Bunkamuraで、ラ・ボエームを見る

オペラは大好きですが、Bunkamuraで見るのは、久しぶりでした。

Bunkamura25周年記念 藤原歌劇団創立80周年記念公演 プッチーニ作曲 オペラ4幕<字幕付き原語上演> 「ラ・ボエーム」。長いタイトルが付いていますが、舞台の幕が上がると、そこはパリの屋根裏部屋。油絵タッチの重厚な舞台です。

これまで、シンプルな、ミニマムの舞台が続いたので、まず圧倒されます。大勢の人、子どもたち、パリの雑踏をうまく演出していました。

主役のミミを演ずるバルバラ・フリットリの見事な歌唱力。あの時代のお針子で、そして、愛する人を思う気持ちが素直に伝わってきます。哀しさも喜びも表現する歌声がすばらしい。ミミは、可愛い女で死ぬのです。

事前に岡山廣幸さんの作品解説があって、時代背景がよく理解できました。あのワーテルローの戦いで、ナポレオンが破れ、その空白の時期のパリの様子なのです。

ロドルフォ役の、ジュゼッペ・フィリアノーティも切ない恋心をうまく表現していました。貴公子ですね、この方。二人が舞台に出るだけで、日本にいることを忘れさせます。

堀内康雄さんのマルチェッロ、期待の新鋭小川里美さんによるムゼッタ。このふたりのコンビもよかったです。小川さんは歌唱力のある人ですが、今回は、蓮っ葉な役から、心の優しい娘役まで、その心の変化を自然に演じていました。今回から藤原歌劇団に入団とのことですが、堂々としていて、立派でした。堀内康雄さんは、わがままも、友情も、すべてを受け止めて、男らしさに溢れていました。

渋谷でみたオペラなのに、パリの街角に立っているような感覚があります。プッチーニの名作といわれる「ラ・ボエーム」の魅力なのかもしれません。

 

プッチーニ:オペラ4幕「ラ・ボエーム」<字幕付き原語上演>

スタッフ

総監督:岡山廣幸
指揮:沼尻竜典
演出:岩田達宗

出演

ミミ:バルバラ・フリットリ(11/1、3)/砂川涼子(11/2)
ロドルフォ:ジュゼッペ・フィリアノーティ(11/1、3)/村上敏明(11/2)
ムゼッタ:小川里美(11/1、3)/伊藤 晴(11/2)
マルチェッロ:堀内康雄(11/1、3)/須藤慎吾(11/2)
ショナール:森口賢二(11/1、3)/柴山昌宣(11/2)
コッリーネ:久保田真澄(11/1、3)/伊藤貴之(11/2)
ベノア:折江忠道
アルチンドロ:柿沼伸美
パルピニョール:岡坂弘毅

合唱:藤原歌劇団合唱部
児童合唱:多摩ファミリーシンガーズ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

公演日程 2014/11/1(土)、2(日)、3(月・祝) 15:00開演

会場 Bunkamuraオーチャードホール

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