新春大歌舞伎に行ってきました

東京でお正月を過ごすには、江戸文化に触れることのできる歌舞伎見物が一番。毎年恒例の新春大歌舞伎に行ってきました。
1/5は、快晴。昼の部、夜の部とたっぷりと見てきました。
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昼の部は、染五郎が将軍慶喜、そして、異言する山岡鉄太郎役の愛之助、真山青果の台詞たっぷりがふたりの心理を見事に描いていて、こんな一日があったのかもしれないと、歴史に思いをふけました。高橋伊勢守の歌昇が、控えめで大人びていてよかったです。

沼津は、国立劇場で三月に通し狂言をするさわりの一幕のようなもの。複雑な人間関係がわかっていないと難しいでしょうね。吉右衛門は、この役で20歳くらい若返って二十代の商家の主人を演じます。色あり、情けありはさすがです。

夜の部の井伊直弼役の幸四郎、正妻昌子の方が雀右衛門、そして愛妾お静の方が玉三郎と、贅沢な配役。こういうのを役者冥利につきるというのではないでしょうか。玉三郎と幸四郎のからみは初めて。新鮮です。死を覚悟して、来世もお前と一緒だと誓う男心。雪が降るのも風情があって、しんしんとしてきます。武家の世界を垣間見た気がしました。

角兵衛獅子役の鷹之資は、あの富十郎の遺児。踊りのうまさは天来のものでしょうか。楽しみながら踊っている横顔、似ていますね。これからが楽しみな若者です。

夜の部最後は、松浦の殿様役の染五郎、ちと若すぎる。まあ、まわりが引き立ててくれるので、楽しめました。愛之助、なんでも器用にこなしますが、耐える役が似合ってきました。左団次のうまさも光っています。壱太郎も可憐でいいです。最後まで楽しめました。

 

 

平成29年1月5日(木)

【昼の部】

大政奉還百五十年
真山青果 作 真山美保 演出
一、将軍江戸を去る(しょうぐんえどをさる)

徳川慶喜     染五郎
山岡鉄太郎    愛之助
土肥庄次郎    廣太郎
吉崎角之助    男寅
間宮金八郎    種之助
天野八郎     又五郎
高橋伊勢守    歌昇

河竹黙阿弥 作
二世藤間勘祖 構成
二、大津絵道成寺(おおつえどうじょうじ)

愛之助五変化
藤娘      愛之助
鷹匠
座頭
船頭
大津絵の鬼

弁慶      歌昇
犬       種之助
外方      吉之丞
矢の根の五郎  染五郎

伊賀越道中双六
三、沼津(ぬまづ)

呉服屋十兵衛    吉右衛門
お米        雀右衛門
荷持安兵衛     吉之丞
池添孫八      又五郎
雲助平作      歌六

【夜の部】

北條秀司 作・演出
一、井伊大老(いいたいろう)

井伊直弼     幸四郎
仙英禅師     歌六
長野主膳     染五郎
水無部六臣    愛之助
老女雲の井    吉弥
宇津木六之丞   錦吾
中泉右京     高麗蔵
昌子の方     雀右衛門
お静の方     玉三郎

五世中村富十郎七回忌追善狂言
二、
上 越後獅子(えちごじし)
角兵衛獅子 鷹之資

下 傾城(けいせい)
傾城    玉三郎

三、秀山十種の内 松浦の太鼓(まつうらのたいこ)

松浦鎮信   染五郎
大高源吾   愛之助
お縫     壱太郎
宝井其角   左團次

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