團菊祭五月大歌舞伎、夜の部は、「め組の喧嘩」。この演目は最後に見たのが、平成中村座の勘三郎だった。今回は、菊五郎が、め組辰五郎を演じている。
今回の團菊祭は、市川家の海老蔵,左團次のほか、中村屋一門が総出で参加。全体に若返って、楽しい。
■慶安太平記
初めて見る芝居だが、松緑がうまい。いい役者に育ったと思う。立ち回りも多く、気を張って演じないと危険も多く、どきどきする。梅枝はこちらの武家の女房役のほうが、はまっている。いい女形にそだった。
■め組の喧嘩
江戸っ子の粋、意地の張り合いがみごと。菊五郎は、武家の殿様より、こういういなせな役が似合う。時蔵との夫婦役も板に付いていて、こんなひとがいたのだろうなあと共感する。
最後は、喜三郎役の梅玉がその場を収めるのだが、相撲取りと鳶の戦いは、面白い。立ち回りがおおく、はらはらとする。楽しかった。
一、慶安太平記(けいあんたいへいき) 丸橋忠弥
丸橋忠弥 松 緑
女房おせつ 梅 枝
駒飼五郎平 亀 寿
勝田弥三郎 歌 昇
母おさが 右之助
弓師藤四郎 團 蔵
松平伊豆守 菊之助
二、歌舞伎十八番の内 蛇柳(じゃやなぎ)
丹波の助太郎実は蛇柳の精魂/金剛丸 海老蔵
阿仏坊 亀三郎
覚圓 亀 寿
普門坊 巳之助
誓願坊 尾上右近
徳善坊 種之助
随喜坊 鷹之資
住僧定賢 松 緑
三、神明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ)
め組の喧嘩
品川島崎楼より神明末社裏まで
め組辰五郎 菊五郎
女房お仲 時 蔵
九竜山浪右衛門 又五郎
柴井町藤松 菊之助
背高の竹 亀三郎
三ツ星半次 亀 寿
芝浦の銀蔵 歌 昇
伊皿子の安三 萬太郎
おもちゃの文次 巳之助
御成門の鶴吉 竹 松
新銭座の吉蔵 尾上右近
二本榎の若太郎 廣太郎
亀の子三太 種之助
狸穴の重吉 廣 松
烏森の竹次 隼 人
花籠の清三 男 寅
山門の仙太 鷹之資
左利の芳松 橘太郎
三池八右衛門 松之助
葉山九郎次 橘三郎
神路山花五郎 由次郎
宇田川町長次郎 権十郎
尾花屋女房おくら 萬次郎
露月町亀右衛門 團 蔵
江戸座喜太郎 彦三郎
四ツ車大八 左團次
焚出し喜三郎 梅 玉