團菊祭五月大歌舞伎に行ってきました 昼の部

新歌舞伎座になって、三階席でも花道が2/3くらい見えるようになった。よい場所で見たいので、年会費を払って、松竹歌舞伎座会会員になっている。こちらは毎年の購入回数でランクが決まる。いまは、特別会員で、一般売りの二日前に購入できるようになった。

会員になると、毎月、「ほうおう」という雑誌が送られてきて、こちらに今月、来月の芝居のあらすじや見どころが載っている。会費はこの書籍代と思えば安い。

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五月は、大好きな菊五郎の出る團菊祭。團十郎はいないので、二人の見せ場はないが、その分、息子の菊之助が頑張っている。今回は、昼の部、夜の部と日を分けて鑑賞した。

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■摂州合邦辻
摂州合邦辻の玉手御前、菊之助が初役である。美しい継子、俊徳丸に恋を仕掛け、後を追ってくる。そして、父に刺されて初めて本心を打ち明ける場面など、見どころがたっぷり。菊之助の熱演に心打たれる。俊徳丸役の梅枝、最後に薬を飲んで元に戻るときに、いい男の色気が出るといいなあと思う。この人のために命を棄てようと思わせるいい男が必要なのだ。合邦道心役の歌六もよかった。片意地だが、筋を通そうとする姿がいい。

■通し狂言 天一坊大岡政談
初めてみる芝居だが、菊之助の悪役が見どころ。お世話になった老婆を殺すところから始まり、将軍家の御落胤と見せかけるために悪事を重ねる。池田大助を調べに使わすが、なかなか戻らないので、家族で切腹をしようと用意しているときに、大助がもどる。このあたりも忠臣蔵のパロディ調。お霜役の米吉が可愛くてうまい。この人は小粒でも存在感がある。これからが楽しみ。菊之助の満身の演技がよかった。もっと悪に徹してもいいのではと思う。二枚目が悪役をやるから、凄みがでるのだ。

昼の部
一、摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)
合邦庵室の場

玉手御前     菊之助
俊徳丸      梅 枝
浅香姫      尾上右近
奴入平      巳之助
合邦道心     歌 六
母おとく     東 蔵

二、通し狂言  天一坊大岡政談(てんいちぼうおおおかせいだん)
序 幕 紀州平野村お三住居の場
紀州加太の浦の場
二幕目 美濃国長洞常楽院本堂の場
三幕目 奉行屋敷内広書院の場
四幕目 大岡邸奥の間の場
大 詰 大岡役宅奥殿の場

大岡越前守     菊五郎
池田大助      松 緑
山内伊賀亮     海老蔵
お三        萬次郎
赤川大膳      秀 調
平石治右衛門    権十郎
下男久助      亀三郎
嫡子忠右衛門    萬太郎
お霜        米 吉
伊賀亮女房おさみ 宗之助
吉田三五郎     市 蔵
藤井左京      右之助
名主甚右衛門    家 橘
僧天忠       團 蔵
天一坊       菊之助
大岡妻小沢    時 蔵

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