新幹線に乗って二時間くらいの距離ですが、やはり京都は遠い。東京の常識と京都の商習慣の違いに、初めての人は戸惑うはず。
慣れると、観光客的な町歩きができなくなり、それに比例してお金もかからなくなります。観光地価格と地元価格が微妙な境で、分けられているみたい。だから、京都人に案内してもらうお薦めどころには、東京人はおりませんでした。
祇園祭の楽しみ方で、今回発見したのは、空いている午前中に有名どころを回って町内会長さんや役員さんのお話を聞く。向こうは、自慢したくて待っている訳 ですから、誠実な態度でいれば、親切にしてくれます。すべて無料。ただし、別れるときは、ありがとうございました、と一礼しましょう。
リア ルな山鉾を見学して、ホテルに戻ってネットで復習して、なんとか知識として定着させる。これを四五年繰り返すと、かなり覚えます。32基の山鉾全部は無理 としても、歴史やいわれなどを教わると、巡行の日の一瞬がとても貴重なものに見えます。山鉾を彩る前掛けも何種類かあって、毎年掛け換えているそうです。
今回、千代紙で作った江戸時代の巡行の様子が展示されていましたが、今のはほぼそれに近いような気がします。丁髷は結わないが、上下袴の盛装で、足軽たちは綱を引きます。江戸時代にはもっと多くの山鉾があったようですが、その地区から消えてしまったものもあるようです。
伝統芸能と、観光と、保存と何か強力な魅力がないと、継続するのは難しいのです。そういう意味で、大勢押し寄せる観光客も大切ですね。誰も来なかったら、モノは売れないし、経済効果も出ません。
東京の祭りは個、あるいは点なんですね。江戸の町が一つになって何か行なうというのは、オリンピックの誘致くらいしかないのかしら。三社祭も、ちょっと離れた地区には関係ないし、むずかしいですね。
祇園祭は明日が山鉾巡行、イベントのクライマックスです。芦刈山で、文箱の受け渡しの練習してはった小学生、本番でうまくできますように。来年もまた出かけますね。