京橋のあらかわ画廊に立寄り、その帰り道、東京駅まで歩いた。八重洲地下街があって、涼しい。何気なく歩いていると、古書店という看板が目に留まる。古本屋が八重洲にあったなんて、知らなかった。
スタッフブログもある。 写真入りで楽しそうな紹介がいい。気になって、覗いていたら、能楽の謡本が「難ありコーナー」に並べてあって、一冊100円也。観世流の謡本なので、菊慈童、源氏供養、三輪、蘆刈を買ってみた。奥付に大正十四年と書いてある。
この本の師匠の欄には福田光蔵氏と記載してあったので、ググってみた。小津安二郎監督の晩秋で、原節子が見ていた観世流「杜若」の場面があり、シテ方は梅若万三郎、そこに地謡で登場している。これは観世流のお稽古をしなさいという暗示なのか。真面目に考えてみよう。
東京駅で思いがけない出会いがあったので、旅は寄り道に限ると思った。