六本木のawaiさんでは、二つ月に一回くらい、着物に関わる文化講座を開いています。今回は、「歌舞伎の楽しみ方講座 – 役者模様と判じ物 -」ということで、出かけてきました。
講師は、岡田美穂(おかだ・みほ)さん。五月の歌舞伎座は、團菊祭だが、それにちなんで、成田屋さんの定紋である、三升、そして、替紋の杏葉牡丹の由来など、楽しく解説いただいた。
成田屋の「三升」
今の歌舞伎界でも市川家というのが主流だが、その中でも七代目團十郎の美的センスのすごさには、驚かされる。市川家に伝わる役者模様、六弥太格子(三升繋ぎ)、荒磯模様などこの人が作り上げている。
一方、もう一つの歌舞伎の名門、音羽屋は、「重ね扇に抱き柏」が定紋。
ほかに、四つ輪がある。替紋は、杏葉菊で、成田屋の牡丹を菊に替えただけ。雑司ヶ谷にある梅幸の墓所の家紋は、この杏葉菊だそうだ。見に行ってみたい気がする。
調べていたら、歌舞伎美人でも、文様の特集をしていたので、こちらも紹介する。
役者紋を纏う
判じ絵というのは、謎解きのようなもの。縦三本、横三本の縞に「中」と「ら」をあしらった中村格子。【中】と、線が6つで【む】そして、【ら】で中村屋。
岡田先生いわく、縦横の線の数がキーポイントになるそう。
そして、最期に先生自身のお着物が、判じ物。江戸小紋の雨降り柄に裏地が筍。これは何を意味するのか。
答え、雨後の筍。
江戸は、贅沢禁止令がたびたび出て、豪奢を禁止された。その分、裏地に凝ったり、文様のバリエーションを作ったのではないか。江戸の文化の成熟度を感じさせる話しだった。
歌舞伎の楽しみ方は、六本木稽古場でも今後開催される。ご興味のある方は、ぜひ、お出かけください。