京都四條南座「吉例顔見世興行・夜の部」に行ってきました

クリスマスイブの12/24に、京都南座で歌舞伎鑑賞をしてきました。 ここは江戸の世界、しばし、現実を忘れさせてくれます。

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今年の暮れは暖かく、この日も歩くとほんのり汗ばむほど。でも、南座の中の熱気に較べれば、何のことはありません。 毎年この時期に南座の舞台をみていますが、今年の意気込みはいつもと違います。雁治郎さんの襲名披露が、ご当地、京都で締めくくりになるというのが、伝わってきます。

歌舞伎には、役者、演目、そして、襲名披露のような華が大切です。追善歌舞伎興行よりも、幹部役者が揃っての口上、何度聞いても楽しいものです。

信州川中島合戦IMG_0467ss20山本勘助の母越路は、上杉謙信方が、軍師として、勘助を招きいれようとするのが気に入らず、いろいろと難癖を付け、配膳を足蹴にする。老婆でありながら、ありえないことです。

その無礼に対して、吃りの嫁お勝が琴を鳴らしながら、詫びて、代わりに自分を手打ちにしてくれと訴える。そこで、謙信も刀の鉾を収めて思いとどまった。

というかなり難解な話です。越路を演ずる秀太郎が、自然体で天然な老婆を演じます。 歌舞伎の演目でも演ずるのに格が必要な難役です。それを必死でかばうお勝役の時蔵が熱演して、姑を思う心根が見事に表されていました。

 

土屋主税
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渡辺霞亭 作の忠臣蔵外伝のようなお話です。東京大学に霞亭文庫というものがありますが、江戸のものを熱心に集められています。江戸のことがわかっているから、このような武士の心意気を説いた物語が作れたのでしょう。

江戸時代、武士が二君に仕えないというのは、今習っている近世畸人伝にもしばしば登場します。 いまのように転職が当たり前の時代に、ここがわかっていないと話の面白さが伝わらないでしょうね。土屋主税は、本所吉良家の隣に住まいし、討ち入りの当日も騒ぎが、最初は火事かと思ったそうです。実際にはどれくらい協力的だったのか、調べてみると面白そうです。

河瀬六弥役の梅枝、若侍もうまいです。こんな人が江戸にはいたのだろうなあと、見ていました。

討ち入りと、俳諧の師匠をからめて、うまくまとめた作品だと思います。晋其角役の左團次さん、日ごろから洒脱な方なので、ぴったり。木に登ってまで様子を知りたがるところ、みなの気持ちを代表して魅せます。

雁治郎さんの主税は、駄々っ子のようでもあり、また、上品な優しい殿様でもあります。御前といわれて、じっと我慢して、見送りをしないところもかわいいです。こういうさらりとみせる作品も大切にしてほしいですね。

歌舞伎十八番の内 勧進帳
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こちらは、成田屋さんの十八番のひとつ。海老蔵さんの熱演に圧倒されました。 十一月に勧進帳は見たばかりなのですが、こちらのほうが一段と迫力を増していました。にらみも成田屋さんにふさわしく、細かな演技も練習の積み重ねがみえて、驚くばかりのできばえでした。江戸の心意気を関西に伝えてくれて、ありがとうございます。

壱太郎さんの義経も、品があって、風情を感じさせました。これからが楽しみな役者です。

すっかり、感じ入って戻ってきました。来年もまた、来ますね。

 

夜の部

第一、
近松門左衛門 作
信州川中島合戦(しんしゅうかわなかじまかっせん) 輝虎配膳

長尾輝虎    梅玉
勘助妻お勝   時蔵
直江山城守   橋之助
直江妻唐衣   扇雀
勘助母越路   秀太郎

第二、
四代目中村鴈治郎襲名披露 口上(こうじょう)
翫雀改め鴈治郎
幹部俳優出演

第三、
渡辺霞亭 作
玩辞楼十二曲の内 土屋主税(つちやちから)

土屋主税   翫雀改め鴈治郎
侍女お園   孝太郎
落合其月   亀鶴
河瀬六弥   梅枝
西川頼母   寿治郎
晋其角    左團次
大高源吾   仁左衛門

第四、
歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)

武蔵坊弁慶   海老蔵
源義経      壱太郎
亀井六郎     市蔵
片岡八郎     男女蔵
駿河次郎     九團次
常陸坊海尊    家橘
富樫左衛門   愛之助

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