籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)@新橋演舞場

知合いから、声をかけてもらい、菊五郎の初役の佐野次郎左衛門菊之助の初役の八ツ橋が出る籠釣瓶を見てきました。
団体でチケットを取ったので、二階の花道がよく見えるよい席でした。12月だというのに、郭が出てくると、華やいで見えるのは、日本人だからでしょうか。

花魁の微笑みで人生を狂わせる男の物語
上州佐野の絹商人、佐野次郎左衛門は、下男の治六とともに桜咲き誇る吉原仲之町に来て、花魁の八ツ橋に心を奪われます。それから次郎左衛門は、八ツ橋の元へ通いつめるようになります。八ツ橋を身請けするつもりが、満座の中で八ツ橋に突然愛想づかしをされ、うちひしがれて佐野に戻ります。ところが、四カ月後再び吉原に現れ、恐ろしい事件が始まります(歌舞伎美人サイトから抜粋)。

これまで、なんどか籠釣瓶は見ているのですが、今回のものは少し違っています。もともと、二枚目でいなせな役の似合う菊五郎が初役の汚れ役。田舎ものを演じるのですが、ところどころに、きらりと二枚目が出てしまう。たとえば、羽織りを着るときの仕草、羽織り紐の掛け方。刀の持ち方などなど。

もうこの人は、源氏物語の桐壺の帝くらいしか、挑戦する役がないのでは、と思います。実父の梅幸は、女形でしたが、彼は両方に挑戦しています。歌舞伎の楽しみは、演目にあった着物を着て、オシャレして出かけ,知合いと幕間にはおしゃべりして、情報交換。そんな大人の社交場ですね。

帰りには小雨が降り出してきて、役柄に合わせた涙雨のように思いました。歌舞伎座のできるまでは、新橋演舞場で楽しみたいと思います。

浅草、鷲神社の二の酉に行ってきました

起業して、人形町で江戸のくずし字講座を主宰しています。一の酉、二の酉、三の酉という、江戸から続く風物詩は、入谷の朝顔市と同様、ニュースでみるものだと思っていました。それが、たまたま、人形町でのセミナの日、お客様からのご要望で、酉の市を案内することになり、事前に資料を集めて勉強しました。

浅草の鷲神社、目黒の大鳥神社、新宿の花園神社、と酉の市が開催される場所は、各地域ごとにあります。私の場合、人形町で暮らしているので、入谷から歩いての鷲神社にお参りするのが筋だと思います。

そんなわけで、以来、毎年、この時期になると、日程調整を始め、駆けつけるようにしています。今年は二の酉でおしまいということで、なんとか、午前中に着くように出かけました。昼過ぎから、どっと混み出し、夕方は二時間待ちの行列もざらです。本日は、暖かく、外を歩いたり、並んだりするのに理想的な一日でした。

普段はビルの間に挟まれた小さな空間が、祭りの期間は、神の宿る場所と、強く意識されます。並んで境内を歩き、鳥居をくぐって、お賽銭を投げ、鐘を鳴らします。

その後は、隣にある酉ノ寺で、『一粒萬倍御種銭』をいただき、最後に商売繁盛の熊手を買って帰ります。これだけのことなのに、大勢の人びとが集い、行列するのです。江戸から続いている風物。人びとは暮しの中で、何をねがったのでしょうか。

師走の前の11月に酉の市があって、新年の準備、心構えのようなものが始まります。

神様との約束事なので、ここに来て、古い熊手を返し、新しい物にするとほっとします。

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シャネルホールで、永野光太郎さんのピアノを聴く

銀座シャネルホールで開催されるPygmalion Days に当選して、永野光太郎さんのピアノ演奏を聴いてきました。

曲目はどれも珍しく、初めて聴くものもありました。華麗なピアノ演奏に較べて、地味で無骨で、音を造り上げていくような演奏。イタリア、ドイツのバロック時代の作品は、あの万葉集のような素朴で、人間の愛憎を歌っている歌集のように懐かしいものでした。

プログラムには、たぶん初めての試みだと思いますが、楽譜が載っていて、それに見ながら演奏を聴きます。楽譜も手描きのもので、ピアノを習っていたものですが、譜面を追うのが難しい。その曲が最後まで演奏されると、本当に心が震える思いをしました。すてきでした。【クラヴサン曲集 より シャンボニエール氏のトンボー】

光野さんの技量のすごさは、後半でも発揮されます。バッハのフランス組曲をこんな演奏で聴いたのも初めてのこと。聞き慣れた旋律が、優美に、静かな哀しみをもって心に染みてきます。最後のアンコールでの、ショパンのノクターンもすばらしかったです。

わずか一時間あまりの演奏なのに、聴き終わった後の心の高揚感、幸せな時間を過ごせたという満足感。音楽って本来、ひとの心を癒し、そして、幸せな気持ちにさせるものです。

会場には偶然、知合いの方がいて、最後にその感想を共感しあうことができました。こちらも、幸せなひとときでした。
2012.11.15[ソワレ]演奏曲目

<J.S.バッハ>
ゴールドベルク変奏曲 BWV988より アリア
<G.フレスコバルディ>
トッカータ集 第1巻 より トッカータ第9番
<J.J.フローベルガー>
パルティータ FbWV622(グリム筆写譜)
アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグ(初期稿)
<J.H.ダングルベール>
クラヴサン曲集 より シャンボニエール氏のトンボー
<G.ベーム>
組曲 ヘ短調(メラー写本)より
アルマンド、クーラント、サラバンド
<J.S.バッハ>
フランス組曲 第5番 BWV816(ゲルバー写本)より
アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグ

アンコール
ショパン ノクターン

J.S.バッハとバロック時代の作曲家たちに焦点を当て、特に組曲(バロックダンス)の歴史について、解説を交えて進行します。今回は現代のピアノで、オ ルガン或はチェンバロの作品を演奏する事になりますが、M.プレトリウスが「心の中で思い浮かべようと、声に出して歌おうと、楽器で演奏しようと、神のお 言葉は神のお言葉である」と書いたように、バロック音楽を現代のピアノで演奏しても、作品本来の姿が失われる事はないと確信しています。
永野光太郎
(都立芸術高校後援会ブログより抜粋)

 

■追記 永野光太郎さんの演奏がサイトにあります。

時間がないとか、モノが足りないからと挫けそうになるとき

いつも元気ね、といわれるが、挫けそうになることもある。〆切の時間から逆算して、絶対に間に合わない場合や、必要なものが揃っていなくて、完成しないときなど、このままどこかに逃げてしまおう、真面目に考える。

それでも仕事が続いているのは、たぶんそれが好きなのと、お客様が喜んでくださるからだと思う。誰かのために生きている、もちろん、自分のためでもあるのだが、ひとりではなくて、いつも周りにいるひとたちに助けられている。飼っている猫に助けられることもある。

不足を並べ立てて、不満をいうひとよりも、できないことを何気なくこなして、感謝される人になりたい。時間がなくても、不思議と、効率よくできることもある。私の場合、限定された時間内だと、仕事がはかどる。時間は潤沢にあればいい、というものでもないらしい。

下手でもいいから、毎日続ける。毎日やっていると、段取りの工夫が見えてくる。自分なりのやり方を見つけて、それがうまくいったら、周りの人と共有しよう。

最近は、空を写真を撮って暮らしている。身近な風景がレンズを通して、一瞬を切り取ると、また、別の景色になる。当たり前のことは何ひとつない。毎日、雄大な夕日が沈み、オレンジ色の空が輝く。そんな秘密を知っている人は幸いである。

銀河英雄伝説@takarazuka

あの田中芳樹によるSF小説「銀河英雄伝説」が宝塚で舞台になるというので、楽しみに出かけた。宙組(そらぐみ)公演というのも、合いすぎる。

あの戦闘シーンをどうするのだろうと、考えていたら、大型モニターに映し出して、音と、光で表現する。物語は、皇帝もいい人過ぎるのだが、これは宝塚、きれいであればよい。宇宙版、ベルバラだと思った。男役がカッコいい、これはもう宝塚でしか表現できない公演だ。

宝塚はオリジナルよりも、どこかの原作を宝塚風にアレンジして、新しい美をつくりあげるのに、優れている。構成力が格段のうまさなのだ。

隣で観劇した女性は、涙を拭くのにタオルを用意していた。哀しい別れもあった。そして、最後には恒例のラインダンスがあって,レビューがあって、宝塚ファンの心を押さえている。二倍、楽しめるというところだろう。

スペースファンタジーにふさわしい内容だった。まだまだ物語は終わっていない。きっと、あと三回くらいは続編の公演があるだろう。それも楽しみだ。

《ドニゼッティ『愛の妙薬』》プレミア試写会に行ってきました

ぴあ映画生活で、当選した「METライブビューイング2012-2013」上映作品《ドニゼッティ『愛の妙薬』》プレミア試写会に行ってきました。

オペラは大好きですが、ライブビューイングは、初めてです。先日のスゴ本オフ、オペラの会で、室田尚子さんに薦められて、試写会に応募して、当選しました。こういう流れも新鮮でした。

今回は、オペラ初心者でも十分に楽しめるということで、事前学習もなく、気軽に出かけました。

ドニゼッティの原作を新解釈し、舞台設定を1836年として、イタリア統一運動を意識して、作られています。衣装などもそれに合わせて忠実に再現しているとのこと。
農場経営する女主人アディーナと、彼女をひたすら恋する純情な青年ネモリーノとの恋、最後までどきどきさせられます。

このニューヨークのメトロポリタン歌劇場(MET)は、企業や個人の寄付金で成り立っていて、わかりやすく、そして、豪華に楽しくがモットーのようです。つまり、だれが見ても楽しめる内容というわけ。

オペラが、難解だとか、台詞がわからないと思っている人は、字幕付きでみれば、普通の映画、ミュージカル映画と同じです。幕間には、インタビューがあったり、バックステージツァーがあったりと、飽きさせません。

指揮:マウリツィオ・ベニーニ 演出:バートレット・シャー
出演:アンナ・ネトレプコ、マシュー・ポレンザーニ、マリウシュ・クヴィエチェン、 アンブロージョ・マエストリ

一作品3500円、5000円というのは、本物のオペラを見ることに較べたら、オペラを体験するという意味で価値ある価格だと思います。そして、この「愛の妙薬」も今年最初の作品ということで、特にコメディより、ロマンスに重きを置いて演出しています。新解釈と書かれている作品は、すべて、そういう現代に合わせての解釈と考えていいと思います。

11/3から全国主要都市で、上演開始されましたが、特に初心者の方にお薦めします。その後で、本物の舞台をみれば、また、新しい楽しさを味わうことができるでしょう。予告編にもありますが、いくつか、見たい作品をメモしました。この冬の楽しみが1つ増えた気がします。

「花の役者 八代目市川團十郞の魅力」講演会に行ってきました

あの十二代目市川團十郎が、八代目を語る講演会ということで、主人とふたりで、出かけてきました。場所は大隈講堂ですが、座席数が1121席ということで、朝10時から、座席番号付きの整理券を配ります。

少し並んで、整理券をいただき、演劇博物館へと向かいました。こちらでは、この講演の元になる、八代目市川團十郞展が開催されています。それ以外にも,グローブ座の展示があったり、能楽の展示があったりと、興味深いところでした。

講演会は14時45分からなので、時間はたっぷりあります。そこで、神楽坂のフレンチを予約してでかけました。今回訪れたのは、ブラッスリーグー、コストパフォーマンスに優れたフレンチです。予約していかれるのをお勧めします。

お腹も満たされ、せっかくだからと、早稲田にある穴八幡神社を参詣しました。ここは、『一陽来復御守』で有名で、冬至の日には縁日も出てたいへん賑わいます。今日はしずかな境内でした。都心の中で、こういう空間はすてきですね。

さて、14時開場で、14時45分に團十郎さんの登場です。この役者さん、やはり華があります。講演は、八代目市川團十郞展の錦絵や、実母からの手紙などを中心に語られ、聞き手の木村涼(演劇博物館招聘研究員)さんが、的を得た問いかけをします。話の中に父十一代目の話が何度も出てきて、とても気になりました。すると、昭和37年の映像があるのです。十一代目の襲名披露の映像らしく、現團十郎も新之助で登場します。

十一代は男前と聞いていましたが、さすがです。この人の助六に人気が集ったのも当然のことといえますね。充実した一日でした。

「早川書房×東京創元社」の最強タッグな2本立てスゴ本オフに行ってきました

スゴ本オフ、実は昨年の10月からの参加で、常連といわれるほど、続いています。そんな中で、今日は「早川書房×東京創元社」という、ミステリー、SF好きにとって、垂涎の会にでかけてきました。

30人あまりの参加者が各自、二冊、四冊と持参した本。ほんとうに見事にばらけていました。007シリーズあり、プラウン神父あり、そして、銀河英雄伝説まで、とにかく幅広いジャンルを網羅していました。

スゴ本オフの1つ目の楽しみは、自分の知らなかったスゴ本を発見すること。私自身を例にとるなら、洋物は好んで読んでいるのですが、日本の作家がほぼ皆無。今回紹介された、『日の名残り』カズオイシグロ(ハヤカワepi文庫)、『京美ちゃんの家出』東野司(ハヤカワ文庫JA)、『百億の昼と千億の夜』光瀬龍(ハヤカワ文庫)、 『プリズム』貫井徳郎(創元推理文庫)など、興味津々。さっそく注文してしまいました。

そして、二番目の楽しみは、本が好きな人と出会えること。初めて参加でも、自分と同じ本を読んでいる人に出会えば、見知らぬ他人ではなくなります。今回もそんな出会いがありました。『武器製造業者』A・E・ヴァン・ヴォークト(創元SF文庫)を紹介したナオキくんとは、読書傾向が似ていて、話が尽きません。本が好きな人が、こんなに大勢集って、何時間過ごしても飽きないのは、当然だと思いました。

三番目の楽しみは、食べたり、飲んだり。会場には赤ワインやビール、コーヒー、緑茶などの飲み物と、お約束のアップルパイ、自家製パウンドケーキ、焼きおにぎり、ローストビーフの切れ端など、食べ物もどっさり。ブレイクタイムだけでなく、各自が適当に補給しながら、会が続きます。このリラックスした感じが、リゾート気分で、本について熱く語るという休日の午後の楽しみになっています。

四番目の楽しみ。それは,読む前に、よく調教されているサラブレッドを譲り受けたように、それに乗って、快適、あるいは、冒険、危険も伴う旅が楽しめるのです。本を選ぶという難所がすでにクリアされているので、ここに並んだ本を休憩のたびにページをめくって、ほしいものリストに加えればいい。これがラクチンで、快適で、時間に追われている現代人にぴったりきます。

最後は、会がおわってからの人脈、ヒューマン・ネットワーク。早川書房さん、東京創元社さんの中の人ともお友だちになっていただきました。また、この会で知合ったネットワークにいつも助けられています。1回が濃密な時間を共有するので、二三回同席すると、かなり親密な友だち関係が築けます。親戚付き合いと、わたしは思っています。

こんなすてきな会を企画してくれた、DainさんYasuyukiさん、そして、ツイッターで勢力的に実況してくれた根岸さんに感謝です。

■補足
13時から19時まで、みなさまの楽しいお話をお聞きして、スゴ本オフを満喫しました。

今日のスゴ本オフで紹介した本
1. 「私の中のあなた(上・下)」 ジョディ・ビコー 早川書房

2. 「原始の骨」 アーロン・エルキンズ     早川書房

3. 「クリスマスのフロスト」 R.D.ウィングフィールド 創元推理文庫

4. 「必然の結末」 ピーター・ロビンスン 創元推理文庫

いただいてきた本
「渚にて」 ネヴィルシュート 創元SF 新版で訳も時代に合わせて、大幅に見直したそうです。

自分に心地よいのがアートの鑑賞法

昨日、今日と展覧会や個展に行くことが続いた。昨日は上野、東京都美術館で行なわれていた第80回記念 版画展に出かけ、版画というイメージとは、全然別のアートの世界を見ることができた。

好きな色、好きな構図はなぜか決まっている。版画でも油絵でも、彫刻でも、日本画でも、自分の中のストライクゾーンがあって、心に響く出会いがある。アートの鑑賞法はいくつかあるが、自分に心地よいものを楽しむのが本来の意味ではないか。何も無理をしてわかろうとすることはない。心に語りかけるものを愛せばいい。他人や、常識や、平均に惑わされることなく、また、大賞とか、受賞作とかにも迷わされることなく、自分が好きなものを追いかけたらいい。

ロンドンに一年いた時、いちばんよく通ったのはテートギャラリーだった。あの灰色の雲に覆われたロンドンでは、印象派の柔らかい日の光が、どんなにか心を慰めてくれたことか。毎週のように通って、中に描かれているベネチアまで出かけたくらいだ。ルーブルだって、英国博物館だって、全部をみる必要はない。自分の好きな作品の前で、何時間も過ごせるのが幸せというものだ。

今日出かけた神代良明 展 ガラス  10月19日(金)-31日(水) 10月25日(木)休廊 千葉市

神代さんが最初に2004年 国際ガラス展・金沢2004 大賞を取ったときからの知合いだから、もう8年になるのか。彼もまた、一貫して、純白の発砲ガラスを追求している。今年はちょっと作風が変わって、柔らかさが出てきた。直球で勝負している人が、変化球もものにしたという感じ。初日に出かけ、一点連れてくることになった。

所詮、芸術は好きか、嫌いかだ。音楽もしかり。好きなものをとことん突き詰めて暮らせば幸いである。嫌いなものを好きになるように努力する必要はない。芸術とは、本来、うっとりと、心地よいものなのだから。

「オペラの館がお待ちかね」著者によるすごいオペラを紹介する会にいってきました

オペラ初心者向けにすてきな本「オペラの館がお待ちかね」を書いてくださった室田尚子さん。その本は、まるであの【お嬢様の目は節穴でございますか】という本に似ていて、一瞬少女マンガなのかと思ってしまいます。ところが、中身はひと味違っていて、オペラの体系をひとつの宮殿のように考えて、各部屋の扉を開けると,そこにはドラマが待っているという趣向になっています。
2012/5/19 室田 尚子著

オペラ初心者が、ストレスなくオペラを楽しめるように、予習の仕方や、劇場への入り方まで載っていて、親切です。その室田さんの解説で、DVDのハイライトを鑑賞しながらの3時間半、あっという間でした。

スゴ本オフのyasuyukiさんが、最初に読んで感激して、この人にオペラを紹介してもらおうと企画したものです。

1. 【アイーダ】 スペクタクルというか、大時代的というか、バレーあり、行列あり、メトロポリタンの演出は度肝を抜くようです。その中で、あの、凱旋の音楽が流れます。アイーダトランペットというのだそうです。
 1989年10月 メトロポリタン歌劇場、ジェイムズ・レヴァイン指揮

2. プラシド・ドミンゴによる【蝶々夫人】1970年代の作品なので、日本への理解が変。不可解な場面が次々と登場して、驚かされます。最近は、こんな演出はないので、希少版かも。
 74年にベルリンで行われた歌劇「蝶々夫人」の公演、カラヤン指揮

3. 【椿姫】ヒロインのステファニア・ボンファデッリは、いま一番の美人歌手だそうです。ほっそりしていて、病に倒れるというのも納得。息子を思い、説得する父と、彼女のやり取りが、ドラマのもうひとつの山場になります。
 2002年2月にブッセートで上演

4. 【カルメン】こちらは4時間にわたる大作ですが、有名な曲が多く、全編がハイライトのようなもの。まずは、カルメンのアリアを紹介します。ホセ役のカウフマン(ヨナス)は、若手のイケメンで、トスカにも出ていますね。カルメンは自立した女、悪女だけれど、潔い生き方をしたのだ思います。
 2007年にコヴェント・ガーデン王立歌劇場で上演

ここで休憩、重いものが続いたので、後半は軽めのオペレッタを中心に紹介してくれました。おやつもオペラの会にぴったりでした。

この後、自家製大学いももあったのですが、写真を撮る前に売り切れてしまいました。

 

 

 

 

 

5. ヨハン・シュトラウスの【こうもり】
ウィーンの新春を飾る有名なオペレッタです。指揮はあの貴公子カルロス・クライバーです。華やかなパーティシーン、そして繰り広げられる人間模様。みんなちょっとづつ嘘をついていて、それが観客にはわかっているので、よけいに面白い。
 1986年12月、バイエルン国立歌劇場

 
 
6. 【ホフマン物語】人形に恋するお話です。人形の動きぶりが、歌舞伎の人形役と通じるところがあって、面白かったです。
 パリ・オペラ座2002年

 
 
7. 最後が【ヘンゼルとグレーテル】
子どもが最初にみるオペラだと言われています。子どもたちは女性歌手、魔法使いのおばあさんが男性というのもおかしい。お菓子の家がちょっと違っているのもドイツだからでしょうか。
 チューリヒ歌劇場1998年

 
 
こうやって、オペラの見どころを解説付きで見ることができ、たいへん贅沢な時間でした。初めて見る人も、楽しめそうだと感じたようです。ここが大切な点ですね。オペラは、普通の音楽公演と較べて、お高いので、それなりに満足できる作品を選ばないともったいない。わたしのお薦めは、フィガロの結婚ですね。

今回、新しいことをたくさん教わって、さらに鑑賞が楽しくなると思いました。わかっていると、気がつくポイントがたくさんあるのです。
室田さんにはぜひ、続編もやっていただきたいと思います。そして、これだけ聴いていると、実際にオペラを見に行きたくなりますね。

地元でも、ソフィア国立歌劇場公演があるようで、日時があえば、行きたいなあと思いました。

最後にオペラの会で、ツイッターで情報を流してくれた根岸さんに感謝したいと思います。ありがとうございました。