銀座オペラ、「椿姫」を見てきました

佐渡から帰ってきた翌日、銀座オペラで、「椿姫」を見てきた。これは原作をぎゅっと凝縮して、ドラマのハイライト部分を無理なく繋いで上演。

これまで見たいちばん美しいヴィオレッタ、小川里美さん。そして、歌もぞくぞくするくらいすてきなのだ。こんな人がパリにいたら、みんなが夢中になるだろう。華やかなに見えて、孤独。それが、本当に自分を愛してくれる人を見つけ、暮し始まる。こんな幸せは長く続くはずもないのだ。恋人の父親に説得され、純真な妹を守るために誠実さを求められる。死を目前にした彼女が、犠牲を払う聖女のような役を具現化していた。
tsubaki

アルフレード役の 高田正人さんも、素朴さがよい。ひたむきに恋する青年から、裏切られたと怒る男、そして、最後には彼女の思いを理解し、和解にいたる恋ごころを巧みに表現。泣かせる。

ジェルモン役の与那城敬さん。厳しい父から、家族への深い思い、そして、ヴィオレッタの誠実さに心を打たれ、変わるところが見事。歌唱力もすばらしい。

この舞台をひとりで演奏する清水のりこさん。オーケストラを超えて、パリの哀しい恋人たちの運命を切々と奏でていた。いつもながらの名演奏。

彌勒忠史さんの演出・ナビゲーターも、よかった。オペラが歌える人がまとめると、ムダがないのだ。楽しさもぎゅっと濃縮されていた。

こんなすてきな時間を身近で共有して、大満足。330席のコンパクトなホールだから一体感がすごい。生でみるオペラは面白いのだ。イタリア語上演だったのも、楽しみの1つだったのかもしれない。台詞が少し分かるのは、得した気分だ。次回もこのメンバで公演があるとのこと、すごく楽しみだ。

9/9と、9/11 19時から公演。

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