大阪松竹座で歌舞伎を見てきました

京都に祇園祭で来ている間、日中の暑さを避けて、毎年、大阪松竹座で歌舞伎をみています。京、大坂の芸能に親しむ絶好の機会です。

今月の出し物は、五代目中村雀右衛門襲名披露ということで、一段と充実していました。
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同じ雀右衛門襲名披露といっても、上方では出し物が違います。
『小さん金五郎』ははじめて見ました。孝太郎の色っぽい芸者もいいですが、児太郎が若い芸者の艶っぽさを見せていて、はっとさせられます。

『夕霧名残の正月』は、藤十郎さんが出てくるだけで、空気が変わります。芝居の楽しさがわかりますね。雀右衛門さんの夕霧も可憐でよかったです。

『与話情浮名横櫛』の仁左衛門さん、若々しくていいとこのぼっちゃんでうまいのです。ここでの雀右衛門さん、前半はすこし固くなっていました。もっとあだっぽくて、見ている人をとろかすような粋さ、色気があるといいです。なにしろ、馴れ初めの場なんですから。後半の源氏店はしっぽりとよかったです。

考えてみれば、襲名と同時に父が相手役だった幹部の方々と、共演するのですから、その心配りはいかほどかと思います。あと少しですから頑張って欲しいですね。

この日は高校生の団体が三階席正面にいて、こんな色っぽい話を高校生歌舞伎鑑賞教室として実施する学校はすてきだなあと思いました。隣の席の女性とお話したのですが、地方からではないか、大坂ではありえないといっていました。高校生のみなさんも歌舞伎の楽しさがわかったのではないでしょうか。

さて、京都から来ていてるので、昼夜と続けてみていました。夜の部も見ています。

『菊畑』も役者が揃っていて楽しかった。口上は幹部たちの心のこもった挨拶、お引き立てを賜りますようにとどなたも頭をさげて応援しています。これを見られるだけでも大坂に来た甲斐がありました。

『鳥辺山心中』、雀右衛門の持ち味の可憐で薄倖な雰囲気がとても似合っています。死ぬしかないと追い詰められていく二人、心中ものでも特に心が惹かれます。あっという間の八時間でした。関西歌舞伎の真髄に触れた思いで戻ってきました。

昼の部

大森痴雪 作
戸部銀作 補綴
今井豊茂 演出
一、小さん金五郎(こさんきんごろう)

金屋橋の金五郎    鴈治郎
芸妓額の小さん    孝太郎
太鼓持六ツ八実は木津屋六三郎   亀鶴
芸妓大村屋のお糸   児太郎
奈良屋権左衛門    松之助
千草屋女房お縫    寿治郎
千草屋娘お崎     廣松
女髪結お鶴      吉弥
広瀬屋新十郎     錦之助

今井豊茂 脚本
二、夕霧名残の正月(ゆうぎりなごりのしょうがつ)
由縁の月

藤屋伊左衛門    藤十郎
扇屋夕霧      芝雀改め雀右衛門
太鼓持鶴七     廣太郎
同 亀八      廣松
扇屋三郎兵衛    友右衛門
扇屋女房おふさ   秀太郎

三世瀬川如皐 作
三、与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)
木更津海岸見染の場
赤間別荘の場
源氏店の場

伊豆屋与三郎   仁左衛門
お富       芝雀改め雀右衛門
鳶頭金五郎    橋之助
番頭藤八     松之助
赤間源左衛門   團蔵
蝙蝠安      歌六
和泉屋多左衛門  梅玉

夜の部
一、鬼一法眼三略巻(きいちほうげんさんりゃくのまき)
菊畑

奴虎蔵実は源牛若丸    梅玉
奴智恵内実は吉岡鬼三太  橋之助
笠原湛海         亀鶴
申し次腰元白菊      宗生
皆鶴姫          孝太郎
吉岡鬼一法眼       歌六

二、五代目中村雀右衛門襲名披露 口上(こうじょう)

芝雀改め雀右衛門
幹部俳優出演

岡本綺堂 作
三、鳥辺山心中(とりべやましんじゅう)

菊地半九郎     仁左衛門
遊女お染      芝雀改め雀右衛門
坂田市之助     橋之助
仲居お雪      竹三郎
若党八介      松之助
お染父与兵衛    團蔵
坂田源三郎     鴈治郎
遊女お花      秀太郎

岡村柿紅 作
四、芋掘長者(いもほりちょうじゃ)

芋掘藤五郎    橋之助
友達治六郎    錦之助
緑御前      児太郎
菟原左内     宗生
魁兵馬      種之助
松ヶ枝家後室   友右衛門

2016年祇園祭、前祭の記

なぜこんなに京都に惹かれるのか、そして、暑い七月にわざわざ日程をさいて京都に向かうのか、すべては祇園祭のためです。IMG_2354S

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もう十年以上も前に、mixiの京都コミュでお世話になった方々がいて、誘われました。当時は、浴衣もひとりで着ることができず、五条で着付けをしてもらい、そのままタクシーでお茶会の会場へと向かいました。

その後は、知り合いと待ち合わせたり、家族や友人を同行したりと、毎年、必ず出かけはります。観光客としてではなく、長いことそこに住んでいるような気持ち出歩いていると、たくさんの出会いがあります。籤改めの文箱の開け方、渡し 方の練習風景や、お囃子の公開練習、本番前の練習は、ゲネプロとしてオープンされている。 家の中の様子がわざわざわかるような屏風祭りがあったり、水を 買ったかえりに警備の方に親切にされたり、この時期は人々が心を開いて寄り添うような感じがします。

祭りというよりは、神事が好きなのです。長刀鉾の生稚児さんは、この期間、地面を歩くことはならず、男衆が世話をします。山鉾に登るのも男衆の肩に背負われて進みます。神様の使いだから、稚児さんが乗ると雨も止みます。

三年前から、巡行の日のもうひとつの神事、八坂神社の御神輿も見るようになりました。

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御神輿は三基あるのですが、いつも錦の神輿に付いて歩きます。花見小路では、角々で御神輿に手を合わせる人々がいて、神様が乗ってはるからなあと思います。御神輿を担ぐという言葉がありますが、文字通り楽しい。辛いことや嫌なことを忘れさせてくれます。そういう時間が大切なのでしょうね。 神事は後祭の終わるまで続きます。

二期会名作オペラ祭 『フィガロの結婚』を見てきました

フィガロの結婚は、最初にみたオペラです。新宿区に住んでいたとき、区民のためのオペラ鑑賞があり、上野の東京文化会館で三日連続鑑賞。こちらも二期会でした。 それから何度となく、見ているお気に入りのオペラです。

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今回の宮本亜門演出の 『フィガロの結婚』、2011年に引き続き、拝見しました。進化しているのが小気味よく楽しめました。

 

『フィガロの結婚』は、人間の心の動き、愛と哀しみが、本当にうまく表現されていて、喜劇なのに、哀しみもあふれている。だから、何年たっても、いろいろな演出で、今の人の心に訴えるものがあるのだと思います。

見たのは7/16の部。歌い手さんたちが、揃っていてすばらしかった。オペラはチームワークの芸術、ひとりだけ目立っていてはだめなのです。この日の、アルマヴィーヴァ伯爵 与那城 敬さん、イケメンなのに、スザンナからは冷たくされて、彼女に惹かれているという役をうまく表現しています。 伯爵夫人 増田のり子さん、アリアがすばらしい。こんな一途な妻を放っている夫がひどすぎると、味方したくなります。

スザンナ 髙橋 維さん、お茶目で気がつくチャーミングな女性。みんなをひっぱっています。フィガロ 萩原 潤さん、両親との対面の場が、一番楽しめました。男らしいようで、くよくよするところも面白い。

ケルビーノ 青木エマさん、こんなかわいい少年を乙女たちが愛してしまうのは当然。伯爵は男には興味がなくてよかったですね。ドン・バジリオ 高田正人さん、音楽教師のはずが想定外に活躍して楽しめます。存在感がありました。マルチェリーナ  石井 藍さん、気絶するところがうますぎる。母親の顔への変化がいいです。

みんながひとつになって、すばらしい作品を作り上げていく様子が見えます。音楽だけでない、生の、そして一期一会の楽しみ。 モーツアルトもびっくりでしょう。次回も楽しみです。

配役
アルマヴィーヴァ伯爵   与那城 敬
伯爵夫人          増田のり子
ケルビーノ         青木エマ
フィガロ           萩原 潤
スザンナ          髙橋 維
バルトロ          長谷川 顯
マルチェリーナ      石井 藍
ドン・バジリオ       高田正人
ドン・クルツィオ      升島唯博
アントニオ         畠山 茂
バルバリーナ       全詠玉
花娘1            辰巳真理恵
花娘2            加藤早紀

オペラ全4幕
日本語字幕付き原語(イタリア語)上演
台本:ロレンツォ・ダ・ポンテ
作曲:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト

指揮: サッシャ・ゲッツェル
演出: 宮本亜門

会場: 東京文化会館 大ホール
公演日:
2016年7月15日(金) 18:30
16日(土) 14:00
17日(日) 14:00
18日(月・祝) 14:00

日本文学全集12 『松尾芭蕉 おくのほそ道/与謝蕪村/小林一茶/とくとく歌仙』 刊行記念トークイベントに行ってきました

日本文学全集12 『松尾芭蕉 おくのほそ道/与謝蕪村/小林一茶/とくとく歌仙』 刊行記念トークイベント@東京堂ホール
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池澤夏樹個人編集の日本文学全集、前評判も高く、斬新、ユニーク、愉しいとの書評もあり、気になるところから集めています。久々の全集物、河出書房新社の社運をかけた事業でもあります。

個人的には、昔々、河出書房の日本文学全集を親に揃えてもらって、源氏物語から読みましたので、今回の江戸の俳諧シリーズには大変興味がありました。幸運なことにこちらのイベントに参加することができ、昨日7/5、神保町まで出かけてきました。

涼しい一日だったので、もっと時間をとって、この辺りを歩き回ればよかったなあと少し後悔。それくらい、ネットの書店を愛用している自分には目新しく、出会いもありました。

写真は右から、松浦寿輝さん、辻原登さん、長谷川櫂さん。江戸を代表する歌人、松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶の選と解説、訳を担当しています。

人形町の江戸のくずし字講座でも二年余りにわたり、「おくのほそ道」を芭蕉直筆版で習ったので、それがどう訳されているのか、どきどきしながら拝見しました。リズム感があり、自然な流れで、江戸人が読むような平易な日本語になっています。お見事でした。松浦さんは詩人でもあり、言葉のもつセンスが光っているのです。

芭蕉は、古典などの教養を裏に、雅な世界を自然に置き換えて表現している。神格化されすぎているが、ハイブリットな人ではなかったのか、今回担当して、瑞々しい感情に驚かされたと松浦さんは語っています。みなさま、ご自分の担当された歌人より、それ以外のひとの批評が多く、一体化した江戸人集合のように見受けられました。

辻原さんは芭蕉が嫌い、蕪村の作品をまとめるとき、俳句には季語があるから、季節でまとめてみようと思ったそうです。春夏秋冬、ただそれだけでは、物足りないので、もう一度春を締めくくりに持ってきた。それが「春風馬提曲」です。

「春風馬提曲」はこちらで初めて読みました。漢詩と、漢詩読み下し文の混ざった斬新、新鮮な前衛詩だと辻原さんは記しています。こちらも従来の解釈とは違い、商家に勤めた女中が故郷に帰るのではなく、妓家に勤めた女が帰るとしています。すると、これまでの解釈では不自然だった部分が見事にわかるのだとそうです。こういうことは、教わらないと気づくこともありませんから、それだけでのこのトークイベントに参加してよかったと思いました。

一茶は、古典も知らず、俗物に徹して句をつくったひとと、長谷川さんは語ります。俗なものにばらけていくのが、近代の特徴で、そういう意味で、近代化をしたひとなのだそうです。一茶から近代詩が始まる、面白いです。

近代、明治以降、郷愁を追求していて、それを先取りしたのか蕪村。蕪村は俳人だけでなく画家でもあります。近世畸人伝などを読んでいると、蕪村は池野大雅と同じ画家です。作られた句が絵画的と言われるのも、基本がそこにあるからと思いました。

辻原さんのいう、近代の詩人は郷愁のものばかり。どこから来て、どこに行くのかがわからないのが近代。それに比べ、芭蕉ははっきりとどこから来て、どこに行くのかが記されている。

松浦さんが、芭蕉は西行を参照して旅をする、中国の古典も引用する。旅の中に、日本文化の厚みが刻みこまれている。それが天明期になると、狂歌が盛んになり、雅なものでなく、俗なものが流行る。今がまさにそんな時代だと思われます。だから、古典を読んで、もう一度学びたくなるのですね。

三人のお話は息があって、ツッコミもあって、まだまだ聞いていたい気がしました。

俳句を作ることはできなくても、詩を書くことはいいなあと、久しぶりに思いました。心の動き、感性のひらめきを残すには、現代人には詩が似合っていると思います。そんなさまざまな思いを胸に戻ってきました。ありがとうございました。

熊本地震チャリティコンサートに行ってきました

Music for Kumamoto
「音楽を通じて熊本に元気を!」というジョン・健・ヌッツォの呼びかけに共鳴した、オペラ・クラシック界12人の有志によるチャリティコンサートに行ってきました。

普段では、聴くことのできない豪華なメンバ。どなたも力強く歌い上げて、こじんまりとしたホールに響きわたっていました。イタリアオペラからの曲も多く、心に染みるようです。音楽による支援というメッセージのとおり、聴いていたこちら側も、元気をいただきました。

場所は、白寿ホール。こちらはすばらしく音響の良いホールです。初めて出かけたのですが、居心地がよく、ずっとここで聴きたいと思いました。すてきな時間を共有できてよかったです。

会場では、終演後、ロビーにも募金箱を持った、歌い手さんたちが並び、コンサート収益全額は、毎日新聞東京社会事業団に寄付され、熊本に届けられます。

 

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2016.7.3 [日]
14:00 開演(13:30 開場)
18:00 開演(17:30 開場)

熊本地震チャリティコンサート
Music for Kumamoto

青山貴 (Br/1回目のみ) 悪魔め鬼め 「リゴレット」、
泉萌子 (S) ドレッタの夢 「つばめ」、
小川里美 (S) ああ、そはかの人- 花から花へ「椿姫」、
梯剛之 (pf) 即興曲第3番Op.90 変ト長調「シューベルト」、
ジョン・健・ヌッツォ (T) たえなる調和「トスカ」、誰も寝てはならぬ「トゥーランドット」、
ジョン・ハオ (B) 闘牛士の歌「カルメン」、
デニス・ビシュニャ (B) 陰口はそよかぜのように「セビリアの理髪師」、
鳥木弥生 (Ms) あなたの声に私の心は開く「サムソンとデリラ」、
中西勝之 (Br) 私は町の何でも屋「セビリアの理髪師」、
古澤巌 (vn) タイスの瞑想曲「マスネ」、チャールダッシュ「モンティ」、
鷲尾麻衣 (S) この清潔で愛らしい宿よ「リタ」

赤星裕子 (pf)、高田絢子 (pf)、

全員 乾杯の歌「椿姫」、行けわが思いよ、金色の翼に乗って「ナブッコ」、花は咲く

サントリーホールで第九を聴く

物事の始まりは面白いです。ショットミュージックのメイルマガジンで、今年が武満徹の没後20年にあたることを知りました。

そして、サントリーホールで、武満徹:セレモニアル-秋の歌-を含む次のような演奏会が開かれることを知りました。どうして、ここにたどり着けたのか、今でもわかりません。

壹越調調子(雅楽)
武満徹:セレモニアル-秋の歌-
ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 op.125 「合唱付」

この曲は、武満の中でも珍しく典雅が官能的といわれる祝祭の色濃い作品です。わたしも聴くのは初めてだったので、楽しみでした。
そして、第九、合唱付き。この時期にサントリーホールで第九が聞けるなんて、こちらもわくわくします。歌手たちの豪華なこと。指揮者のメルクルさんも含めてみなさま、こちらの国立音大で教えていらっしゃいます。

気がついたのが公演の二週間前、お席は前から二列目のコントラバス付近。オーケストラも見渡せて、指揮者のお顔もはっきり見えます。この一体感が大好き。自分も演奏している気分になります。

みなさま、歌いながら、合唱の指揮をするのですね。メルクルさんも歌いながら楽しんでいました。 宮田まゆみさんの笙の笛もひさしぶりで、異次元に浮かぶよう。アートの神様がくれたギフトのような時間でした。

国立音楽大学 創立90周年 特別記念演奏会
国立音楽大学オーケストラ、合唱団日時 2016年6月12日(日) 14:00 開演指揮 準・メルクル出演  笙:宮田まゆみ
ソプラノ:澤畑恵美
アルト:加納悦子
テノール:福井敬
バリトン:黒田博
国立音楽大学オーケストラ
国立音楽大学合唱団

國學院大学で、「宮廷装束の着装披露」を見てきました

江戸のメイルマガジンのために、資料を集めていて、こんな記事を発見。

宮廷装束の着装披露 -武官装束と女房装束-」(霞会館衣紋道研究会主催・國學院大學神道文化学部共催)を開催いたします。

前々から行きたい思っていたイベントだった。源氏物語を読んでいて、当時の宮中ではどんな装束を着けていたのかと気になっていた。今回は、武官と女房の男女の着装ということで、二倍嬉しい。事前予約なし、先着100名という募集なので、とにかく、30分前の受付開始に間に合うように出かけた。

渋谷にあるのは知っていたが、國學院大学に入るのは初めてのことである。会場は板敷きの祭式教室。椅子も用意されていたが、着物なので座る方が心地よい。

装束を着けてもらう人は、身分の高い人なので、御方様とよばれ、前衣紋者、後衣紋者と二名が着装を手伝う。平安のお姫様たちは、自分で着ることはできなかったはず。女房たちに囲まれて傅かれて暮らしていた様子が、よくわかる。

最後に写真撮影もあったのだが、SNSやブログへの投稿はご遠慮くださいという主催者側の意向で載せられない。簡単にいうと、お雛様の装束を想像してみてください。武官は鷹の羽でできた矢を背中に背負っているし、太刀は、差しているが刀ではなく装束の一部。笏は懐紙のようなものを巻いてその中に差し込んでいる。

女房装束もお雛様のお姫様どおり。雛人形は平安の宮中の様子を正確に表現しているのだとわかった。源氏物語を読むときに情景がより、立体的にわかりそうだ。

國學院大学には博物館もあって、こちらも充実している。東京にあるのにその存在をしらなかった。

 

与那城 敬&小川里美 さすらいの詩 魂の歌に行ってきました

5/27 金曜日の昼の音楽さんぽ、第一生命ホール15周年記念公演
第5回 与那城 敬&小川里美
さすらいの詩 魂の歌 に行ってきました。
このお二人、オペラ研修所のときから知っています。実力派なので、楽しみにしていました。バリトンとソプラノの二重唱なのかと、想像していたら、歌曲を歌い上げてくれました。美しい音楽、美しい歌声。日頃、聞くことのない曲、それも抒情的な曲でした。 時空を旅するという音楽ばかり。

それほど大きくないホールにぴったりの歌声に、聞き惚れて、あっという間の二時間でした。いただいたプログラムには、歌詞の訳が載っているのですが、実際の曲の最中に字幕に乗るのは歌手のお二人の訳。思いが籠っていました。

愛の歌、過ぎ去った愛の歌、満たされぬ愛の歌、喜びの愛の歌、さまざまな愛が時間を流れていきます。終わって外に出ると、雨も上がって、素晴らしい一日を予感していました。もう一度聞きたいです。

日時 2016年5月27日(金) 11:00 開演(12:30終演予定)
会場 第一生命ホール  座席図を見る
出演 与那城敬(バリトン) 小川里美(ソプラノ) 巨瀬励起(ピアノ) 山野雄大(ご案内)
曲目 ヴォーン・ウィリアムズ:歌曲集《旅の歌》(与那城)
──『宝島』で有名なスティーヴンソンの詩による歌曲集。
孤独に灯される愛、星降る夜の憧れ、巡る季節にさすらう魂‥‥
暮れ空の彼方へ翼ひろげる放浪の歌。英国歌曲の絶品です!

デュパルク:戦いのある国へ(小川)
──中世のロマンスを思わせる傑作。戦場へ出た夫へ遠く想い寄せる妻の心‥‥

デュパルク:旅への誘い(小川)
──幻想の遠い国へ‥‥ボードレールの精緻な名詩を昇華した歌曲。

プーランク:歌曲集《平凡な話》(小川)
──平凡どころか非凡!詩人アポリネールの豊かな想像を見事に描く歌曲集。

◼︎アンコール
フォーレ:この世のすべての魂 Op.10-1

国際博物館の日に、上野に行ってきました

国際博物館の日とは、ICOM(国際博物館会議)が、5月18日を「国際博物館の日」とし、博物館が社会に果たす役割について 広く市民にアピールしています。

上野では、記念事業として、上野ミュージアムウィークを設け、5月18日(水) 終日無料観覧を次の博物館、美術館で開催しました。
■東京国立博物館 (総合文化展のみ)
■国立科学博物館 (常設展のみ)
■国立西洋美術館 (常設展のみ)
■東京都美術館(「公募団体ベストセレクション 美術 2016」展のみ)
■台東区立下町風俗資料館(企画展のみ)

今年は、国立博物館と、西洋美術館に絞って観覧することにしました。上野を降りると、西洋美術館の前は長蛇の列。そんなに人気のイベントなのかといぶかしく思っていると、その日、西洋美術館が世界遺産に登録というニュースが流れて、一目見ようと押しかけた人が大勢いたようです。

このイベントはいつもひっそりと行われていて、国立博物館も無料開放日の割には静かでした。ほとんどの場所で、写真が撮れるのがうれしいのです。東京都美術館の若冲展もこの頃はまだ静か。上野で過ごす一日は楽しかったです。
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團菊祭に行ってきました

今年の團菊祭は、いつもと違う。團十郎不在のあと、男伊達をどうするのかと思っていたから、海老蔵も菊之助も頑張っている。菊五郎は一時体調を崩していたが、孫の初お目見えもあって、一幕は出ている。昔、團十郎と菊五郎が張り合っていた頃を思い出すと、時代は変わっていくのだ。

もう一つの目玉は播磨屋さんの登場。團菊祭に出るのは29年ぶりとのこと。この人も孫につられて出てきたのだ。播磨屋さんと音羽屋さんを祖父にもつ、寺嶋和史(菊之助長男)くんも果報者。恥ずかしがって、ご挨拶もできないが、退場の時、手を振ってみせた。

華やかな役者が揃って、顔見せ公演のようである。

福地桜痴 作今井豊茂 補綴
一、鵺退治(ぬえたいじ)

源頼政   梅玉
猪の早太  又五郎
巫女梓   歌女之丞
九条関白  錦之助
菖蒲の前  魁春

菅原伝授手習鑑
二、寺子屋(てらこや)

松王丸   海老蔵
千代    菊之助
戸浪    梅枝
涎くり与太郎  廣松
春藤玄蕃  市蔵
百姓吾作  家橘
園生の前  右之助
武部源蔵  松緑

河竹黙阿弥 作、花街模様薊色縫
三、十六夜清心(いざよいせいしん)
浄瑠璃「梅柳中宵月」

清心    菊之助
十六夜   時蔵
恋塚求女  松也
船頭三次  亀三郎
俳諧師白蓮実は大寺正兵衛  左團次

四、楼門五三桐(さんもんごさんのきり)

石川五右衛門  吉右衛門
右忠太     又五郎
左忠太     錦之助
真柴久吉    菊五郎

夜の部
一、勢獅子音羽花籠(きおいじしおとわのはなかご)
寺嶋和史 初お目見得

鳶頭   菊五郎
鳶頭   吉右衛門
菊之助
初お目見得 寺嶋和史(菊之助長男)

鳶頭    松緑
鳶頭    海老蔵
鳶頭    團蔵
茶屋女房  萬次郎
茶屋女房  秀調
鳶頭    権十郎
鳶の者   亀三郎
鳶の者   亀寿
鳶の者   松也
芸者    梅枝
鳶の者   萬太郎
鳶の者   巳之助
芸者    尾上右近
芸者    種之助
鳶頭    錦之助
鳶頭    又五郎
芸者    雀右衛門
芸者    時蔵
芸者    魁春
世話人   彦三郎
世話人   左團次
鳶頭    梅玉

河竹黙阿弥 作
二、三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)

大川端庚申塚の場
お嬢吉三    菊之助
お坊吉三    海老蔵
夜鷹おとせ   尾上右近
和尚吉三    松緑

鶴屋南北 作
三、時今也桔梗旗揚(ときはいまききょうのはたあげ)
本能寺馬盥の場
愛宕山連歌の場

武智光秀    松緑
小田春永    團蔵
四王天但馬守  亀寿
桔梗      梅枝
森蘭丸     萬太郎
森力丸     巳之助
連歌師丈巴   橘太郎
園生の局    笑也
矢代條介    男女蔵
安田作兵衛   松江
皐月      時蔵

四、男女道成寺(めおとどうじょうじ)
白拍子桜子実は狂言師左近  海老蔵
所化   男女蔵
所化   九團次
所化   萬太郎
所化   巳之助
所化   竹松
所化   尾上右近
所化   種之助
所化   廣松
所化   橘太郎
白拍子花子   菊之助