ワーグナー生誕200年記念 日比谷オペラ塾 『ワーグナーへの愛』に行ってきました

今年,2013年は、ワーグナーの生誕200年にあたります。その魅力をさまざまな面から学ぶために、日比谷オペラ塾 『ワーグナーへの愛』が開催されます。その第一回目が第1回 ワーグナー「指環」早わかり、講師は井辻朱美(白百合女子大学教授)さんでした。

2月にパリ、オペラ・バスチーユで、ワルキューレを見たばかりですので、今回の講演は本当に楽しみでした。「指環」は、全編が14時間以上の大作。普通は4夜に別れて演奏されます。日本の新国立劇場では、毎年、一夜づつ4年もかけて上演されました。そんな大作を2時間で語るというのは、大変なことです。

井辻さん自身が、「指環」を読むためにドイツ語を習ったというマニアックな専門家。見どころの解説の後には、実際のCDをかけながら、登場人物たちのライトモチーフ(テーマとなる音楽)を聞き込んでいきます。複数の登場人物がでるときは、当然ながら、こちらの音源が重なる訳ですから、それを見事に表現しているワーグナーの音楽的センスには驚かされます。

鑑賞も批評も、同じ公演から出発して、視点の広がりの違いで、見えてくるものも少し変わります。それが面白いのです。この講座、フェニーチェ劇場友の会が主催で、少し意外な気もしたいのですが、ワーグナー自身、べネチアをしばしば訪れ、繋がりがあったそうです。

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