八月納涼歌舞伎は、三部作だからと敬遠していたら、第三部が評判がいいと聞き、慌ててチケットを取りました。幸運にも千秋楽の8/27が取れて、「怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)」を見ることができました。
面白いのも当然です。この作品は、ニューヨークで上演されたもの。うまく練り上げられています。勘九郎がおどろくほど、勘三郎に似てきたこと。これは親子なのだから不思議はありませんが、二年前より似ています。
茶店の女お菊役の 小山三は、8月20日に94歳の誕生日を迎えたところ。七之助にも、あんたもお元気そうで、変わりないわねえと、いわれて大きな拍手。この人が出ると場目が締まります。
獅童の悪役ぶりも板について、悪事を重ねてまで、美貌の師匠の妻お関と添い遂げたい武士を演じます。早変わりあり、水を使った場面あり、軽妙なテンポで飽きさせません。
最後には三遊亭円朝として勘九郎が登場して、お開き。いい芝居をみたって感じで一杯でした。米国ニューヨーク公演の凱旋記念にふさわしい演目。さぞや勘三郎も安堵していることでしょう。
第三部
一、勢獅子(きおいじし)
鳶頭 三津五郎
鳶頭 橋之助
鳶頭 獅 童
芸者 七之助
手古舞 新 悟
鳶の者 国 生
手古舞 鶴 松
鳶の者 虎之介
手古舞 児太郎
鳶頭 巳之助
鳶頭 勘九郎
鳶頭 彌十郎
芸者 扇 雀
訪米歌舞伎凱旋記念
三世實川延若より直伝されたる
十八世中村勘三郎から習い覚えし
二、怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)
中村勘九郎三役早替りにて相勤め申し候
菱川重信/下男正助/うわばみ三次/三遊亭円朝 勘九郎
重信妻お関 七之助
茶店の女お菊 小山三
松井三郎/住職雲海 亀 蔵
磯貝浪江 獅 童