東京芸術劇場で、新演出の「こうもり」を見る

J.シュトラウス の「こうもり」は、オペレッタで、毎年年末年始にウィーン国立歌劇場で上演されている。その「こうもり」を新演出で、日本で上演というので、楽しみに出かけた。

アイゼンシュタインは、証券ディーラー、そしてその日本人の妻、愛称
ロザリンデは、元ミスジャパンのモデル。ロザリンデの元カレ、アルフレードは、有名ファッションデザイナー、舞台は2014年の東京。

演出の佐藤美晴さんの描く、新しい世界観だ。

そして、あの華麗な序曲から、舞台が始まると、そこは、ウィーンだった。ウィーンには1度しか、出かけたことがないが、国立歌劇場で、魔笛をみたのを思い出す。セットがシンプルでも,新演出でも、歌手が歌い出すと、華麗な映像が頭の中を浮かんでくる。

オペレッタとはいえ、そこには、人生に退屈した
オルロフスキー、美人とみればすぐに口説き始めるアイゼンシュタイン、どこにでもありそうな人物像が浮かび上がってくる。

ロザリンデ役の小川里美さんは、元ミスユニバース、夫がモデルなら、うちにもいるよ、という辺りで、笑いを堪えるのが大変だった。普通の家庭の主婦から、ミステリアスな伯爵夫人に変身。堂々たる歌いぶりである。

アデーレ役の小林沙羅さんも愛らしく、こんな美人がなぜ、家政婦なの、と共感を持てた。アルフレード役のジョン・健・ヌッツォさんは、元カレの分を超えて、愛情たっぷりで笑わせる。

たくさんの行き違いがあって、見ている観客たちは、みな分かっているので、二重に面白い。最後はどうなるのか、と心配もするのだ。

今回のスペシャルゲスト、ラニー・ホリディが輝いていた。還暦過ぎということだが、女盛りである。最後にきれいな脚を見せるところも魅せられた。

フロッシュ役の西村雅彦さん、時事批判などあって、鋭い。この方の歌声もちょっぴり聴きたかった気がする。オペラを見に行ったのに、人生について、考える時間だったような気がする。新演出というのは、余分な飾りを取ったものだから、演ずる人の心の動きまで、伝わってくるのだ。

東京芸術劇場シアターオペラvol.7
J.シュトラウス 喜歌劇「こうもり」全幕

2014年02月20日 (木)18:30 開演(ロビー開場 17:30)

J.シュトラウス/喜歌劇「こうもり」全幕(全3幕、字幕付原語&一部日本語上演)

出演者
アイゼンシュタイン(証券ディーラー):ペーター・ボーディング(Bar)
ロザリンデ(日本人の妻):小川里美(Sop)
アデーレ(家政婦):小林沙羅(Sop)
ファルケ(証券ディーラー):セバスティアン・ハウプマン(Bar)
ブリント(日本人の弁護士):新海康仁(Ten)
フランク(警部):妻屋秀和(Bs)
オルロフスキー(イベントプロデューサー):タマラ・グーラ(Mez)
アルフレード(ファッションデザイナー):ジョン・健・ヌッツォ(Ten)
フロッシュ(警部補):西村雅彦(俳優)
 
2幕のスペシャルゲスト:メラニー・ホリディ
 
指揮:ハンス・リヒター
管弦楽:東京交響楽団
コーラス:武蔵野音楽大学(東京)

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