京都文化博物館、そして、岡崎の観世会館に行く その1

午後、観世会館で能楽を見ることになっていたので、早めのお昼は三条のかつくらにする。

11時までの一時間あまり、きものパスポートもあり、昨日見ていなかった京都文化博物館に立ち寄る。まず入り口に映像があり、平安、鎌倉、室町、江戸の絵巻物から人物や職業などの特徴を解説する。平安時代の頼道邸には、皇太子も天皇も訪れている。天皇は脚だけ描かれて、皇太子の全身が載っている。主だった貴族が集まり、女房や女主人たちは、御簾のしたから鮮やかな十二単の裾が見えるだけ。顔は見せないのだ。

華やかな邸宅の前には大勢のひとがつめかけ、珍しい人を一目みようとうかがっている。乳飲み子を抱えた女もいる。みていて、女たちが着飾ることができる時代を平和と呼ぶのだと思った。戦乱の中、女たちはどのように暮らしたのだろうか。

おしゃれができるというのは、よいことなのだと思う。きものパスポートで入っているから当然着物姿。今日は能楽に行くので、江戸小紋の柔らかもの。これも治安がよく、また、天気がよいという条件で、初めて身につけられる。

江戸の映像は、御水尾天皇が二条城に行幸する場面。こちらは夏に訪れたので、なかなかなじみがあってうれしい。四条河原には芝居小屋もあって、その名残が南座として残っている。京都には江戸も近接しているようだ。

京都文化博物館は、こじんまりして、フィルムシアターもあり、寒いとき、暑いときには役に立つと思う。無料のコインロッカーもあり、荷物を預けてゆっくりと鑑賞できる。今回は祇園祭の展示で、伯牙山の詳しい解説があった。祇園祭の山鉾にはそれぞれ謂れがあって、それを知ることでいっそう楽しめるのだ。

日本画家・木島櫻谷(1877-1938)の風景画もすばらしかった。

 

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