都営三田線 水道橋駅 A1出口 徒歩1分
住所     :     〒113-0033 東京都文京区本郷1-5-9
電話     :     03-3811-4843

神代良明ガラス展

知人の個展に出かけるというのは、いつもわくわくする。

どんな出会いがあるのか、何が変わったのかと、期待と予想が交差する。その中でも、神代良明さんのガラス展は斬新だ。
最初見たときは、発泡スチロールから思ったくらいだ。
この白いガラスが彼の特長だ。今回は小品もたくさんあって、売約済みが大部分だった(赤いドットが価格の前に付いているのが売約の意)。

 

 

 

 

 

 

作者の経歴も異色だ。建築家として設計事務所に6年間勤務し、休暇で出かけた沖縄で、吹きガラス工房を見学し、志望をかえる。以後、ガラス工芸作家の道を選んで、金沢に二年間技術を学びにいく。

2004 年 国際ガラス展・金沢 2004 大賞
2005 年 洞爺村国際彫刻ビエンナーレ 2005 入選
2006 年 千葉市芸術文化新人賞

と次々に賞を取り、そして迷いも自信も生まれる。

■12/10 水曜日まで 11時から19時
画廊椿
千葉市中央区春日 2-2-9
TEL.043-247-5906

mixiコミュの芝居総見、歌舞伎座で受付手伝いしました

SNSのコミュで総勢48名が揃って歌舞伎総見をした。出し物は、野田秀樹版、アイーダ。あのオペラの名作のアイーダを、舞台を美濃・尾張の戦国時代に移して歌舞伎仕立にする。そして、本日が千秋楽。

歌 舞伎座では団体30名以上になると、入り口の脇にテーブル席を出すことができる。参加者の確認をしながら、連れがある人には連番を渡し、遅れる人には、ハ ンドル名をチケットホルダーに入れて、チケットお預かり所に預ける。これは友だちと待ち合わせるときにも利用できる便利なシステムだ。

芝居は、歌舞伎というよりは野田版の新劇。演ずるのが歌舞伎役者と思った方がわかりやすい。台詞はシェイクスピアの如く、引用と描写に富んでいる。これを全部覚えた役者さんも偉い。

凱旋のメロディではトランペットと三味線が奏でられ、ビニールを膨らました巨大なゾウも登場する。

千秋楽というのは、魔物が住んでいる。暴れるか、静まるかは観客次第。本日は二回のカーテンコールがあった。会場から野田さんが呼び寄せられ、勘三郎とジャンケンして、挨拶の順番を決めるのだ。