南座、夜の部も充実でした

夜の部は、4時半開場で、終演が9時半、本当にたっぷりです。

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『仮名手本忠臣蔵 九段目 山科閑居の場』を京都で見るのは、興があります。一力茶屋もそうですが、物語の舞台になる場所でみるのが楽しいのです。

藤十郎の戸無瀬は、歌舞伎座でも見ていますが、なよなよした女の中に、きりりと光るものがあって、心を打たれます。今回、小浪役の壱太郎が休演で残念でした。これは、可憐な女形がやることで、哀しみが心に染みます。加古川本蔵役の幸四郎、似合っています。この人、男気というよりは、こんなやつしのような役が似合いますね。

『お祭り』は、ご存知、仁左衛門。こちらも国立劇場で見たのを思い出したました。お客様に愛されている役者だとよく分かります。

『鳥辺山心中』は、初めてみました。橋之助がいちずな武士半九郎を好演し、遊女お染 孝太郎に、真心を見せます。岡本綺堂作の新作歌舞伎なんですね。京都に上洛した旗本の菊地半九郎は、急に江戸に帰ることになり、馴染みになった遊女お染を苦界から救うため、所持する刀を売って代金に当てようとします。同僚坂田市之助はそのことを一蹴し、さらに彼の弟、源三郎にまで、放蕩ものとののしられ、些細なことから切り合い、殺めてしまいます。

お染と半九郎は、晴れ着に着替え、死に場所を求め、鳥辺山あたりまでやってきて、幕となります。

『爪王』こちらは二度目。歌舞伎座さよなら公演で見ています。今回、京都でみたものは、さらにバージョンアップされ、哀しさが極まっていました。七之助の演ずる吹雪という鷹が、美しい。少し痩せて、この役がぴったりと似合います。

吹雪は、最初、狐に破れ、血まみれて、ようやく家にもどります。しばし、身体を安め、春がきました。

鷹匠は、吹雪に獲物を恐れる鷹は王者では無いと言い、吹雪は再び大空へ舞い上がり狐に挑みます。鷹匠 亀蔵との信頼、そして、再度挑戦して、みごとに狐を打ち取るのです。たぶんこのあと、吹雪は、倒れると予想されます。それがまた、哀しかった。

あの若さで、これだけの役を演ずる七之助が楽しみです。

 

一、仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
九段目 山科閑居の場

本蔵妻戸無瀬    藤十郎
大星由良之助    梅 玉
大星力弥      扇 雀
本蔵娘小浪     壱太郎
由良之助妻お石   秀太郎
加古川本蔵     幸四郎

二、お祭り(おまつり)

鳶頭松吉      仁左衛門

三、鳥辺山心中(とりべやましんじゅう)

菊地半九郎     橋之助
遊女お染      孝太郎
坂田源三郎     亀 鶴
父与兵衛      松之助
遊女お花      七之助
坂田市之助     扇 雀

四、爪王(つめおう)

狐          勘九郎
鷹          七之助
庄屋         国 生
鷹匠         亀 蔵

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南座、昼の部を見てきました

毎年、この時期に京都にでかけています。暮れの慌ただしい時ですが、京のまちは、観光客も少なく、お正月を迎える人びとの素顔が見られます。今年も、南座の顔見世、昼の部、夜の部とたっぷり楽しんできました。

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今回、いちばん印象的だったのが、『藤十郎の恋』。禁断の人の女房との恋物語という演目をもらった、坂田藤十郎。このままでは、いつもと同じ芝居になってしまう、と悩み抜いて、20年前からの知合い、お梶に恋を仕掛け、その反応を確かめます。偽りのようで、実は本物の恋かもしれないと、見ている方もどきどきします。

二人きりの部屋で、お梶が前掛けを外し、行灯の灯りを消して、恋に進むというとき、藤十郎はひとり去っていきます。そして、その時のお梶の様子を芝居に反映させ、芝居は連日、大入りを続けます。その楽屋に当のお梶が現れ、藤十郎が芝居のため、自分に恋を仕掛けたのだと知ってしまいます。もちろん、すべてが偽りというのではなく、本気が見え隠れしているから、始末が悪いのです。お梶は、「たとえ、芝居の稽古のためといっても、藤十郎さんに恋を仕掛けられる女子は、幸せ者」と答え、最後には自害してしまいます。芝居のために女ひとりを犠牲にして、動揺しながらも、舞台に向かう藤十郎、芸の道の厳しさを感じます。

扇雀と孝太郎のコンビが、江戸の風情を感じさせて、どこかでこんな情景があったのもかもしれないと、思わせました。役者の業のようなものが感じられてよかったです。

『恋飛脚大和往来 新口村』は、亀屋忠兵衛 梅玉 と、傾城梅川  秀太郎の二人が練れていてよかったです。道行きはある程度の経験を積んだ役者だと、深みが出て、人生の哀しさ、儚さがよくわかります。孫右衛門の我當も、足元もおぼつかない中、手を引かれての熱演でしたが、却って哀しさが、やり切れなさが伝わってきます。

『祗園一力茶屋の場』 大星由良之助は仁左衛門という豪華な役回。安定した演技の中に、遊蕩にふけながら、主君を思う心の一途さを感じました。七之助のお軽は、愛らしく、素直な心が出ています。兄の寺岡平右衛門を演ずる勘九郎も、水を得たように熱演し、二人のやりとりをみていると、亡き勘三郎も応援しているだろうなと思ってしまいます。

終演後も、芝居の余韻が残っていて、鴨川の夕暮れを眺めながら、少し歩きました。

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昼の部

一、玩辞楼十二曲の内 藤十郎の恋(とうじゅうろうのこい)

坂田藤十郎    扇 雀
座元若太夫    亀 蔵
幇間久古     松 江
中村四郎五郎   亀 鶴
袖崎源次     壱太郎
仙台弥五七    松之助
霧浪千寿     吉 弥
澤村長十郎    錦 吾
宗清女房お梶   孝太郎

恋飛脚大和往来
二、新口村(にのくちむら)

亀屋忠兵衛    梅 玉
傾城梅川     秀太郎
才造       松 江
忠三女房おしげ  歌女之丞
万歳       進之介
孫右衛門     我 當

新皿屋舗月雨暈
三、魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)

魚屋宗五郎     幸四郎
磯部主計之助    橋之助
磯部家召使おなぎ  高麗蔵
小奴三吉      亀 鶴
鳶芳松       廣太郎
菊茶屋娘おしげ   廣 松
父太兵衛      錦 吾
家老浦戸十左衛門  友右衛門
宗五郎女房おはま  魁 春

十八世中村勘三郎を偲んで
四、仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
七段目 祗園一力茶屋の場

大星由良之助     仁左衛門
遊女お軽       七之助
大星力弥       壱太郎
矢間重太郎      国 生
鷺坂伴内       松之助
富森助右衛門     亀 鶴
赤垣源蔵      松 江
斧九太夫       亀 蔵
寺岡平右衛門     勘九郎

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「通し狂言 伊賀越道中双六」を見てきました

国立劇場、12月歌舞伎公演は、「通し狂言 伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)」。こちらは、44年ぶりに上演されるという貴重な作品です。

剣豪・荒木又右衛門(あらきまたえもん)(劇中では唐木政右衛門(からきまさえもん))が活躍する伊賀上野の仇討ちを題材とした〈伊賀越物〉の中でも、近松半二が書いた『伊賀越道中双六』は最も名高いもののひとつで、「沼津」と「岡崎」と呼ばれる二つの場面が大きな山場となっています。

今年の七月、大阪松竹座で、「沼津」を見ました。こちらは、藤十郎が呉服屋十兵衛役。今回の通し狂言で、ようやく全体の意味がわかりました。男たちは、仇討ちという大義に人生をかけ、その陰で妻や子ども、若い娘たちが、じっと耐え、涙を堪えているのです。国立劇場だからできた演目なのかもしれません。

吉右衛門演ずる、唐木政右衛門という男の生き様、わが子を手にかけることで、仇討ちを成し遂げようとする。雪の中に愛する妻が震えていても、莨(たばこ)の葉を刻みながら必死で動揺を抑えようとする。それは、ひとえに仇討ちのための覚悟。こんな理不尽な、非情なことがと思いながらも、人間の業のようなものを感じました。

暗い色調の舞台で、米吉が演ずるお袖、可憐で愛嬌があって、引きつけます。この人はお姫様も町娘も演じられる女形ですね。これからの芝居が楽しみ。

この日は、幸運なことにバックステージツアー付きで、終演後、舞台に上って案内していただきました。回り舞台に乗り、実際に回転する速度を感じたり、役者さんも通る舞台の地下にあるセリや花道のしたのすっぽんなどを見学してきました。

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黒御簾の中から、客席がよくみえます

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ぶら下がっているのがタバコの葉。こちらを刻むのです。

舞台をみたあとに実際に使われたセットを拝見して、ますます、歌舞伎をみるのが楽しみになってきました。このような機会があれば参加したいですね。

 

通し狂言伊賀越道中双六 (いがごえどうちゅうすごろく) 五幕六場

序  幕 相州鎌倉 和田行家屋敷の場

二幕目 大和郡山 誉田家城中の場

三幕目 三州藤川 新関の場
同  裏手竹藪の場

四幕目 三州岡崎 山田幸兵衛住家の場

大  詰 伊賀上野 敵討の場

(出演) 参考サイト
中村 吉右衛門  唐木政右衛門
中村 歌六    山田幸兵衛
中村 又五郎   誉田大内記・奴助平
尾上 菊之助   和田志津馬
中村 歌昇
中村 種之助
中村 米吉    幸兵衛娘お袖
中村 隼人
嵐 橘三郎
大谷 桂三
中村 錦之助   沢井股五郎
中村 芝雀    政右衛門女房お谷
中村 東蔵    幸兵衛女房おつや

ほか
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スゴ本オフ忘年会「コスプレで今年のイチオシなスゴ本を語ろう!」

スゴ本オフは、文字通り、すごい本を持参して、紹介しあう会です。だれでも参加できますし、どんな本を紹介してもいいのです。最近はDVDやCDもありです。

でも、参加されるメンバや、持参するお料理やお菓子によって、豪華なパーティ付きの本の発表会に、大化けします。今回は、その幸運な会でした。
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3kgのローストビーフを焼いて、タクシーで持ってきてくださる方や、自家製パンやクッキーなど、忘年会にふさわしい華やかな幕開けでした。美味しいものがたっぷりあると、自然に口が滑らかになって、初めての方も楽しく、本を紹介していました。
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本は、これ以外にもあって、発表については、ズバピタさんのまとめをご覧ください。

わたしが興味をひかれたのは、男女の機微をうまくとらえた作品を紹介してくれる方の「危険な関係 (角川文庫)ラクロ」と、イギリスの貴族の物語「エドワーディアンズ」。
しゃべったり、食べたり、飲んだり、近くの人と近況報告したり、濃いような明るいような不思議な時間が過ぎていきます。

渋谷の10階というのもすてきなロケーションで、移り行く空の風景も未来的。HDEさん、お世話になりました。
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今回は、コスプレ付きということで、タイガーや牛もいました。弓道部女子、学園女子、バンバイヤ・ファミリなど、紹介する本に合わせる人も、ぜんぜん違うひともいて、この緩やかさがいいです。参加者の中に、着物女子が4人もいたのはうれしかったです。本の会に、着物というのは合いますよ。

最後は放流された本をジャンケンで勝ち取っていきます。自分が持参した本とは全然違う、昨日まで知らなかった本をもらって帰るのが、うれしいですね。

今回持参した本は二冊。

『江戸文学を選び直す』井上 泰至・田中 康二 (編集)  笠間書房
今、わたしたちの知っている江戸文学は,近代の目からみて、すくい上げやすいものを、選んだだけなのではないか。別の視点からみたとき、もっと豊富な題材がありそう。それを現代語訳付きで紹介している。江戸文学再発見は楽しい。


『ポアロのクリスマス』アガサ・クリスティー ハヤカワ文庫
1938年作の作品だから、クリスティーの脂ののった時期の作。
マクベス、クリスマス・キャロルのパロディもあって、「クリスマスにはクリスティー」という名フレーズが全編に漂っている。

次回は歴史というテーマになるそうです。何を持参するのか、考えなくちゃと思いました。

十二月大歌舞伎を見てきました

12月は、芝居三昧の月。歌舞伎座と、国立劇場で通し狂言をみて、年末は京都南座で顔見世を見ることになっています。

十二月大歌舞伎」を見なければと思ったのは,夜の部で、通し狂言 雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)を上演するからです。

歌舞伎十八番の『毛抜』『鳴神』『不動』の3演目は、1742年に初演された『雷神不動北山櫻』のうちの一幕として上演された作品。この『雷神不動北山櫻』は、これまで何度も上演されてきましたが、今回、歌舞伎座では初めてとなります、とのこと。以前に團十郎でみたのは、国立劇場でした。

こういう特別公演は、次がないですから、見ておこうと思います。海老蔵が5役勤めますというのも初めてのこと。演出は国立劇場版と較べて、派手で豪華です。

どっしりと重厚な役者はいないので、役者の可愛らしさ、姿のよさは大切になります。さすがに『鳴神』は、玉三郎が雲の絶間姫ですから、基本を踏まえていますが、ふたりの恋のやり取りが、どうも世話物に見えてしまう。

三階の前列には、高校生の団体が並んでいて、こういう濡れ場をどう鑑賞するのだろうかと、気になりました。昔の高校生のための歌舞伎鑑賞講座は、『毛抜』が定例でしたが、今どきは、『鳴神』まで見せるのですね。

海老蔵は、頑張っていたと思います。色気もあるし、優男も悪もできるのは、すてきなことです。あとは、口跡よく話せれば、鬼に金棒でしょう。隣にいた年配の方々が、スーパー歌舞伎みたいに、きらきらとすごいと、いっていましたが、猿之助一門の役者も大勢出ているので、スーパー歌舞伎風に見えてしまうのですね。

重い題材の歌舞伎もあれば、どろどろした情念の歌舞伎もあります。上方の伝統を守り、今に繋げる役者もいます。そういう多様化する歌舞伎を、それぞれのよさを感じながら、楽しむ時期なのだと思います。近いうちにまた、再演してほしいですね。


通し狂言 雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)
市川海老蔵五役相勤申し候

序 幕 第一場 神泉苑の場
第二場 大内の場
二幕目     小野春道館の場
三幕目 第一場 木の島明神境内の場
第二場 北山岩屋の場
大 詰 第一場 大内塀外の場
第二場 朱雀門王子最期の場
第三場 不動明王降臨の場

鳴神上人・粂寺弾正・早雲王子・安倍清行・不動明王   海老蔵 (五役)
文屋豊秀           愛之助
小原万兵衛実は石原瀬平   獅 童
小野春道          市川右近
白雲坊           亀三郎
黒雲坊           亀 寿
小野春風           松 也
秦秀太郎           尾上右近
錦の前           児太郎
八剣数馬/こんがら童子   道 行
腰元巻絹           笑三郎
八剣玄蕃/せいたか童子   市 蔵
関白基経           門之助
秦民部           右之助
雲の絶間姫         玉三郎

公演日: 2014年12月2日(火) 16:30

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「チャールダーシュの女王」を見てきました

東京二期会主催の「チャールダーシュの女王」を見てきました。場所は日生劇場。こじんまりとしていて、オペラハウスとしてぴったり。

家にDVDはあるのですが、オペレッタだし、馴染みのある音楽ばかりなのでと、今回がほぼ初見。予想に反しての驚きが多く、楽しかったです。

何といっても衣装の豪華なこと。シルヴァ役の醍醐さんが着ている洋服は、以前に見たプラダのギャッツビー展の衣装をしのいでいます。みんなが踊ること、跳ねること。一幕の幕間に、ここは、宝塚劇場だったかと、錯覚するくらい。

オペラ歌手の踊りとしては、みんな頑張っていますが、ミュージカルのスターに較べると、切れ味が少し甘い。そのかわり、歌はすばらしいのです。これは、どう鑑賞すべきかと、かなり迷いました。

いちばんの儲け役は、ボニ役の高田正人さん。もてもてで、貴族で主人公のエドウィンの従兄弟。最後の大団円まで、舞台の狂言回し兼、いい男振りを見せます。高田さんの人柄のよさもじんわり出ていて、役者として成功だったと思います。

エドウィン役の古橋郷平さん。最初は控えめだったのが、第二幕でウィーンに戻ると、水を得た魚のように、舞台を縦横に泳ぎ回っていました。ひとりの女の人に、揺るがぬ愛を持ち続けるというところがすてきです。

シルヴァ役の醍醐園佳さん。きれいな方で、意志の強さをしっかりと見せてくれます。今でいうキャリアパーソンなんですね。才能があって、恋も知っていて、でも身分違いだからと、身を引こうとする。「僕には出来ない まだ愛してる あなたは、大人の振りをしても、別れるつもり」と、安井かずみの《危険なふたり》の歌詞が浮かんできます。エドウィンのほうが、23、4歳とたぶん年下なのでしょう。彼女が羽織っている毛皮のついたガウン、どこで売っているのでしょう。欲しいです。

エドウィンの幼なじみで許嫁のシュタージ、青木エマさんは、モデルのように可愛いいです。ヨーロッパには、こんな女性がいるなあ、と思わせてしまいます。控えめでもなく、自分の意見はきちんという、現代っ子ですね。

そして、ブダペストの劇場のフェリ、彼も過去に身分違いの恋をして、諦めたことがあるのです。さて、この二組の恋人たちは、幸福なエンドになるのか、最後まで、はらはらさせられます。

今回の指揮は、めずらしいと思いますが、女性で、三ツ橋敬子さん。小柄な方ですが、エネルギッシュに指揮棒を降っていました。見ていた席が、オーケストラピットを見渡すことができて、繊細な演出を身近に眺めることができました。

ダブルキャストだったので、もう一組も見たかったですね。ぜひ、再演をお願いします。

オペレッタ全3幕
日本語訳詞上演
台本:レオ・シュタイン及びベーラ・イェンバッハ
日本語訳詞:池田直樹
日本語台本:田尾下 哲
作曲:エメリッヒ・カールマン
会場: 日生劇場
公演日: 2014年11月26日(水) 14:00

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イタリア文化会館で、映画上映会 “Torneranno i prati” (緑はよみがえる)

【今年は第一次世界大戦開戦から100年です。11月4日のイタリア戦線休戦協定を記念して、大戦末期のイタ リア北東部の戦線を舞台にしたエルマンノ・オルミ監督の映画“Torneranno i prati”(緑はよみがえる)の特別上映会を行います。

当時、アジアーゴの高原で、出身地も社会的階層も異なるイタリア兵士たちが、過酷な状況のなかでオーストリア軍と塹壕での戦いを繰り広げていました。作品では実際に起こった出来事をもとにした兵士たちのある一夜が描かれています。】

2014年, イタリア, 80分
イタリア語版英語字幕付(日本語字幕はありません)

【イタリア大統領府推進企画
同作品は世界100か国で、11月4日に特別上映されます。】

ということで、イタリア文化会館まで出かけてきました。会場には、イタリア人が多く集っていて、関心の高さを感じました。日本人にとって、第一次世界大戦というのは、あまり意識したこともなく、このようなイベントが世界100カ国で開催されているというのにも驚かされました。

内容は心理描写や、その人たちの出身階級、家族など、ごく普通のことなのですが、死と背中合わせの中での、会話には心が震えました。数分間の爆撃によって、人は死に、記憶は途絶えるのです。家族からの手紙も、受け取る人がいない。

コメディでもなく,ロマンスでもないイタリア人の生き様のようなものをみて、戦争反対を強く意識して戻ってきました。日頃意識していない、平和を守ることを改めて感じました。

Bunkamuraで、ラ・ボエームを見る

オペラは大好きですが、Bunkamuraで見るのは、久しぶりでした。

Bunkamura25周年記念 藤原歌劇団創立80周年記念公演 プッチーニ作曲 オペラ4幕<字幕付き原語上演> 「ラ・ボエーム」。長いタイトルが付いていますが、舞台の幕が上がると、そこはパリの屋根裏部屋。油絵タッチの重厚な舞台です。

これまで、シンプルな、ミニマムの舞台が続いたので、まず圧倒されます。大勢の人、子どもたち、パリの雑踏をうまく演出していました。

主役のミミを演ずるバルバラ・フリットリの見事な歌唱力。あの時代のお針子で、そして、愛する人を思う気持ちが素直に伝わってきます。哀しさも喜びも表現する歌声がすばらしい。ミミは、可愛い女で死ぬのです。

事前に岡山廣幸さんの作品解説があって、時代背景がよく理解できました。あのワーテルローの戦いで、ナポレオンが破れ、その空白の時期のパリの様子なのです。

ロドルフォ役の、ジュゼッペ・フィリアノーティも切ない恋心をうまく表現していました。貴公子ですね、この方。二人が舞台に出るだけで、日本にいることを忘れさせます。

堀内康雄さんのマルチェッロ、期待の新鋭小川里美さんによるムゼッタ。このふたりのコンビもよかったです。小川さんは歌唱力のある人ですが、今回は、蓮っ葉な役から、心の優しい娘役まで、その心の変化を自然に演じていました。今回から藤原歌劇団に入団とのことですが、堂々としていて、立派でした。堀内康雄さんは、わがままも、友情も、すべてを受け止めて、男らしさに溢れていました。

渋谷でみたオペラなのに、パリの街角に立っているような感覚があります。プッチーニの名作といわれる「ラ・ボエーム」の魅力なのかもしれません。

 

プッチーニ:オペラ4幕「ラ・ボエーム」<字幕付き原語上演>

スタッフ

総監督:岡山廣幸
指揮:沼尻竜典
演出:岩田達宗

出演

ミミ:バルバラ・フリットリ(11/1、3)/砂川涼子(11/2)
ロドルフォ:ジュゼッペ・フィリアノーティ(11/1、3)/村上敏明(11/2)
ムゼッタ:小川里美(11/1、3)/伊藤 晴(11/2)
マルチェッロ:堀内康雄(11/1、3)/須藤慎吾(11/2)
ショナール:森口賢二(11/1、3)/柴山昌宣(11/2)
コッリーネ:久保田真澄(11/1、3)/伊藤貴之(11/2)
ベノア:折江忠道
アルチンドロ:柿沼伸美
パルピニョール:岡坂弘毅

合唱:藤原歌劇団合唱部
児童合唱:多摩ファミリーシンガーズ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

公演日程 2014/11/1(土)、2(日)、3(月・祝) 15:00開演

会場 Bunkamuraオーチャードホール

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「ぐるなび試食会 東京 第二部」に参加しました

ぐるなび食市場のアフェリエイト会員ですが、毎月、試食会などのイベントがあります。今回は、新しい食材ということで、出かけてきました。

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宝寿茶(野草茶)左、と、なたまめ茶 右。どちらも、のどごしよくいただけました。食会に水は付いていますが、温かなお茶がでるとうれしくなります。

今回は珍しい食材も多く、おやつにぴったりというものが並んでいました。
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シュー生地を揚げてラスクにしたもの(左)、電子レンジで温めるだけで熱々のピロシキになるもの(右)。

いろいろと食べてみて、よさが分かるものが多いです。自分では買わないだろうと思う食材も、試してみてうれしかったです。

他にもお米や、お煎餅などがたくさん。同じテーブルの方ともシェアして、味わいました。

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北鎌倉、そして、横須賀でオペラを聴く その2

千葉からは、逗子行きはよく出ていますが、横須賀行きは本数が限られています。北鎌倉からですと、大船発の電車もあって、接続もよかったです。

横須賀オペラは、16時開始なので、14時55分の横須賀行きに乗り、海辺を少し歩きました。北鎌倉は、山を切り立った場所にあり、横須賀は目の前が海という、自然に富んだ景観を楽しみました。 横須賀の海は、青森の海に似ています。

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開場の時間に合わせて、海の見ながら遊歩道を歩きました。風が強くて、日傘が役に立ちません。家族連れも恋人たちも、海辺にたくさん集っていました。今日は休日なんですね。

オペラは、初めての作品なのですが、楽しいオペラといわれて、ほぼ初見で臨みました。

あらすじはこんな感じ

歌劇 「泥棒とオールドミス」(全1幕) The Old Maid and the Thief

台本・作曲 : ジャン・カルロ・メノッティ
舞台初演 : 1941年2月11日フィラデルフィア歌劇団

ストーリー

オールドミスのミス・トッドの家に風来坊の青年ボブが訪ねてきた。ミス・トッドと女中レティーシャは、彼の美しさにころりとまいって彼を泊めること になった。ところが、街に逃げ込んできたという脱獄した凶悪犯とボブの人相がそっくりと知り、あわてるミス・トッド。それでも彼に居てほしいがために、嘘 や盗みを重ねて彼に尽くす。だが、肝心のボブにはその気はない。やがて、ミス・トッドはボブに「一緒に逃げよう」と迫るが、それも断られ、自分の悪事を彼 のせいに仕向けようとする。そんな中、レティーシャとボブはミス・トッドの財産をすべて持ち出して…。

■出演
ミス・トッド 金子美香
ミス・ピンカートン 小川里美
レティーシャ 吉原圭子
ボブ 与那城 敬

 二時間足らずの一幕なのですが、文句なく楽しい。笑えます。舞台はオールディズ。二人のオールドミスが、お茶を飲みながら、なんども、ひどい天気、といって、退屈を持て余している様子。それからドラマが始まりました。

歌唱力もすてきなんですが、衣装が可愛い。オールドファッションですが、どこか懐かしい。お芝居も、歌も楽しみながら、あっという間の一幕でした。みなさま、本物の役者のように演技がうますぎる。オペラ歌手というのは、本当に引き出しがたくさんあって、芸達者なかたばかり。演出の彌勒忠史さんの力も大きいですね。

すてきな一日になりました。

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