ブラジル映画祭2013 第一日目

昨年も参加した、ブラジル映画祭2013。ブロガー招待ということで、特別試写会にでかけてきました。本日が第一日目。

「はぐれても、はぐれても」を観ました。

100分 / 2012年 / ドラマ
監督: ブレノ・シルヴェイラ
脚本: パトリシア・アンドラーヂ
出演: ジョアン・ミゲル、アンジェロ・アントニオ、ヴィニシウス・ナシメント、ヂラ・パエス、ルドゥミラ・ホーザ

映画は、長距離トラックを運転する孤独な男、ジョアォンが、トラックに無断で乗り込んできた少年ドゥダと出会うところから始まります。

心を閉ざして、ただトラックを走らせるだけの男ジョアォン。食事のとき、同席するのさえ、避けてひとりで生きています。それが、ドゥダの無邪気な質問や、興味に戸惑い、怒りながら、次第に人間の心を取り戻していくのです。涙がどのシーンにも登場します。涙ですべてを忘れることができるのでしょうか。心の扉を開けるときがきて、今まで,封印していた過去を一気に取り戻そうとします。

そのとき、いつもそばにいて、ジョアォンを見つめ、励ますのは少年ドゥダ。二人は父と子のようにも見えます。失った過去を探し、最後は、新しい出発を暗示させます。失ったものをいつまでも、怖れていてはだめですね。必ず、新しく得られるものがあるのです。

行ったことのないブラジルの自然の豊かさ、海や川で過ごす時間にうっとりさせられました。お金は潤沢になくても、幸せを感じることができるのだと思います。

ブラジル人の恋愛や結婚についても、日頃見聞きすることがないので、その情熱的な行動に、感動しました。ポルトガル語は、スペイン語やイタリア語とも似ていて、ときおり、知っている単語が耳に入ってきます。ラテン系のひとは、本当に子どもを大事にして、可愛がります。

ホベルト・カルロス(Roberto Carlos)の美しい音楽にインスパイアされ誕生した物語とわざわざ謝辞があるのですが、音楽がすばらしい。歌詞は少し古風なものもありますが、人生の本質をついているので、色あせることがないのでしょう。男と女の真実は,変わることがないのです。

子どもに教えられるという映画はこれまでにもありました。しかし、このドゥダのような時折大人びて、ジョアォンの保護者のようになるのは初めての経験。エンディングロールが、いつまでも続けばいいなあと思いました。

ブラジル映画祭2013は、東京 10/12-18でスタートします。
詳しいスケジュールはこちら

 

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