迷うことは、よいこと

悩みのないことが悩みという人もいるが、人は成長しようとするとき、しばし悩むものだ。知人からいわれたことだが、草花は悩まない、大木は悩むという。だから、悩むことは、大きくなるための必要な儀式というわけだ。

毎日が慌ただしく過ぎていく中で、ぽっかりと空いた真空のような時間がある。そんなときは、これまでの自分の過ごし方などを考えてみるとよい。すぐに答えがみつからなくても、そういう時間を過ごしたことが大切なのだと思う。

悩んでも、解決できそうもない大きな宿題を見つけたら、それは神様からのギフトだ。すべてがうまくいくまで、預けられた貯金のようなものである。だから、人生は面白い。

長期プラン、短期プランを立ててみる

外資系では、三ヶ月ごとの目標があって、それを達成することが基本だった。その反面、後ろは決して振り向かないという前向きな集団だった。

仕事をする上では、やはり、長期プランと短期プランを組み合わせて、成果を出すことが大切だと思う。一年の始まりはいくつかの時期があって、たとえば、1/1、これは元旦だけでなく、いろいろなことをリセットできる日なのだ。

他にも4/1、これまでの煩わしい事柄をいったんリセットして、新しい気持ちで何かを始めることができる。他には黄金週間の連休明けの5/6くらいがチャンスだ。

これまでのやり方に囚われることなく、新しい仕組みに挑戦する。いままでのやり方で得た利益や成果には目をつむって、別のことから始めてみるのだ。これは楽しい。

社長の仕事は、新規ビジネスを探してくるようなところにあるが、その際にはリスクも踏まえて考えよう。リスクがあることは、飛躍するための必要な条件だから、怖れることはない。万一のための逃げ方さえ、決めておけばうまくいく。

短期プランを立てるのはうまいのに、5カ年計画が作れない人がいる。マーケットの規模や、何に注力したらわからないというのだ。そのシナリオがかけるのが経営者ではないか。

決算書のチェックも大切な仕事

ふだんはおおまかにやっているお金の出し入れも、一年間をまとめてみると、ずいぶんと偏っていることが分かる。

いまは便利な会計ソフトがあるから、専任の担当もいらないが、決算報告書をつくるための出納帳のチェックは、自分の仕事だと思っている。

どの時期にどんな仕事をしているのか、コストがどれくらいかかっているのかを見ていると、仕事の配分という言葉が浮かんでくる。全体が見渡せると、経理の仕事も面白い。決算書は会社の通信簿のようなものだから、試算表を見せられるとどきどきする。

わくわくやどきどきがたくさんあると、人は元気になるようだ。

一年前に何をしていたか、振り返ってみると

会社の決算書作成のために、2006年の会計報告などチェックしていたら、面白くなって読み始めてしまった。

一年前の今頃は、何をしていたのか、どんなセミナに参加して、企画して、応援していたのか。ほとんどが記憶のかなたにあるのだが、数字とメモから、突然、人の顔が蘇ってくる。

あの人は、この頃からの知り合いなのだ。あのセミナに夢中になって通っていたなあなどと、懐古モードに入りながら、でも、大切ことはチェックしている。

この企画はこの時期から始めていたのか、今年も準備を始めようなどと、気になることをリストアップしてみたら、仕事のプランニングもできてしまった。

普段は前しか向いて暮らしていないが、たまにはこうやって過去を振り返るのもいい。愉しいので、夢中にならないようにして、仕事に役立てよう。

お客様に教えられるセミナの講師

本業とは別にほとんど、社長の道楽で、ビジネスセミナを開催しているが、毎回、感じることは、お客様から教えられること多しということ。

こちらはお金をいただいている以上、何十倍も勉強して、資料を用意し、臨むのだが、お客様の意識が高いときは、はっとするような観点を指摘される。まるで、お金を貰って講師が勉強させていただくようなものである。

そのお客様に共通することは、仕事に対する熱意、真剣さで、相手にストレートに伝わってくる。ここでの意思決定が会社の命運を大きく変えるような、そんな思いが感じられる。

お客様から、要望や、希望や、ときにはわがままも言われて、でも嬉しいのだ。関心のない方はなにもいわないから、苦情でもいわれたら、解決することができる。

仕事というのはほんのわずかな偶然と努力と、そして人間関係からなっている。能力があっても、それを活かすには人の力が必要だ。先週のセミナでは、つくづくとそのことを感じた。

転職・就職には特殊関係資産を活用しよう

ビジネスを行なう上で、仕事の能力や、成果の他に大切なものがある。それは、【特殊関係資産】だ。この言葉は、柴田励司さんのセミナで教わった。

【特殊関係資産】とは、簡単にいうと、決してマニュアルや社内規定には書いていないが、力をもつ関係を指す。具体例をあげると、社長と同じ高校の同窓生とか、経理で必ず承認してくれる人を知っているとか、あるいは、人事部長と長唄の会で一緒とか、である。アメリカのドラマにあるような、妻が社長の娘、なども特殊関係資産になるだろう。

さて、これはどんなときに生きてくるのか。実際の例で話してみよう。

米国から企業のトップが極秘で日本のお客様を訪問することになった。それを事前に知っていたら、いろいろな準備ができる。

ヒ ントは、身近なところにある。たとえば、清掃会社従業員から、急に駐車場をきれいにして、ダンボールを片付けるようと指示されたと、聞く。次いで、営業部 の自動車部門担当者から、専用機に同行する話を耳にする。この二つから類推して、誰が日本訪問をするのか、何の調印式をするのかが分かる。

後はマーケティング部門の担当者が全員業務発表をすることになる、というシナリオが描ける。発表資料作成に少し時間がとれれば、内容の手直しもリハーサルもできる。トップに気に入ってもらう内容も作れるだろう。

このいう小さな積み重ねが、大きな力を発揮する。外資系にいて、クビにならずに生き残るには、こういう工夫が大切なのだ。

経営者の目、従業員の目

毎月、都内某所で経営者だけの集まりがある。参加条件は社長であること。中小企業でもいいから社長なのだ。

ここで毎回交わされる話は、オフレコのものが多いが、中にはみんなで共有したいノウハウもある。決定的に違うのは、たとえ専務といえども、副社長といえども、給料を払う側と、貰っている側では、乗り越えられない溝があるということ。

も ちろん、会社というのは経営陣がいて、社長ひとりが苦労するものではない。だが、資金繰りや、年率何パーセントでいくら借り入れたらいいのか、用地転売、 用地確保、支店新設などの、原案や決定権は、やはり社長にある。なんといっても、その会社を引っ張っていくひとなのだから。

三年前に独立するまでは、大企業にいて、なんでもできると思っていた。だが、実際に自分の会社を始めてみると、たくさんの責任があることに気づく。これはやってみなければわからない。

そして、唯一の情報交換は、このような経営者だけの集まりなのだ。どこにも本音はいえないから、ぼそっと相談してみる。弊社はまだひよこ社長なのだが、それでも、三期すぎるとずいぶんと景色が見えてきた。

起業を考えている方は、まず、視点を変えること。そこからすべてが始まるような気がする。

連休の合間に仕事する

外資系で働いていたとき、連中の合間はいつも会社に出て仕事をしていた。基本は人の休んでいるとき、働くことと決めて、お盆休み、年末年始は必ず会社にいた。外資の休みは日本の休みと違うので、お盆もないし、クリスマス休暇のあとは1/2から仕事が始まっていた。

この間、溜まっていた仕事を片付ける。電車は空いているし、人は少ないので、仕事がはかどる。フレックスタイムを使って、10時から15時までの勤務もできる。各部から必ず担当者が出社することになっていたから、みんなからも感謝され、いいことづくめだった。

そして、替わりに夏休みや春休みはしっかりと取る。子どもに合わせて、7/19から二週間くらいヨーロッパに出かけた。この間の仕事は、前倒しでやらなければならないが、楽しいことが待っていると思うと力も入る。

こ うやって、いつも楽しいことがあって、その合間に仕事をしていたような気がする。会社と家を往復し、家では眠るだけ、という時期もあったが、週末は家族 揃って海辺の町で暮らした。呼び出しがないように、敢えて携帯電話は持たず、連絡しても留守電というような策はとっていたが、こうでもしないと、外資系で は身が持たない。休暇の時期が違うから、当然の権利なのだ。

人と同じことをしない、敢えて逆らってみるというのも必要。そのときの経験が、後になって役立ってくることが多い。仕事は量よりも質、そして、人間の幅が深さになる。

黄金週間の過ごし方で、その人の人生が変わる!?

はじめまして、藤原真由美です。
外資系企業に長年勤務し、今の時期は新入社員の研修のお手伝いをしていました。独立した今、新人研修の忙しかった日々が懐かしく思い出されます。

その替わりに、ここでみなさまの何かお手伝いができたらと思います。よろしくお願いいたします。

さて、タイトルの【黄金週間】、どんな計画を立てられていますか。海外旅行、国内のツーリング、映画館、コンサート、ビール工場見学、食べ歩き、スポーツクラブ、友だちと会う、ショッピング、書き出すとキリのないくらい、たくさんありますね。

もし、あなたが会社に35年勤務するとしたら、毎年の黄金週間を8日間として、全部で280日間、9ヶ月分くらいになるのです。こんなに時間があったら、何かできそうですね。

わたしは毎年、一つのテーマで過ごしています。今年は【イタリア映画祭】に出かけます。イタリア繋がりの人生の先輩とランチの約束をして、イタリア映画を楽しみ、時間があれば、丸の内のもうひとつのイベント【熱狂の日】も覗いてみようと思っています。

ワインに収穫年があるように、人生の過ごし方にも、特別の、思い入れがあるとすてきです。連休の後で、かなり大変な時期を過ごすことになっても、充実した思い出を持っている人は、しなやかで強いと思います。