「イタリアワインと日本料理、ふたつの文化の出会い」というイベントに参加しました。対談するのは、林茂さんと杉山衛さん。
林 茂 Hayashi Shigeru
イタリアンプロフェッショナルソムリエ
杉山 衛 Sugiyama Mamoru
「銀座 寿司幸本店」四代目
というすてきな組み合わせです。
お二人のお話を伺っていると、新しいことに挑戦して、道を切り開いていくのが楽しくて仕方がないようです。好きなことだから、いろいろと頑張ることができるのでしょうね。
老舗というのは、伝統は二割、七割は新しいことに挑戦しないとつぶれてしまうとのこと。本当に伝統を受け継ぐものは、その時代にあった革新が必要なのでしょうね。
イタリアワインは、食材によって合うもの、難しいものがあるようです。ヒラメの刺身のようなものには、あまり凝っていない白ワイン。大トロやぶりにはタンニンの効いた赤が合うというように、料理に合わせていただくのがイタリア流。王道はなく、自分の舌で試してみる。こちらも料理の基本でした。
たとえば、刺身にあう白ワインの見つけ方、行きつけの酒屋さんで、凝っていない白ワインを2つの銘柄で求めて、冷やしておく。そのワインを料理のとき、同時に抜いて、味わいを試す。1つは、合うが、もうひとつはとても合う。今度は、それを使って刺身を食べて見る。
イタリアのワインは、ヴィンテージイヤーがあって、同じ銘柄でも、その年の無事の出来によって、微妙に味わいが違います。毎年、試してみるしかないのですね。何年か前に、モンティカテーニでいただいた、ワインのフルコースを思い出しました。
お話を聞いた後は、会場に用意されている料理にあったワインを少しづついただく。これがグラスになみなみと注がれるので、2センチくらいとお願いしないとだめです。始めに白ワイン、次に赤ワインを味わい、同じ料理でもこんなに違うものだと実感しました。
食べることは、人生の豊かさにも通じます。すてきなお話を聞けて、すてきな夜でした。