毎回、新しい本を教わる、スゴ本オフ、今年最後のテーマは、お酒。お酒にまつわる本は何があるだろうかと、迷い、次の三冊を選出しました。
1. 落語家のやけ酒、祝い酒立川談四楼 PHP研究所
落語家と酒は付き物。この人は、立川談志の付き人をしていて、当時売れっ子だった談志は、田辺茂一に師事し、吉行淳之介、生島治郎、梶山季之、山口瞳などとも顔なじみになり、まず作家を知って、本を読むという、前座だったそうです。
昭和の名人といわれる、志ん生、小さんなどの飲み方についても語っています。
2. 対談 美酒について―人はなぜ酒を語るか (新潮文庫)
吉行淳之介・開高健
あの吉行が、開高健と旅について、酒について語る話です。サントリ文庫の一巻として企画された三回シリーズ。お酒がはいれば、開高先生の放談がはじまり、銀座のバーというよりは、泊まり込みで旅館で車座で聴いている気分になる。第三夜くらいから、読み始めるのがお薦め。巻末には、銘酒豆事典も掲載。
3. 帰りたかった家青木玉 講談社
著者青木玉は、あの幸田文の一人娘。父母の思い出、祖父露伴の様子を綴ったエッセー。その中で,二三か所、お酒が出てくる。幸田文の嫁いだ先は、新川の酒問屋の三男。大店のぼんぼんだった父親は、だんだんと暮しがたたくなり、引越を繰り替える。幸田文は、会員制の酒を販売を考え、一升瓶のラベルを剥がし、中身を洗って乾かし、そこに酒をいれて売るのだ。
そして、後日、岩波書店から露伴全集を出すことになってのかえり、神保町の古い酒屋で、そのときのなじみのある酒をみつけ、持ち合わせがないから、ともう一度、岩波にもどって、買い求め、ふたりで祝杯を揚げたと書かれている。あの幸田文に、こんな時間があったのか、と思うとなつかしい。
この日並んだ,本をごらんください。見ているだけで、酔いが回ってきそう。わずか、数時間でうんちくが語れるようになります。
そして、今回はスゴ本オフならではの特別企画。着物女子、着付け体験。忘年会ということで、着物を着たいひといますか、と呼びかけると、参加者の5人が手をあげてくださり、着物でスゴ本オフとなりました。参加された方には、アンケートにも記入いただきましたが、みなさま、着物を楽しんでいただけたようで、ほっとしています。
今度は、着物男子にも参加してほしいかも。本をコアに、本当にいろいろと遊べますね。すてきな忘年会+スゴ本オフでした。