国立能楽堂で、能楽体験講座、そして宝生能楽堂で、能楽4番鑑賞

9月は、能楽月間。9/7に佐渡草刈神社で、杜若を見て、9/14は、国立能楽堂で能楽体験講座。この後、9/15に宝生能楽堂、五雲会で、能楽4番も堪能。最後は9/21に国立能楽堂で、羽衣を鑑賞する。

能楽が大好きなのは、いくつかの理由がある。その優雅な舞、太鼓、大鼓、小鼓、笛などによる音曲が、非日常を超えて幽玄の世界へと導いてくれる。閉塞感漂う、いまの世の中にぴったりの伝統芸能だ。能楽は死者との対話、植物などが霊になって登場する。

平家の公達が多いのは、滅び行く人たちだから。政治や権力の主流にある人は、登場実物には出てこない。不遇な最後を遂げた若者が、いちばん共感を得るのではないか。人の思い、情念のようなものが、僧侶の読経や、供養によって、浄化される。最後まで、どろどろとするのではなく、必ず、救いがある。

今回、久しぶりに4番もみて、心地よい疲労に包まれている。昔の人は、こういう楽しみ方をしていたのだ。江戸城でも、将軍は能楽を楽しんだはず。大名や将軍家になったつもりで、鑑賞すると、またひと味違う。今岸ではない、だが、あちらの世界からの使者との、交流。そして、対話。滅びた人たちは何を語るのだろうか。

戦乱の日々がつづく世に、ひととき、自分とそして失った仲間や家臣のことを思い出したのではないだろうか。能楽の楽しみは時空を超えたところにあるような気がする。

■五雲会番組  2012年9月15日 12時から18時45分まで (敬称略)

能「龍田」(たつた) シテ 和久 荘太郎

狂言「狐塚」(きつねづか) シテ 山本 則俊

能「通盛」 (みちもり) シテ 渡邊 荀之助

能「班女」 (はんじょ) シテ 水上 優

狂言「左近三郎」 (さこのさむろう) シテ 山本 東次郎

能「是界」 (ぜがい) シテ 東川 尚史

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