今月は、あちこちですてきな演目がかかっています。すべてを見ることはできませんが、今しかみられないものを選んで、出かけようと思います。
まずは、歌舞伎座7月公演。夜の部が【通し狂言 怪談 牡丹燈籠(かいだんぼたんどうろう)】なので、楽しみでした。円朝得意の怪談話、それを歌舞伎仕立てにしています。猿之助が円朝役で、あちこちに登場して、驚かせます。
主人公は、貧しいながらもおたがいをいたわって暮らしている、お峰と伴蔵。これが玉三郎、中車という初顔合わせ。怪談なんですが、笑いの要素がふんだんに盛り込まれていて、怖くはありません。
7/3初日なので、蚊帳を釣る場面で、留め金が落ちてしまって、玉三郎が、中車に助けて付けてもらうのがアドリブでした。玉さん、笑ってしまって、演技ができないのです。
幽霊からお金をもらって、店を出し、商売は繁盛するが、夫婦の間にはすきま風、夫は酌婦に入れあげて、散財している。最後には目を覚ましたように見えたのだが、そこに幽霊が現れ、悲劇の幕。
会場は、すくすく笑いから、大きな笑い声、さすが落語の題材です。可笑しいような哀しいようなお話でした。
熊谷陣屋では、海老蔵が、熊谷直実役で大奮闘。後、十年くらいしたら、ぴったりする役をベテラン役者相手に頑張っていました。光源氏だけでなく、荒物もできないと、成田屋は成立しませんものね。
以下、備忘のために載せておきます。
松竹創業120周年 七月大歌舞伎
夜の部
一、 一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)
熊谷陣屋
熊谷直実 海老蔵
白毫弥陀六 左團次
相模 芝 雀
堤軍次 九團次
亀井六郎 巳之助
片岡八郎 種之助
伊勢三郎 廣 松
駿河次郎 梅 丸
梶原平次景高 市 蔵
藤の方 魁 春
源義経 梅 玉
二、通し狂言 怪談 牡丹燈籠(かいだんぼたんどうろう)
第一幕 大川の船
高座
新三郎の家
伴蔵の住居
高座
伴蔵の住居
萩原家の裏手
新三郎の家
第二幕 高座
関口屋の店
笹屋二階座敷
元の関口屋夜更け
〈第一幕〉
お峰 玉三郎
伴蔵 中 車
お米 吉 弥
お六 歌女之丞
萩原新三郎 九團次
山本志丈 市 蔵
三遊亭円朝 猿之助
〈第二幕〉
お峰 玉三郎
馬子久蔵 海老蔵
お国 春 猿
定吉 弘太郎
お六 歌女之丞
三遊亭円朝 猿之助
伴蔵 中 車