起業したら、自分のための時間配分を考えよう

長年勤めた会社を辞め、独立したとき、まず最初に考えたことがある。それは、仕事も大切だが、自分のための時間をまず確保すること。勉強のための時間を割くこと。

そして、今、一月に一回のお料理教室と、六月から十一月まで、金曜日の午前中を日本文学の市民大学に通っている。お料理の日は一日オフとして、恵比寿から、広尾、六本木と、買い物したり、歩いたりして過ごす。

金 曜日はさすがに午後は仕事をするが、それでも教室のいちばん前に座って、PCに講義内容を打ち込む時の緊張感はたまらない。セミナをいくつか主宰している が、自分でもどうやってお客様を引きつけるのか、どこにメリハリを入れたらいいのか、と、観察しながら聴いている。優秀な講師からは学ぶところ大なりであ る。

知合いの映画プロデューサーは、制作会社の社長も兼ねているが、いちばん時間の融通が効くのは、社長の自分だという。何人も部下をもつ 経営者は、考える時間や、リフレッシュする空間が必要だ。だから、どんな会合にもまめに顔を出す。ふだんは、多忙な人だけに、自分の時間を確保しているの がよくわかる。

起業すると、途端にすべての時間に打ち合わせを入れがちだが、それはだめだ。一日のうちで、人と会って、名前や性格を覚え、アクションアイテムを整理できるのは五件までと決めている。それ以上はお会いしても、うろおぼえになってしまう。

だから、よい仕事をしたいと思ったら、自分のために使う時間を確保することだ。あの佐藤可士和さんだって、健康維持のために、週中にスボーツ倶楽部に通っている。この時間だけは、スケジュールに入れて、最初に押さえてしまうという。

自分の仕事とは、ぜんぜん関係ない人脈、というのも大切なことだ。本業でトラブルが起きても、平然と参加できる。わたしの参加しているお料理教室にも、現役のドクターが通っている。勤務中に、数時間、お休みをいただいてタクシーで駆けつける。

もちろん、起業していない人も、同等のことはできるはず。そのための有給休暇だから、もっとどうどうと使ったらいいと思う。会社員時代、これを使って欧州旅行によく出かけた。

 

 

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