一日夏休みを取り、水上バス・テクニカルツアーに参加してきました。
第一部が、講習会で、「隅田川橋梁群の特徴と見どころ」を学習します。昼休みをはさんで、午後は、水上バスを貸切、講師の先生のガイド付きで隅田川を走ります。
墨 田川に架かる橋梁は、42橋、そのうちの12橋が、関東大震災のあとに建てられたことを知りました。震災復興橋梁のデザイン思想は、調和、統一、変化の3 つが基本で、近くに公園があるときは、それにあった橋になっています。また、隅田川はひとつの連続したものだから、そこに架かる橋は川全体のことを考えて 作られています。さらに対照的配置、ペアの橋などにより、変化をつけながら、美的調和を考えています。
このような講義の後、実際に船から眺めてみると、たくさんの発見がありました。
南北の橋
永代橋(帝都の南門)と白髪橋(帝都の北門)。いずれもアーチ型の橋ですが、微妙に違います。江戸の頃、この橋を通ると江戸市内になったのです。
ペアの橋
永代橋と清洲橋。上向きのアーチである永代橋に対して、次の清洲橋は、下向きのカテナリーで対照的になっています。これらが建てられた当時は、まだ、首都高もなく、見通しのできる位置関係にありました。
隅 田川を千住大橋まで下り、船から東京の町を眺めていると、東京というのは、水辺の町だったのだという新しい発見です。日頃は電車や地下鉄で移動しているの で、川の存在を忘れていますが、パリのセーヌ川や、ロンドンのテムズ川同様に、隅田川およびその支流の川の存在は重要です。昔から、歌舞伎や謡曲になぜ、 隅田川がたくさん登場するのか、やっとその意味がわかったような気がします。
隅田川から水上バスで通勤できたらすてきでしょうね。築地の聖路加タワーの当りには、テラスもあって、お昼を食べながら川風を感じることもできます。なかなか充実した一日でした。