新歌舞伎座が4/2に誕生します。それまでは、この新橋演舞場が、歌舞伎座の代行。ここで猿之助の襲名披露公演も見てきました。
お正月、特にこの時期だけの出し物があって、まず夜の部を押さえ、昼の部はどうしようかと、迷っていたら、三階席の花道の上ですが、前の方が取れました。
同行した主人が、三番叟から、じっくりと見ているので、不思議に思うと、舞台が近いから、息づかいが伝わってくるといいます。本当なんです。一等席にちんまりと座って見ると、気づかないのですが、舞台は立体。上から見ていると、役者さんたちがどんなに孤独で緊張に耐えているかが、よくわかります。舞台の上では、頼るものは自分だけ。日頃から、踊りや稽古に研鑽を積まないと、あの場所に立って平静ではいられません。
黒子のみなさんが大活躍で、簪を差し替えたりもしているのですね。舞台が次にどう展開するのか、裏方たちの準備を見ていると、よくわかって楽しい。眠る暇もありません。
壽 初春大歌舞伎。いっぺんに春が来たかのような華やかさでした。團十郎は休演ですが、初役の七之助が、桜丸を演じます。この人はいい役者になりますね。
最後の四世中村雀右衛門一周忌追善狂言、【傾城反魂香(けいせいはんごんこう)】。吉右衛門と、芝雀がいい味を出しています。鬼平で見せるきりりとした役柄と、こういう吃音の役の両方ができるのは、彼くらいでしょうか。
11時に始まって、15時すぎまで、たっぷりお正月気分を味わってきました。三階B席は3,000円、こちらも申し訳ないくらいのお値段です。もちろん、花道は見えませんが、その分、前の方なので、舞台の進行が手に取るようにわかります。踊りの時、いつ加わっていっしょに舞うのか、タイミングを計っていました。また、引き抜きも上からみると、仕組みがよくわかって面白いです。また、機会があれば、この場所を押さえたいと、思います。
昼の部
一、 寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)
三番叟 梅 玉
千歳 魁 春
附千歳 進之介
翁 我 當
二、 菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
車引
梅王丸 三津五郎
桜丸 七之助
杉王丸 巳之助
金棒引藤内 由次郎
藤原時平公 彌十郎
松王丸 橋之助
三、 新古演劇十種の内 戻橋(もどりばし)
扇折小百合実は愛宕山の鬼女 福 助
郎党右源太 児太郎
郎党左源太 国 生
渡辺綱 幸四郎
【四世中村雀右衛門一周忌追善狂言】
四、 傾城反魂香(けいせいはんごんこう)
土佐将監閑居の場
浮世又平後に土佐又平光起 吉右衛門
女房おとく 芝 雀
狩野雅楽之助 友右衛門
土佐修理之助 歌 昇
土佐将監 歌 六
将監北の方 東 蔵