佐渡能舞台の旅 その3

今年の草苅神社の演目は、「井筒」。伊勢物語から取った幽玄能。在原業平と紀有常の娘の恋物語を語り、業平の形見の衣と冠を身につけた有常の娘の亡霊が現れ、静かに舞を舞い、業平をしのびます。

今回のシテは女性でしたが、前シテでは、淡々と由縁を語り、自分こそ有常の娘で「井筒の女」であると明かします。そして、そのまま後シテとして業平の形見の衣と冠を身につけ、「序ノ舞」を踊ります。その優雅なこと、気品のあること。同じ面なのに、憂いを含んだ貴公子のようで、すばらしかったです。

やはり、日頃のお稽古の賜物ですね。こういう能楽を特等席でみられて、本当に幸せでした。

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