純喫茶トルンカを読みました

知り合いに薦められて、京都まで連れてきた本たち、「純喫茶トルンカ」もその一冊です。

【トルンカ】つてなんだろうと思って読み進めてきたら、最後の章で明かされました。イジー・トルンカという、チェコの人形アニメの作家なのです。この店のマスターが最初にデートしたとき見たのが、その作品で、やがて、それを店の名前にしたというわけです。

舞台が、喫茶店で、さまざまなお客様がやってきます。薫り高く、ほろ苦い思い出。マスターのいれる上質な珈琲に似ています。ドラマは現在から、過去を呼び出し、そしてちょっぴりと未来に光を当てています。

谷中の話なので、読んでいると、その場所が立体的に浮かんでくるから不思議。さらさらと読めますが、本当は、じっくりと一話ごとに味わい深くお楽しみください。昔の出会いや、昔分かれた人たちのことを思い出しました。心の温かくなる物語です。
徳間文庫 八木沢里史 著

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