ラインの黄金、METライブビューイングで鑑賞

歌舞伎の上演時間を調べていたら、松竹サイトで、「METライブビューイング アンコール2014」8/9(土)より東劇にて上映! という記事が載っていた。

オペラは、劇場で見るのが最高と信じて、映画を敬遠していた。過去に見た、編集されたオペラ映画は、感動を覚えるほどでなかったのも、理由の1つである。

それが、オペラ評論家の知合いから、ライブビューイングのすばらしさを教わり、「愛の妙薬」、「パルシファル」、「ウェルテル」と三本見て、まるで劇場で座ってみるかの臨場感に大満足した。幕間に用意されている出演者インタビューも楽しいし、楽屋裏の風景も見えて、舞台と客席が一体化されている。この体験は、心地よいもの、そして、初めての作品の予習にはぴったりだと思った。

そのライブビューイングが、総集編として、再上演される。この夏は、「ニーベルングの指環」四タイトルをすべてみようと決めた。とはいうものの、第一作、第二作をまず見て、次は9月にした。二日間で四作品見ても、印象が曖昧になるし、第一にこの作品持つ味わいをじっくりと楽しもうと思ったからである。

8/14にまず、《ラインの黄金》と《ワルキューレ》を見る。《ワルキューレ》は、パリ、バスチーユで見たばかりなので、その比較も楽しみだった。METは、ご存知のように、劇場収入の他、映画の配信、個人からの寄附で成り立っている。それは、新演出といえども、奇をてらうものではなく、みんなが楽しめるような内容になっているのだ。言い換えれば、最高の歌手を備えて、安心してみることのできるプログラムといえよう。

今回の新演出というのも楽しみだった。コンピュータを使う、大掛かりな舞台演出。ラインの乙女たちは、まるで山登りような重装備で望む。それが客席からは、川のせせらぎに楽しそうに泳ぎ回る乙女たちに見えるのだ。舞台裏がわかっているからこそ、アルベリッヒとのやりとりが生きてくる。歌手は歌うだけではなく、最高の演出に合わせて文字通り、身体を張っているのだ。

舞台が近いので、物語の進行も、理解しやすい。《ラインの黄金》で張り巡らされた伏線は、あとから大きな意味を持ってくる。そういう意味でも、この前夜は大切だ。

神々の住むヴァルハルと呼ばれる荘厳な城は、巨人族に作らせたもの。そして、その報酬を神の長ヴォータンは、火の神ローゲの知恵で地底のアルベリヒから奪い取った黄金で支払う。

ヴォータン役のブリン・ターフェルは、崇高な神というよりは、傷ついた戦士のように見える。最高の配役というのも、うなずけるすばらしさだ。

http://www.shochiku.co.jp/met/program/1011/photo_gallery/01/

指揮:ジェイムズ・レヴァイン 演出:ロベール・ルパージュ
出演:ブリン・ターフェル、ステファニー・ブライズ、リチャード・クロフト、エリック・オーウェンズ
上映時間:3時間3分(休憩2回) MET上演日:2010年10月9日

ワーグナー ニーベルングの指環

《ラインの黄金》 10-11 上映時間:3時間3分
指揮:ジェイムズ・レヴァイン 演出:ロベール・ルパージュ
出演:ブリン・ターフェル、ステファニー・ブライズ
8/14(木)―11:00、9/13(土)―11:00

《ワルキューレ》 10-11 上映時間:5時間14分
指揮:ジェイムズ・レヴァイン 演出:ロベール・ルパージュ
出演:ヨナス・カウフマン、エヴァ=マリア・ヴェストブルック 8/14(木)―15:00、9/13(土)―15:00

《ジークフリート》11-12 上映時間:5時間11分
指揮:ファビオ・ルイージ 演出:ロベール・ルパージュ
出演:ジェイ・ハンター・モリス、デボラ・ヴォイト
8/15(金)―11:00、9/14(日)―11:00

《神々の黄昏》11-12 上映時間:5時間28分
指揮:ファビオ・ルイージ 演出:ロベール・ルパージュ
出演:デボラ・ヴォイト、ジェイ・ハンター・モリス
8/15(金)―17:00、9/14(日)―17:00

 

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