公開シンポジウム「イタリアは変わったか」に行ってきました

大学主催の公開シンポジウム、きれいな会場で、中身の濃い話が多く、メイルマガジンにも登録して、関心のあるテーマには参加しています。

今回はイタリアということで、特に楽しみにでかけました。

■日時 : 2009年8月29日(土)13:30~16:00
■場所 : 法政大学市ヶ谷キャンパス 外濠校舎3階 S306教室
■基調講演 : 「イタリアは変わったか ‐ビジネスの視点から‐」(日本語) 
フランチェスコ・フォルミコーニ、ジョルジオ アルマーニ ジャパン(株) COO
■パネル討論
陣内 秀信 (デザイン工学部建築学科 教授)
諏訪 康雄 (政策創造研究科 教授)
松本 敦則 (イノベーション・マネジメント研究科 准教授)

[コーディネイター]
岡本 義行 (政策創造研究科長)

基調講演のフォルミコーニさんは、以前一橋大学に留学経験があり、一時間の講演をすべて日本で行ない、用意した資料も日本語で作成。日本語のわかるCOOというのも驚きでした。

日本人の持つ、イタリアという国のイメージと、現状はどうなのか。南北格差による失業率の違い、特に南部では、若年層の37.8%が失業という、現状を教えてくれました。

イタリアは経済成長率がいちじるしく低い。ヨーロッパの中でいちばん遅れていた。49位、日本は9位。
いまでは、GNPも英国の80%しかない。生活水準が低くなっている。イタリア人の生活水準はどう見ても低迷しているか、あるいは平均以下まで悪化している。

不動産価格はローマ、ミラノ、ナポリでさえも多くの新規購入者が手が届かなくなっている。多くのイタリア人がそれらの年度の休日を減らし、そして新車あるいは新規のスーツさえ購入を保留しる。スーパーマーケットが毎月、第四週目の売り上げが減少すると報告している。

EU(ヨーロッパ連合)に加盟したことでのリラからユーロへ通貨の変更、それによる経済の打撃。それは、イタリアだけでなくすべてのいわゆる西洋での歴史が後ろ向きになっているのではないか、といいます。

現在、300万人いる移民は現在は社会的に摩擦なく暮らしていますが、10年後にはかなりのパワーをもち、それが国を変えてくれる強さになることを期待しているともいいます。

日 本からの観光客が半分に激減したのも、買い物の面白さがなくなったこと。ユーロ表記の商品は、いままでのリラ建てに比べて二倍くらいになっています。レス トランも高すぎ。ローマで標準的なランチが4500円というのは、さすがにまずいでしょう。ホテルも同様なので、滞在日数を切り上げることになります。

フォルミコーニさんの悲観的な発表は、ファッション界の現状でもあるのかもしれません。

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